ダイムラーAG、世界的な偽造パーツ取引を撲滅すべく厳格な対応策を実施

公開日 : 2020/07/19 11:55 最終更新日 : 2020/07/19 11:55


世界中で取引されているダイムラー関連の偽造パーツ

2019年は160万個以上のダイムラー関連偽造パーツを押収

 

現在、自動車用偽造パーツの世界的な取引は拡大を続けている。OECD(経済協力開発機構)の推計によると、海賊版製品の貿易総額は年間5090億ドルにも達しており、現在も増加傾向にあるという。特に大きな影響を受けているのが自動車産業で、ダイムラーAGは偽造パーツ対策への取り組みを続けており、各国の税関など関係当局と緊密に協力している。

 

ダイムラーAG/メルセデス・ベンツAGの法務関係取締役のレナータ・ユンゴ・ブリュンガーは、現在の状況について以下のように説明した。

 

「2019年は、当局による520件以上の家宅捜索に同行・支援しました。合計160万個以上のダイムラー関連偽造パーツが押収されています。多くの場合、それらはブレーキディスク、ホイール、フロントガラスなどの安全関連スペアパーツです」

 

世界中で取引されているダイムラー関連の偽造パーツ

ユーザーレベルでは見分けのつかない状態で販売される偽造パーツだが、多くの場合、安全性や環境性能が劣っており、その使用にはリスクを伴うことになる。

 

安全性や環境性能を無視した偽造パーツ

 

自動車用偽造パーツは、非常に大きな市場規模を形成。偽造品の摘発・情報収集を支援する業界団体「ユニオン・デ・ファブリカン(Union des Fabricants)」の報告によると、多くの偽造業者は麻薬取引を超える高い利益を確保。さらに多くの場合、組織化された偽造業者によって販売されるパーツ類は、環境基準や職場の安全性、人権を全く考慮することなく、非人道的な条件で生産されている。

 

専門家ではない一般ユーザーにとって、偽造パーツは純正パーツはさして変わらないように見えるが、ほとんどの場合品質が劣っており、最低限の法的基準さえ満たしていない。偽造パーツの使用はユーザーの安全や健康リスクを著しく侵す可能性があるのだ。

 

「ブランドを保護することは、つまりお客様を保護すること。私たちにとってお客様の安全は最優先事項です。私たちは、偽造業者に対して”ゼロ・トレランス方式”を徹底しています。つまり、徹底的に追求し、罰則をもって対処しています。そして、偽造パーツの販売を阻止すべく、新たな部署を設置しました」と、ブリュンガーは付け加えた。

 

世界中で取引されているダイムラー関連の偽造パーツ

蔓延する偽造パーツを摘発するために、ダイムラーの知的財産執行部門は各国の税関当局や警察などと密接に協力している。

 

各国の税関当局や警察などとの密接な協力

 

ダイムラーの知的財産執行部門(The Intellectual Property Enforcement unit)は、世界中の税関当局や法執行機関(警察など)と密接に連携。彼らのブランド保護戦略は「検出、攻撃、予防」の3つの柱に基づいて行われている。

 

ブランド保護チームのスペシャリストは、偽造パーツを追跡するために世界中のウェブサイト、ショップ、見本市などで疑わしい商品をチェック。典型的な警告シグナルとしては、明らかな低価格、低い品質、怪しげなオンライン販売元による商品の販売などがあるという。

 

世界各地で行われている地方自治体による違反業者の捜査は、大規模な偽造ネットワークを摘発し、その生産・流通構造を解体することを目的としている。その他の措置として、刑事訴訟、差止命令、損害賠償のための訴訟なども行われている。

 

ブランド保護チームは、税関や警察と密接に協力して、さらなる予防策も講じている。トレーニングセッションを行ったり、情報資料を配布することで、カスタマーに対して安全性のリスクに対する認識を高め、純正パーツと偽造パーツを見分けることができるようにサポート。これらの活動によって、チームは安全性だけでなく人権や環境保護の観点からも、持続可能性に貢献していると言えるだろう。