ゴードン・マレー T.50、ついに詳細を世界初公開! スーパーカーの定義を書き換え、再び神話となるか?

公開日 : 2020/08/05 14:15 最終更新日 : 2020/08/05 14:29


ゴードン・マレー オートモーティブ T.50の正面イメージ。ドア開

Gordon Murray Automotive T.50

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50

 

 

邦貨約2億9500万円のミッドシップ スーパーカー

 

ゴードン・マレー オートモーティブ(GMA)は2020年8月4日、ついに最新作「T.50」の全貌を世界に初公開した。100台限定生産のミッドシップスポーツは、2022年1月より英国のGMA生産拠点で製造を開始。車両価格は税抜きで236万ユーロ(約2億9500万円)だ。

 

搭載エンジンは自然吸気のV12。車体中央にドライバーを据え、その左右にパッセンジャーを座らせる3シーターレイアウト。6速MT、バタフライドア、1トンを切る車重。ボディ後端に配した400mmの巨大なファン・・・。

 

かようにゴードン・マレーが21世紀に作ったスーパーカーは、「これまで作られたスーパーカーの中で、最もピュアで、軽く、ドライバー中心のクルマを目指して開発」された。

 

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50の俯瞰目リヤビュー。ドア開

ドライバーの背後に搭載するのはコスワースと共同開発したV型12気筒自然吸気ユニット。テールには、車体下面の空気を強制的に排気する大径ファンを設置する。強制的にダウンフォースを獲得するシステムは、かつてマレーが設計したF1マシン「ブラバム BT46B」で初採用したもの。

 

1万2100rpmまで回る自然吸気V12

 

T.50のボディ全長は4352mm、全幅1850mm、全高1164mm、ホイールベースは2700mm。モノコックタブ、ボディパネル、シャシーはカーボンファイバー製で、車内のありとあらゆるパーツは中空ないしはトラス構造とし、車重はたった986kg(乾燥重量957kg)に抑えた。

 

1トンを切る車体の原動力は、コスワースと共同開発した65度V型12気筒自然吸気ガソリンエンジン。排気量は3994ccで、最高出力663ps/1万1500rpm、最大トルク467Nm/9000rpmを発生する。ガルウイングのフード下に収まる単体重量178kgのV12は、レブリミットの1万2100rpmまで抜けるように吹け上がるという。サーキット走行も見据え、ギヤ駆動にドライサンプ方式を採用している。

 

ハイブリッドやターボは一切採用していないが、レスポンスを最大限に高める48Vのスターター兼ジェネレーターだけは搭載した。これが車体後部のファンを稼働する役割も担う。

 

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50のコンソールイメージ

マレー曰く、アナログドライバーのための、本物の偉大なスーパーカーを目指し開発したというT.50。コンソールでは繊細なチタニウム製ギヤスティックがドライバーの操作を待っている。

 

チタニウム製ギヤスティックを据えた6速MT

 

車体中央に据えられたコクピットでドライバーが操るのは、5速までクロスレシオ化した6速マニュアルトランスミッション。目の前ど真ん中に120mm径のアナログタコメーターが収まる。針はアルミニウムの削り出しだ。クラスター左右には最小限のダイヤル式ロータリースイッチを6個配している。左側の一番上に据えたのが、自慢の「空力システム」を切り替えるスイッチだ。

 

ドライバーが右手を差し出す先には、繊細なチタニウム製ギヤスティックが長く伸びている。ボルトがむき出しになったコンソール上にもタッチパネルの類は見当たらず、キャビンにはドライバーが直感的に操作できる物理スイッチのみが存在する。足元には、左からアルミニウム製のクラッチペダルとブレーキペダル、そしてチタニウム製のスロットルペダルが並ぶ。

 

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50のドア、ハッチ開イメージ

アルミハニカムコアを備えたサンドイッチ構造のカーボンファイバーモノコックを採用。あらゆる軽量化施策により、「平均的なスーパーカーのほとんど1/3ともいえる」車重を実現したという。

 

ホイールはセンターロック式を採用

 

サスペンションもコンベンショナルなダブルウィッシュボーン+コイルスプリングを前後に配備。タイヤはミシュランのパイロット スポーツ 4 Sで、フロントが235/35R19、リヤが295/30R20サイズを履く。モータースポーツ由来のセンターロック式を採用している。ブレンボ製カーボンセラミックのブレーキシステムはディスク径が前370mm(6ピストン)×後340mm(4ピストン)という構成だ。

 

空力性能を徹底して追求したボディは、余分なエアロパーツを可能な限り排除した。リヤのツインスポイラーとテールに据えた巨大ファン、アクティブディフューザーの調整により、「オート」「ブレーキ ブースト」「ストリームライン」「V マックス ブースト」「ハイダウンフォース」「テスト」の6モードへ切り替えられる。

 

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50のフロントイメージ

ゴードン・マレー オートモーティブが2022年1月より生産を開始する予定の最新ミッドシップスーパーカー「T.50」。マクラーレン F1同様、センターにドライバーズシートを備えた象徴的な3シーターレイアウトを採る。

 

最も偉大なアナログのドライバーズカー

 

ゴードン・マレーは、T.50を「最も優れたアナログのドライバーズカー」を目指して開発したと語る。プレス向け資料のドライバーアシストの項目にはESP、ABS、低速時パワーアシストステアリングのみが記されていた。

 

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50とゴードン・マレーのイメージ

マクラーレンF1の衝撃から約30年。ついにロードカーの世界へと戻ってきたゴードン・マレー。マクラーレン F1やブラバム BT46Bなど、かつてのアイデアを採り入れながら、マレーの信条から1mmも外れることなく「21世紀のスーパーカー」づくりに挑んだ。

 

彼は言う。

 

「毎日私のビジョンを共有されることになるのは、ちょうど100人の顧客の皆様です。マクラーレン F1の手法をあらゆる面で磨き上げたこのクルマでね。あれから30年、技術やシステムは進化しました。それらを使い、最も優れたアナログのドライバーズカーを作るべきタイミングが今だったのです。他に作れる会社はきっとありません。この英国製スーパーカーの生まれるときこそ、私にとってもっとも誇らしい瞬間となるでしょう」

 

 

【SPECIFICATIONS】

ゴードン・マレー オートモーティブ T.50

ボディスペック:全長4532 全幅1850 全高1164mm

ホイールベース:2700mm

トレッド:フロント1586mm リヤ 1525mm

車両乾燥重量:957kg

エンジンタイプ:V型12気筒DOHC自然吸気

総排気量:3994cc

最高出力:663ps/1万1500rpm

最大トルク:467Nm/9000rpm

レブリミット:1万2100rpm

トランスミッション:6速MT

駆動方式:RWD

サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン

ブレーキ:前後カーボンセラミックディスク

タイヤ&ホイール:前235/35R19 後295/30R20

 

 

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