マクラーレン GTがグラデーションをまとう。旅のために作られた1台だけの特別なスーパーカー
公開日 : 2020/04/23 17:55 最終更新日 : 2020/04/23 18:01
McLaren Verdant Theme GT by MSO
マクラーレン ヴァーダント テーマ GT by MSO
高度な技術を要するグラデーション塗装
マクラーレンは、鮮やかな緑のグラデーションカラーを採用した「マクラーレン ヴァーダント テーマ GT by MSO」を公開。ビスポークにおける高度な技術力を証明するショウケースともいえる1台だ。
MSO(マクラーレン スペシャル オペレーションズ)はマクラーレンのビスポーク車両や限定車を担当するプロフェッショナル集団。今回はマクラーレン GTをベースに「verdant(新緑の、植物が生い茂った)」という名前が表すとおりキーカラーのグリーンをグラデーションで表現した。
3色の緑が移ろうボディは430時間かけて完成
ホーセルグリーン、アルボル、プラトーの3つのサテン仕上げグリーンをシームレスに繋いだ塗装面は、430時間をかけて完成。MSO史上最も複雑な塗装工程を経てようやく実現したものだという。
フロントスプリッターやサイドスカート部分には目の覚めるようなネイピアグリーンをピンストライプで表現。ブレーキキャリパーもネイピアグリーンで塗装し、ひとつのアクセントとして演出している。「MSO ブラック パック」を組み合わせているため、ホイールはグロスブラック塗装、ウインドウモールやエキゾーストタイプも黒仕立てとなる。
カシミアを自動車内装材に“鍛えた”18ヵ月
キャビンには、乗用車では世界で初採用という「カシミア」素材を導入。繊細なカシミアに自動車の内装材として相応しい耐久性や機能性をもたせるべく、MSOは18ヵ月かけて開発に挑んだ。マテリアル自体の入手量に制限があるため、現段階ではあらゆるMSOオプション中で最も高級なセレクトのひとつとなっている。
チャコールグレーのカシミア表皮には、キーカラーのグリーンのパイピングやレザーでコントラストをプラス。“MSO”のプレートや刺繍を随所に配しており、アクセルペダルにもレザー加工でロゴを刻んでいる。
スキー板も搭載できるスーパーカー
マクラーレン GTは、かつて贅沢の象徴であった「グランドツアラー」を現代的に再解釈したモデル。同社の最高峰であるアルティメットシリーズのスピードテールと同じDNAを受け継ぎながら、大陸横断も快適にこなすことのできる快適性を持ち合わせている。
ミッドシップレイアウトながら、フロントとリヤには合計570リットルの荷室容量を備え、リヤ側コンパートメントにはゴルフバッグやスキー板などの長尺物さえ搭載可能。機能性のみならず、ハッチゲートをガラス張りとするなどスーパーカーとしての美学も一頭地を抜く。
ライバル比で200kg以上引き締めた軽量ボディ
心臓部には620psを発揮する4.0リッターV8ツインターボを搭載。トランスミッションは7速SSGを組み合わせ、さらに徹底した軽量構造もあいまって、0-100km/h加速はわずか3.2秒を実現している。グランドツアラーらしい優雅で伸びやかなプロポーションの一方で、カーボン素材を多用することで同クラスのライバルに比べ200kg以上の軽量化を実現したという。
足元には軽量なアルミニウム製ダブルウィッシュボーンに油圧式電子制御ダンパーを組み合わせ、専用にチューニングされたプロアクティブ・ダンピング・コントロール・サスペンションを採用している。720Sで開発された画期的な最適制御理論ソフトウェア(アルゴリズム)を継承し、センサーからのインプットを通じて路面を読み取り、次に起こりそうなことを予測。わずか2ミリ秒で適切な設定に変更する仕組みだ。
ビスポークの可能性を示す一例として
MSOのマネージングディレクター、アンサー・アリは説明する。
「マクラーレン ヴァーダント テーマ GT by MSOは、多くの革新性を取り入れることで現代のラグジュアリーを次のレベルに押し上げました。マクラーレンの誇るグランドツアラーは、我々の芸術的手腕を存分にふるうことのできるエレガントで洗練されたキャンバスです」
「同時に、GTのみならずコンバーチブルでも、サーキット用スーパーカーでも、究極のロードカーであるマクラーレン エルヴァであったとしても、あらゆるマクラーレン車のオーナーの皆様が、このマシンをみてより多くの方法で愛車をパーソナライズしたいと思っていただけたらと願っています」
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