ロータス、エヴァイヤの先進的なエアロダイナミクスを解説したアニメーション動画を公開

公開日 : 2020/05/13 17:55 最終更新日 : 2020/05/13 17:55

革新的な空力哲学を導入したロータス エヴァイヤ

Lotus Evija

ロータス エヴァイヤ

 

 

従来から長足の進化を遂げたエヴァイヤの空力

 

ロータス・カーズは公式Youtubeチャンネルで、フルEVハイパースポーツ「エヴァイヤ」のユニークな空力性能とダウンフォースに関するアニメーション動画を公開した。動画の公開に合わせて、ロータス・カーズのシニアエンジニアである、リチャード・ヒルがエヴァイヤの洗練されたエアロダイナミクスについて解説を行っている。

 

ロータス・カーズにおいて、空力のスペシャリストとして30年にも及ぶ経験をもつヒルは、これまで無数のロードカーとレーシングカーの開発に携わってきた。ヒルは従来のロータス製スポーツカーとエヴァイヤの違いを「子供用ゲイラカイトとジェット戦闘機ほど違う」と説明した。

 

革新的な空力哲学を導入したロータス エヴァイヤ

ボディ全体で風を受ける翼に見立てて、ダウンフォースを得る設計としたエヴァイヤ。ボディサイドから得られたエアはリヤテール部から排出される。

 

クルマをひとつの翼に見立てたエヴァイヤの空力哲学

 

ーーまず、エヴァイヤのエアロダイナミクス哲学を教えてください

 

「エアフローをフロントセクションで低くフラットに保ち、ボディシェルを通過させながらリヤセクションにおいて高く導くことにあります。シンプルに言えば、車体全体を反転した翼に見立てて非常に強力なダウンフォースを生み出しています」

 

ーー従来のスポーツカーと比較すると、エヴァイヤはどれくらい進化しているのでしょうか?

 

「それこそ、子供用のゲイラカイトと最新のジェット戦闘機を比較するようなものですよ(笑)」

 

ーーエヴァイヤはエアロダイナミクスのため、ボディ全体が空気を通すように設計されています。かなり気孔率が高く設計されていますね

 

「多くのクルマは、空気の壁を通り抜けるために力づくで通り道を開ける必要があります。しかしエヴァイヤは、ユニークな多孔性を持たせています。つまり、フロントが空気を取り込む口のように機能しているのです。そこからフレッシュエアを吸い込み、1kgのダウンフォースを得て、そのダイナミックな造形のリヤセクションを通して排出しています」

 

ーーその際、フロントスプリッターはどのような役割を担っているのでしょうか?

 

「フロントスプリッターは、3つのセクションで設計されています。中央の大型エリアはシート後方に搭載されているバッテリーの冷却用。外側に配置された2つのセクションは、フロントのeアクスルを冷却しています。 スプリッターはボディ下部を通過するエアフローを最小限に抑え、アンダーボディの抗力と揚力を減らします。また、上下のスプリッター表面間の圧力の差を利用することで、フロントセクションにダウンフォースを生み出しています」

 

エヴァイヤのフロントフェンダーに設けられたエアアウトレット

エヴァイヤのフロントフェンダー後端のエアアウトレット。ボディ全体を使ってフレッシュエアを効率的に通過させることで、ドラッグを軽減させ、ダウンフォースレベルを向上させている。

 

フレッシュエアを効率的に通過させる技術

 

ーー多孔性のひとつとして、リヤクォーターをベンチュリートンネルが通過していますね

 

「そうですね。エアをリヤに送り込むことによってドラッグを減少させています。このように考えてください。もし、ベンチュリートンネルがないと、エヴァイヤはパラシュートのように空気をためこんで浮き上がってしまいます。そこを虫取り網のように空気を通過させています。それこそが、エヴァイヤのユニークな点です」

 

ーーエヴァイヤのアクティブ エアロダイナミクスは、どのような効果がありますか?

 

「例えば、リヤウイングは静止状態からスピードが上がるとルーフの高さまで上昇します。ルーフを通過するフレッシュエアを受け止めることで、リヤアクスルに強力なダウンフォースを生じさせるのです。また、F1マシンでお馴染みの『ドラッグ・リダクション・システム(DRS)』も装備されています。DRSを展開することでダウンフォースが減少し、最高速度を上げることが可能になります」

 

エヴァイヤの空力担当エンジニア、リチャード・ヒル

1986年にロータス・カーズに入社したリチャード・ヒルは、エアロダイナミクスのスペシャリストとして活躍してきた。彼は自動車の開発だけでなく、東京オリンピックの自転車競技に参加する英国代表のために、新たなトラック用自転車の開発にも参加している。

 

2020年後半の最終テスト後に空力データーを公開予定

 

ーーロータスは、F1グランプリに初めてカーボンファイバー製モノコックを持ち込んだコンストラクターでした。その技術は市販モデルのエヴァイヤにも採り入れられていますね

 

「エヴァイヤ専用のカーボンモノコックシャシーは、並外れた強度、剛性、安全性を備えています。そして、アンダーパネルはリヤディフューザーへと効率的にエアを導くようにデザインされており、驚異的なダウンフォースを生み出してくれます」

 

ーーエヴァイヤは世界最軽量のEVハイパースポーツになる見込みです。重量は空力性能に影響するのでしょうか?

 

「厳密に言って、車重は全体的なエアロダイナミクスに影響は与えません。ただし、クルマが軽いほど、ダウンフォースがグリップレベル全体に占める割合が高くなり、慣性レベルが低くなります。つまり、結果的にコーナーリング時の回頭性が良くなるということですね」

 

ーーエヴァイヤの空力レベルのデータを公開する予定はありますか?

 

「今年後半に最終的なテストが終了すれば、そのデータを公開する予定です」