TOYO TIRES、ニュル24時間レースに向けて始動! 10年ぶりに挑戦する狙いとは【動画レポート】【PR】

ニュル24時間レースに向けてテストするトーヨータイヤ

パートナーはニュルの常連、NOVEL RACING

 

約10年ぶりにニュルブルクリンク24時間耐久レースに挑戦することを発表した、TOYO TIRES。2019年2月にモータースポーツチームを立ち上げ、2020年に向けて体制づくりを進めていたというだけに気合は十分、かつてないほどの意欲に燃えている。

 

しかし社内では、いくら完成度の高いレーシングタイヤを開発しても、いきなり表彰台に上がれるほど甘くはない世界であることは熟知していた。そこで経験豊富なNOVEL RACINGにパートナーになってもらえないかと打診したところ快い返答がかえってきたという。NOVEL RACINGといえば、今やニュルの常連。2016年よりレクサス RC Fで参戦し、第7戦ではSP8クラスの6時間レースでクラス3位に入賞、2018年にはIS Fも加え2台体制で挑み、24時間レースでRC Fはクラス2位、IS Fもクラス3位を獲得。2019年には、SP8のほかにRC F GT3でSP9クラスにも参戦するなど、飛躍的な活躍が際立つ存在だ。2020年は、レクサス RC Fに加えて、トヨタ GR スープラ GT4にて参戦する。

 

これはTOYO TIRESにとって力強いパートナーだろう。長いブランクを少しでも穴埋めするには理想の相手である。モータースポーツチームのリーダーを務める菅野淳一氏はそのときの様子を語る。

 

ニュル24時間レースに向けて岡山国際サーキットでテストするトーヨータイヤ

ニュル24時間耐久レース参戦に向けて、2019年11月から2020年2月まで、数回に渡って事前に岡山国際サーキットなどでテストが行われた。

 

「ニュルへの挑戦は、当社が全力をあげて取り組む大プロジェクトです。しかし、10年もの長いブランクもあったので、果たして我々の商品が実際どの程度ニュルで通用するのか分かりませんでした。それでもNOVEL RACINGの渡邊社長からは、『未知なるものにチャレンジするのは非常に楽しみです。NOVEL RACINGのNOVELとは、唯一無二という意味を込めています。可能な限り開発のお手伝いをさせて頂きます』という力強い返答をいただくことができました」という。それからTOYO TIRESのモータースポーツチームはさらに一丸となってニュルに挑む決意が固まった。

 

もちろん、NOVEL RACINGの気合も相当だ。これだけの戦歴があるため、TOYO TIRESと初タッグを組むといっても当然ながら負けるわけにはいかない。2019年11月には急遽、NOVEL RACINGのRC Fを空輸で日本に運び、早々に岡山国際サーキットでテストを開始した。

 

ニュル24時間レースに向けて岡山国際サーキットでテストするトーヨータイヤ

岡山国際サーキットでは数セットのタイヤをテスト。ここで得られたデータをもとに試作を繰り返す。

 

10年間もあったからこそ蓄積できたこともある

 

「実際のところ10年間のブランクがあるというのは、動かしがたい事実です。もちろん、スタートでハンデがあると言われればその通りですが、10年の間で弊社としても色々な試験設備、研究体制、シミュレーション技術など、さまざまな要素を蓄積できたということもありますので、新しい切り口、アプローチでタイヤ作りに取り組みたいと思います」

 

そう語るのは、商品開発グループ担当リーダーの加藤達也氏。岡山国際サーキットでテストを行った際、冷静沈着に話はじめた。

 

「ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ(北コース)というのは、エンジニア、特に自動車メーカー、タイヤメーカーにとっては、一度は挑戦したいところです。TOYO TIRESにとってははじめてではありませんが、私にとっては2010年以来、10年ぶりの再挑戦です。この話が来た時には、やっとチャンスが来た!と喜びましたね」

 

ニュル24時間レースに向けて岡山国際サーキットでテストするトーヨータイヤ

ニュルの常連で知られるNOVEL RACINGとは初のコンビネーション。TOYO TIRESにとって心強いパートナーである。

 

ここ数年、TOYO TIRESはニュルこそ参戦していなかったものの、長年に渡り北米で行われているパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムや、ニュル24時間レースよりも1時間長いことでも知られるサンダーヒル25時間レースなど、スリックタイヤの開発と実戦投入には力を入れてきた。それでもニュル参戦となれば、また違う雰囲気が社内で沸き起こっているという。加藤氏が続ける。

 

「ニュルで使用するタイヤは宮城県にある仙台工場で作りますが、その工場のスタッフや、テクニカルセンターのコンパウンド配合設計の部署など、今回のニュル参戦が決まってから全体の結束が急速に高まっていまして、“ワンチーム”で進める体制が整ってきました」と喜びを隠さない。

