シトロエン、新型C4を本国で発売。EVもラインナップした最新フレンチハッチバック最大の魅力とは

公開日 : 2020/07/01 14:55 最終更新日 : 2020/07/01 14:55

新型シトロエン C4の2台イメージ

Citroen C4/e-C4-100% electric

シトロエン C4/e-C4-100% エレクトリック

 

 

クサラから繋がる現代C4の系譜

 

シトロエンは2020年6月30日、新型「C4」及び「e-C4-100% electric」を世界に向けて発表した。

 

C4の名前の源流は古く、初めてシトロエン史上に登場したのは1928年。全長4.03m、車重1トンで積載量500kgを誇る2人乗りのパネルバンに与えられた名称だった。系統図としては、この1928年製C4バンの後継にあたるのはベルランゴといえる。

 

現代C4の原点はクサラの後継車として2004年にデビュー。空気力学を考慮した流線型のシルエットを採用するとともに、センターフィックスステアリングやディレクショナルヘッドライトなどを導入した革新的なモデルだった。3ドアのクーペ、5ドアのハッチバックに加え、一部の地域向けに4ドアセダン、そして5ドアのMPVとしてC4 ピカソも追って登場。2010年までの6年間で累計230万台超を生産するヒット作となった。

 

2010年にフルモデルチェンジした2代目C4は5ドアボディのみの設定となり(中国市場向けのセダン、C4 Lが追って登場)、正統派のCセグメントハッチバック然としたモデルに。兄弟車としてDS 4が誕生した。

 

新型シトロエン C4のフロントイメージ

現代C4としては3代目となるモデルが2020年6月30日にワールドプレミアされた。100%電気のEVと内燃機関のガソリン、ディーゼルをラインナップする。

 

セグメントトップレベルのルーミーな後席空間

 

今回登場した新型C4はCMPプラットフォームがベース。全長4360mm、全幅1800mm、全高1525mmの5ドアハッチバックボディに2670mmのロングホイールベースを設定している。結果、ニールーム約20mmというセグメントトップレベルのルーミーな後席空間を作り出した。

 

フラットで使い勝手の良さそうな荷室は通常時で380リッターの容量を確保。荷室床は2段階の高さに調整が可能で、さらに後席を畳めば最大1250リッターまで拡大する。e-C4の場合は荷室床下に充電ケーブルを収納できるのでスペースを犠牲にしないで済む。

 

キャビン内にも16箇所、合計39リッター分の収納スペースを設けている。グローブボックスやセンターコンソール、コンソール前方やアームレスト下などに身の回りのアイテムを整理整頓することができる。また、助手席前方に「スマート パッド サポート シトロエン」と呼ぶ固定アタッチメントを装着すれば、Apple iPad Air 2などのタブレットを設置することも可能。さらに引き出し式のダッシュボード トレイも用意する。

 

新型シトロエン C4のディスプレイイメージ

タブレットを固定するアタッチメントや各部に設けた収納スペースなど、使い勝手面で様々な工夫が見られる新型C4のキャビン。

 

EV、ガソリン、ディーゼルの3種を用意

 

EV、ガソリン、ディーゼルの3種を用意

今回3代目に生まれ変わったC4は、100%電気で走るEVモデルと内燃機関モデルの両方をラインナップ。内燃機関にはディーゼルとガソリンを用意する。

 

EVのe-C4には50kWhのバッテリーと136hp/260Nmのモーターを搭載。航続距離は最長350kmで、100kWの高速充電なら30分で80%分までチャージできる。走行モードを「スポーツ」にセットした場合、0-100km/h加速は9.7秒、最高速度は150km/hに達するという。

 

内燃機関はガソリンに100hp、130hp、155hpの“ピュアテック”1.2リッター直列3気筒ターボ、ディーゼルに110hp、130hpの“BlueHDi”1.5リッター直列4気筒ターボを設定している。

 

新型シトロエン C4のフロントイメージ

新型C4には、かつて“魔法の絨毯”と呼ばれたハイドロニューマチックの乗り心地を現代に蘇らせるべく開発された「プログレッシブ ハイドローリック クッション(PHC)」と呼ばれるサスペンションシステムを採用する。

 

魔法の絨毯を思わせる乗り心地を提供

 

足周りには「プログレッシブ ハイドローリック クッション(PHC)」と呼ばれるサスペンションシステムを採用。かつて“魔法の絨毯”と呼ばれたハイドロニューマチックの現代的解釈といえる機構で、その実力はC5 エアクロスですでに証明されている。

 

コンベンショナルなメカニカルサスペンションながら、ダンパー内にもうひとつのセカンダリーダンパーを搭載。大きくストロークした場合に反発力を生むバンプラバーを最小化し、その代わりにセカンダリーダンパーで高い入力を減衰する仕組みを採った。

 

このテクノロジーは、1994年のパリ・ダカールラリーで優勝したシトロエン ZXラリーレイドで投入され、2000年代から2019年までのシトロエンWRCカーに採用された技術をベースにしたもの。悪路を速く安全に走るための“足”は乗り心地の良さはもとより、純機械的なメカニズムのため信頼性の高さも強みとなる。

 

新型シトロエン C4のフロントシートイメージ

座面やバックレストにかつてのBXやGSを思わせるステッチデザインを採用。高密度の厚みのあるフォームを使うことで当たりが柔らかく、サポート性にも優れた快適なシートを実現した。

 

GSやBXを彷彿させる快適なシート

 

快適を主題に据えるシトロエンのクルマづくりに則り、乗り心地だけでなくシートに設計にも注力している。専用開発されたフォームを敷き15mm分厚みを増したシートは当たりが柔らかで身体をしっかりとサポート。ステッチにはかつてのGSやBXを彷彿させるデザインを採用した。また、シートヒーターに加えてマッサージ機能を追加することも可能という。

 

コクピット環境は最新モデルらしくデジタル化を推進。10インチのタッチスクリーンやQi規格のワイヤレス充電機能を搭載する。ステアリングホイールにヒーター機能を追加することもできる。自動運転レベル2に相当する最新のADAS(先進運転支援機能)にも対応。完全停止&再発進に対応したACCをはじめ、標識認識機能やブラインドスポットモニターなどを用意している。

 

新型シトロエン C4のリヤシートイメージ

およそ20cmのニールームを確保したルーミーな後席空間。後席乗員用のエアコン吹き出し口を設置するとともに、ヒーター機能を追加することもできる。

 

CセグメントハッチにBEVを投入した理由

 

SUV隆盛の時代といえど、ハッチバック市場は依然として重要なことに変わりがない。欧州では2019年に170万台のハッチバックが売られており、新車乗用モデル販売の約11%を占めている。このCセグメントハッチバックという激戦区へEVを投入した理由を、シトロエンブランドのCEO、ヴィンセント・コビーは「Because we can, we should(出来るのだから、やるべきだ)」と語った。

 

新型シトロエン C4の俯瞰目イメージ

Cセグメントハッチバックという量販分野にBEVと内燃機関という構成でシトロエンが攻勢をかける。欧州では2020年12月頃にはデリバリーが始まる模様。

 

アミやGS、BX、ZX、クサラといった先達が切り拓いてきたコンパクトカーの王道を、シトロエンは新型C4でさらに押し進めるか。欧州では2020年9月には受注を開始、クリスマス頃には公道を走る姿が見られるようだ。日本への上陸時期は未定だが、いち早い導入を期待したいモデルである。