英国初のスーパーカー、登場!【アストンマーティン ヴァンテージの70年を辿る。V8 ヴァンテージ編】

公開日 : 2020/03/29 11:55 最終更新日 : 2020/03/29 11:55


アストンマーティン V8 ヴァンテージのフロントイメージ

Aston Martin V8 Vantage / V8 Vantage Zagato

アストンマーティン V8 ヴァンテージ/V8 ヴァンテージ ザガート

 

 

DBの冠を下ろし「V8」の時代へ

 

エッジーでモダンなデザインをまとって1967年に登場したDBSは、DB4から続いた伝統的グランドツアラーの系図に新風を吹き込んだ。新開発のV8を搭載してのデビューを目していたが完成が間に合わず、導入当初は定番ユニットとなっていたタデック・マレック製4.0リッター直列6気筒DOHCユニットを搭載していた。

 

待望の新設計5.3リッターV8ユニットを積んだDBS V8が現れたのは1969年。1973年に直6を積んだ最後のDBS ヴァンテージがいよいよ無くなり、それと同時に車名からついに“DB”の文字が消えて「アストンマーティン V8」が正式名称となった。以降V8は、長年にわたり同社のメインストリームを担うことになる。

 

アストンマーティン V8 ヴァンテージのフロントイメージ

1977年に登場したアストンマーティン V8の高性能モデル、V8 ヴァンテージ。英国初のスーパーカーと賞賛された。

 

英国初のスーパーカーと呼ばれたクルマ

 

そのV8に高性能のヴァンテージモデルが追加されたのが1977年のこと。V8 ヴァンテージに搭載した5.3リッターV8ユニットには高性能カムシャフトや高圧縮比、大径インテークバルブ、新設計のマニホールド、大型のウェーバー製48 IDFキャブレターなどを採用していた。

 

“英国初のスーパーカー”(ときにはブリティッシュマッスルカーとも)という賛辞をもって迎えられたV8 ヴァンテージは最高出力375hpを発揮。0-60mph加速は5.4秒、最高速度は168mph(約270.3km/h)に達した。

 

アストンマーティン V8 ヴァンテージのエンジンコンパートメントイメージ

ダウンドラフトキャブレター上には大型のエアボックスを配置。これを収めるためにボンネットには大胆なバルジが存在する。

 

「マッスルカー」然としたエクステリア

 

シャシーにも調整機構付きのKONIダンパー、ショートスプリング、フロントに大径のアンチロールバーを装備。255/60 VR15インチのピレリCN12タイヤを装着するべく、スペーサーを入れてトレッドも拡大していた。

 

また、空力特性の追求にも力を入れた。フロントエアダムを装着し、塞がれたグリルにはシビエ製のH4ツイン・ドライビングライトを備えていた。ちなみにラジエーターの冷却エアはバンパー下から導入する仕組みとなっている。また、リヤのブートリッド(トランクリッド)にもスポイラーを備えるなど、車体のリフトを抑えるための空力パーツを効果的に配置している。

 

さらに、ダウンドラフトキャブレター上には大型エアボックスを構えるため、ボンネット上には大きなバルジが大胆に設けられていた。

 

アストンマーティン V8 ヴァンテージのサイドビュー

フロントのエアダムやトランクリッドのスポイラーなど、空力性能を考慮したパーツを採用している。

 

スケッチ公開時点で完売したザガート仕様

 

また、V8 ヴァンテージには1986年にオープンモデルのヴォランテ、そしてカロッツェリアのザガートが手掛けたボディを架装し52台のみが生産された特別なモデルが登場している。

 

アストンマーティン V8 ヴァンテージ ザガートのフロントイメージ

生産仕様はたった52台のみという稀少なV8 ヴァンテージ ザガート。そのすべてが販売開始前に完売している。

 

とくに後者は、発売前の1985年に限定台数のすべてが完売となった。フルサイズのモックアップどころかスケールモデルも写真さえも存在せず、デザインスケッチのみが公開されただけにも関わらず、である。

 

アストンマーティン V8 ヴァンテージ ザガートのリヤビュー

イタリアのカロッツェリア、ザガートの独創的な世界観が如何なく発揮されたV8 ヴァンテージ ザガート。ちなみに作られたプロトタイプの数もわずか3台という。

 

V8 ヴァンテージは1989年まで作り続けられ、クーペは372台、ヴォランテが194台生産された。最終的には437hpのハイパワーバージョンもオプションで設定している。0-60mph加速は5.2秒に達していた。

 

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