 

将来を考え、若手も交えた開発体制

 

「今回のニュルプロジェクトには若い人に関わってもらって、TOYO TIRESとしてこれからの世代の開発体制も同時に進めて行きたいと考えました」

 

そこで加藤氏は、開発パートナーに同グループの荒川清香氏を起用。2017年に入社したばかりの彼女は、すでにTOYO TIRESでタイヤの開発を行っている一方、プライベートでは“ドリフト女子”として大会に参加するほどの存在。それだけに、彼女もまたニュル参戦への意気込みは相当だ。

 

TOYO TIRESのニュル24時間レースを担当する、加藤氏と荒川氏、そしてモータースポーツチームの菅野氏

TOYO TIRESのニュル24時間耐久レースを担当する、開発担当の加藤達也氏(左)と荒川清香氏(中央)、そしてモータースポーツチームのリーダー 菅野淳一氏。

 

「タイヤでどこまで挑戦できるのかということと、そのデータを得て他の部署とどれだけ深くやっていけるのかというのも楽しみです。ひとりの設計者として、構造だけでなく、特性を見たり、解析シミュレーションもできたら無敵になれるので、そういうのも含めてニュルがいいきっかけになればと思います。タイヤも良くしていきたいですし、自分のスペックも上げていきたいですね。今回の1年間でどれだけ成長できるか分かりませんが、タイヤと一緒に成長していこうかと思います」

 

言うまでもなく、加藤氏はもちろん、荒川氏もレーシングタイヤだけでなく、一般車に使用するタイヤの開発も行っている。今回のニュルへの挑戦は、そうした高品質なロードタイヤの開発への足がかりになるとも加藤氏は考えている。

 

「ニュルはタイヤにとってかなり厳しい領域になります。高速での旋回性能、我々は高速CP(コーナリング・パワー)と呼んでいますが、それを含めたタイヤのパフォーマンスアップに繋げていきたいと考えております。それはレーシングタイヤだけに限ったことではなく、いわゆるハイパフォーマンスタイヤの開発もニュルブルクリンクでやることがありますので、そこをリンクさせながら進めていきたいと思っています」

 

また荒川氏は、また別の視点から見たいとも語る。

 

「コースを目の前で見る以外にも、実際に同乗できる機会があるかもしれないので、タイヤだけでなく、クルマ全体としてもニュルでは見ていきたいと思っています」

 

ニュル24時間レースに向けて岡山国際サーキットでテストするトーヨータイヤ

TOYO TIRESは、ニュル24時間耐久レース参戦で得たデータをもとに、ロードタイヤの性能向上に繋げていくことも目的としている。

 

継続こそ大事。ロードタイヤの開発にも繋げる

 

このインタビューを行ったのは、3月上旬。その後の3月14日にはニュルで合同テストが行われた。旅立つ前に加藤氏は今回の目的を語ってくれた。

 

「今回の合同テストでは100台以上が同時に走りますし、1周約25kmありますので、車載データから有益な情報を得ることと、ドライバーの感触の2つがテストのメインとなると思います。ニュルでは初テストとなりますから当然ラップタイムは期待していません。まずはその2つの目的をこなします」

 

残念ながらその合同テスト後、新型コロナウイルス感染症拡大防止策として外出禁止令が発令され、3月16日からはじまるイベントはすべて中止。本来なら、5月21〜24日に行われるニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦するはずだった。しかし、感染拡大が収束の兆しをみせた今、6月27日のVLN4時間耐久レース開催に向けて動き出している。加藤氏はこう付け加えた。

 

「これに限らず、やはり継続というのは大事だと思っています。2年や3年で結果がでるほど甘いコースではありません。実際のところ痛い目に遭うだろうと。それも含めてニュルだというふうにリスペクトしながらチャレンジしていこうと思います」

 

そして菅野氏は「当社にとって2020年は未来に向けた新しい道づくりの年として、ひとりひとりが、ひとつひとつのチャレンジを結実させていくことを目標にしています。そういう意味でも、このニュルへの挑戦は携わる我々にとっても、会社にとっても大きなチャレンジになると考えています」と最後に熱く語ってくれた。

 

もはやTOYO TIRESにとって、これは“挑戦”であると同時に“覚悟”である。レースで勝利することを主眼におきつつ、ロードカーにおけるタイヤの基本性能も向上させるというその目的は、相当な覚悟がなければ成し得ない。まだスタートしたばかりだが、NOVEL RACINGという最強のパートナーとともに挑めば、成功に導くことは決して不可能ではないだろう。TOYO TIRESがワンチームとなって成長していくレースシーンでの姿と、そこから得た、より完成度の高いロードタイヤの誕生が今から楽しみである。

 

PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

 

 

【関連リンク】

・TOYO TIRE 公式サイト

https://www.toyotires.co.jp/

 

 

 

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