BMWグループ、電動化攻勢をさらに加速。2030年までに電動モデルの比率を全販売の50%に

公開日 : 2020/08/17 11:55 最終更新日 : 2020/08/17 14:29


BMWグループの電動モバイルラインナップ

2019年までに50万台の電動モビリティを販売

 

BMWグループは、温室効果ガスの削減を目指したパリ協定を踏まえ、持続可能なビジネスを目指す「10ヵ年計画」を進めている。この計画の中心となるのが、電気自動車やプラグインハイブリット(PHEV)など、電動化モビリティのラインナップ拡充だ。

 

現在、BMWMINIでは、フルEVモデルとPHEV搭載モデルを数多く販売しており、すでにヨーロッパ全域における新規登録台数の13.3%を電動モビリティが占めているという。この数字は、他社ブランドの電動モビリティ率が約8%ということを考えると1.5倍に相当。BMWはこの電動モビリティの比率が、2021年には25%2025年には33%2030年には50%にまで上昇すると予想している。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大という厳しい外的要因にさらされながらも、BMWグループは2020年上半期に前年同期を上回る車両を販売した。現在、BMWMINIの電動駆動システムを搭載したモデルは世界74の市場で販売されており、2019年までに50万台以上を販売。そして2021年末までには累積販売台数が100万台を超える見込みだ。

 

BMWグループが掲げる10ヵ年計画では、2030年までに全世界で700万台以上の電動モデルの販売を目標に掲げており、そのうち70%がフルEVとなる予定。電動モビリティの大規模なラインナップ拡大によって、BMWグループの車両が1kmあたりの走行で排出するガスは2030年までに約40%も削減される。 

 

BMWグループの電動モバイルラインアップ

今後、BMWブランドから登場するモデルには、内燃機関やPHEVに加えてフルEV仕様が続々とラインナップされることになる。

 

BMW iX3

 

様々なモデルにフルEV仕様のラインナップを計画

 

現在のモデルは、世界的なカスタマーニーズと各国の法規を考慮したうえで幅広い車両を展開する「パワー・オブ・チョイス(power of choice)」アプローチを採用。そのなかでデビューした新型BMW X3は、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したガソリンとディーゼルに加えて、PHEVをラインナップした最初のモデルとなった。

 

BMWグループでは将来的に電動モデルと従来の内燃機関を搭載したモデルが単一のラインで生産されることになる。例えば、次世代高級サルーンとして開発中の次期7シリーズにもフルEV仕様が加えられ、大量生産される5シリーズとX1にも従来の内燃機関とPHEVだけでなくフルEV仕様が登場する。

 

この積極的な電動モビリティの拡充は、BMWが掲げてきた2020年までの経営戦略「NUMBER ONE > NEXT strategy」に基づくもの。この経営戦略は未来の車両を定義するものとして「D+ACES」を設定しており、それぞれ、D=デザイン(Design)、A=自動運転(Automated driving)、C=コネクティビティ(Connectivity)、E=電動化(Electrification)、S=サービス(Services)を意味している。

 

BMWグループの電動モバイルラインアップ

BMWが誇るフルEV用パワートレイン「BMW eDrive」は第5世代までに進化。i3、iX3、MINI クーパー SEに続き、2021年にデビューを予定している「i4」と「iNEXT」にも導入される。

 

MINI Cooper SE

MINI クーパー SE

 

第5世代に進化した「BMW eDrive」テクノロジー

 

第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーは、新型「iX3」でお披露目された。電気モーター、大容量バッテリー、充電技術、駆動系コンポーネンツの高い品質は、2011年以来、BMW iブランドが電動モビリティの分野で培ってきた経験の賜物と言えるだろう。

 

BMW eDriveテクノロジーの全コンポーネンツはBMWの自社開発となっており、社内において進化を続けてきた。たとえばi3に搭載されるバッテリーは設置スペースは変わらないものの、その充電容量は2倍に拡大している。

 

iX3に搭載された第5世代「BMW eDrive」テクノロジーは、電気モーターの効率とパワー、高電圧バッテリーのエネルギー量、充電容量、システム全体のインテリジェント制御が新たなレベルに到達したことを意味する。iX3に搭載された新開発の電気モーターは210kW(286hp)の出力を発揮して後輪を駆動する。BMW初となるフルEVスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)は、最大航続距離520kmを確保。さらに2021年には、この第5世代「BMW eDrive」が「i4」と「iNEXT」にも導入される予定だ。

