新型ロールス・ロイス ゴーストが到達した「極上の静けさ」とは? アルミフレームと総計100kg以上の遮音材が生む静粛性能

公開日 : 2020/08/19 11:55 最終更新日 : 2020/08/19 11:55


次期型ロールス・ロイス ゴーストのコンセプトムービーイメージ

Rolls-Royce Ghost

ロールス・ロイス ゴースト

 

 

さらに進化する世界最高の静粛性

 

ロールス・ロイスは2020年秋に、ゴースト初のフルモデルチェンジを実施する。2代目モデルはアルミニウム製のスペースフレーム構造「アーキテクチャー オブ ラグジュアリー」をベースに、4輪操舵と4輪駆動を組み合わせ、最新のシャシーテクノロジーを総動員して投入する。

 

次期型ゴーストがこだわるのはもちろん操縦性だけではない。ロールス・ロイスといえば、「60マイルで走っているロールス・ロイスの中で、一番の騒音は電子時計の音」と謳われたほどの静かさが身上。ドアを閉めた瞬間に周囲の喧噪がぱたりと消え、窓の向こうが遠く離れた別世界へと一変する。その静粛性能は別次元だ。

 

次期型ロールス・ロイス ゴーストのコンセプトムービーイメージ

2代目ゴーストは、ロールス・ロイスこだわりの静粛性についてもより磨きをかけたという。開発陣は「Formula for Serenity(静けさを生む公式」を合言葉に、世界最高の「ささやき声」を作り上げた。

 

もともと静かなV12エンジンを“厳重隔離”

 

新型ゴーストでは、その静粛性能がさらに進化する。まず、次期型が採用するアルミニウム製スペースフレームは音響インピーダンス(音の伝搬のしやすさを数値で表したもの)が従来のスチール製モノコックと異なるうえ、平らではない複雑な面構成により反響の面でアドバンテージがあるという。

 

そもそも搭載する6.75リッターV型12気筒エンジン自体、音・振動が極めて少ないが、それを二重壁構造のバルクヘッドがキャビンから厳重に隔離。さらにルーフやラゲッジコンパートメント、フロアには100kgを超える吸音・遮音材を仕込んでいる。

 

加えて、透明度の高いシート材を用いた合わせガラスはもちろん、タイヤには空洞共鳴音を低減するフォーム材を装着しているという。

 

次期型ロールス・ロイス ゴーストのコンセプトムービーイメージ

次期型ゴーストのコンセプトムービーより。V12エンジンやタイヤはもとより、ワイパーなどの“音の原因”を徹底的に調査し対策を施してきたという。

 

目指したのは独自のささやき声

 

一旦音響空間を作り上げたのち、さらにそれぞれのコンポーネントが発するあらゆる音の原因を徹底的に調査。看過できないレベルのノイズのいちいちを完璧に取り除いていった。エアコンのダクト内形状まで再設計したという。

 

しかし、完全な無音というのは存在しない。そこでロールス・ロイスの音響スペシャリストが目指したのは、低く柔らかくほのかな「ささやき」である。

 

ロールス・ロイス独自のささやき声を作り出すべく、各コンポーネンツの共振周波数をチューニング。シートフレームの減衰ユニットやキャビンとラゲッジコンパートメント間の孔に至るまで、手を入れられる部分には全て手を入れた。

 

次期型ロールス・ロイス ゴーストのコンセプトムービーイメージ

各コンポーネンツに伝わる共振周波数を徹底してチューニングした新型ゴースト。コンセプトムービー内のアニメーションにも、ラゲッジコンパートメント内で伝搬する振動の様子が描かれている。

 

ロールス・ロイスの「静けさ」を生む公式

 

「Formula for Serenity(静けさを生む公式)」を合言葉に、ロールス・ロイスのエンジニアは新型ゴーストの静粛性能開発に取り組んできた。音響エンジニアリング部門を率いたトム・デイヴィス-リーズンは次のように説明している。

 

「新型ゴーストの驚異的な音響品質は、どんな細部も漏らさず注意を払い、徹底的に開発を繰り返した結晶です。むろん、アルミニウム製のアーキテクチャーがもたらす恩恵にも支えられています。スチール製プラットフォームでここまで洗練された環境を作り上げることはとても不可能だったでしょう」