 

また、BMWの電動モデルのパイオニアとして、登場から7年を経た今も高い人気を誇っているのがフルEVプレミアムコンパクトの「i3」だ。AWD、アルミニウム製シャシー、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製キャビンなど、先進的な技術の数々が色あせることはない。BMW i3に搭載されるシンクロナスモーターは、最高出125kW(170ps)、上位モデルのi3sは135kW(184ps)を発揮。軽量素材のカーボンを積極的に採用したことで、非常にスポーティな走行性能を実現している。

 

そしてi3の電動パワートレインの強化版を搭載しているのが「MINI クーパー SE」だ。 i3sとの最大の違いは、MINIブランドとしての特徴でもある前輪駆動を採用していること。BMW eDriveテクノロジーはバッテリーの搭載方法など、パッケージングにも優れており、MINI クーパー SEは、ベースモデルの3ドアと同じ乗員スペースとラゲッジスペースを確保することに成功した。

 

BMWグループの電動モバイルラインアップ

BMWは各セグメントに向けて、異なるPHEVシステムを展開。3.0リッター直6、2.0リッター直4、1.5リッター直3のガソリンターボエンジンに電気モーターが組み合わせられる。

 

BMW 545 e xDrive Sedan

BMW 545 e xDrive セダン

 

セグメントに合わせたPHEVシステムを展開

 

BMWとMINIのプラグインハイブリッド(PHEV)モデルは、内燃機関と電気モーターをインテリジェントに制御することで、ふたつの動力の長所を融合させることに成功した。都市部での走行や通勤時など、比較的短距離の移動ではEVモードでの走行を可能にし、長距離移動時には内燃機関で補って長い航続距離を確保している。

 

コースティング(慣性)走行や減速時の集中的なブレーキ回生により、航続距離をさらに伸ばすことも可能。さらに、高度なエネルギーマネージメント機能により、電力の節約にも対応しており、特に市街地での局所的なエミッションフリー走行にも適している。

 

7シリーズ PHEV、X5 xDrive 45e、そして先日デビューしたばかりの545 e xDriveセダンのプラグインハイブリッド・モデルは、8速ステップトロニックに組み込まれた電気モーターが3.0リッター直列6気筒ガソリンターボエンジンと連動し、システム最高出力290 kW(394hp)を発揮する。

 

2.0リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載するPHEVモデルはスポーティさと環境性能を両立。このPHEVシステムは、3シリーズと5シリーズではそれぞれ4つのモデル、そしてX3 xDrive 30eに搭載されている。

 

プレミアムコンパクト・セグメント向けのPHEVは、1.5リッター直列3気筒ガソリンターボエンジンをベースに電気モーターを搭載。モーターが後輪を駆動し、ガソリンエンジンが6速ステップトロニックを介して前輪を駆動する。システム最高出力は「X1 xDrive 25e」「X2 xDrive 25e」「MINI クーパー SE カントリーマン ALL4」が162kW(220hp)、「225 xe アクティブツアラー」は165kW(224hp)を発揮する。

 

BMWが拡充する充電インフラ

2030年に向けて、電動モビリティの大幅な拡充を目指すBMWグループは、ユーザーサポートに加えて、各地の充電インフラの拡充にも努めている。

 

電化に合わせたユーザーサポートや充電インフラの拡充

 

BMWグループは、PHEVモデルに向けて革新的なデジタルサービス「BMW eDrive Zone」も展開。このシステムでは、PHEVモデルが都市部の低排出ガスゾーンに入ると、自動的にフルEVモードに変更される。

 

「BMW Charging」と「MINI Charging」サービスは、家庭でも外出先でも、簡単かつ快適な充電を提供する。このサービスには、充電器の設置サポート、グリーン電力購入のための個別オファー、ヨーロッパだけでも15万5000ヵ所以上の公共充電ステーションの利用などが含まれている。また、BMWグループは、ドイツ国内だけでも約4100ヵ所もの企業向け充電ステーションを整備し、来るべく電動モビリティ社会に向けたインフラを拡充している。