ジャガー ランドローバーが「クルマ酔い」を無くす!? 自動運転がもたらすプラスアルファの利点とは

公開日 : 2020/08/24 11:55 最終更新日 : 2020/08/24 11:55


ジャガー ランドローバーの乗り物酔い解消のイメージ

事故ゼロ、渋滞ゼロを目指す自動運転社会

 

現在世界中のメーカーが自動運転の研究・開発を猛スピードで進めている。事故発生数を抑えるとともに運転手の負担を減らすこと、そして交通の流れを整え渋滞などの環境負荷を改善することが第一義とされている。

 

その自動運転がもたらすメリットがもうひとつある。そう主張するのがジャガー ランドローバーだ。すなわち「クルマ酔い」の軽減である。

 

ジャガー ランドローバーの乗り物酔い解消ソフトウェアイメージ

ジャガー ランドローバーは乗り物酔いを軽減するために、自動運転時の車両の動きを最適化するソフトウェアを開発している。このイラストは、コーナリング時の挙動がもたらす「健康スコア」と「乗り物酔いスコア」への影響を示したもの。

 

7割以上の人が抱える乗り物酔いの悩み

 

アカデミック プレス社刊行の『Motion Sickness(乗り物酔い)』(J.T. Reason、J.J. Brand著)によると、乗り物酔いは全世界で70%以上の人々に発生する可能性があるという。

 

乗り物酔いは、耳の奥にある三半規管と耳石器という器官や肌、身体が感知する情報と、視覚による情報にズレが生じることで起こると言われている。クルマの中で本を読んだりすると気持ちが悪くなるのもそれが理由だ。

 

ジャガー ランドローバーの乗り物酔い解消ソフトウェアイメージ

クルマ酔いを解消するためには急発進・急停車などの挙動を抑えたスムーズな運転が有効であり、自動運転技術がクルマ酔い解消に結び付くべくジャガー ランドローバーは研究を進めている。

 

乗り物酔いを軽減するべく独自ソフトウェアを開発

 

ジャガー ランドローバーは加速や制動、車線変更などの際の動きを検証し、乗員の乗り物酔いを軽減するべくソフトウェアの開発を進めてきた。

 

プロジェクトの第一段階で、乗り物酔いの度合いを最大60%減らすために個々人の健康状態をアルゴリズム構築した「ウェルネス スコア」を開発。同スコアをアイルランドのシャノンに開設したソフトウェア研究施設で自動運転用ソフトウェアに組み込み、実験を行っている。

 

ジャガー ランドローバーの乗り物酔い解消ソフトウェアイメージ

こちらはブレーキング時の挙動がもたらす乗員への影響を表したもの。このソフトウェア開発で得た知見は、ADASの“運転マナー”の改良にも活かしていくという。

 

ADASの“運転マナー”改善にも活用

 

実走行とシミュレーター合わせて2万マイル(約3万2000km)の記録を取り、運転時の力学をそれぞれのパラメータとして算出。そのデータに基づき、機械学習を活用して車両が最適なドライビングスタイルを実現できるようにしていくという。むろんスポーティなジャガーと全地形対応型のランドローバーでは“動き”が異なるため、それぞれの車種の個性に相応しいドライビングスタイルを組み込んでいく。

 

最終的には完全自動運転車に搭載することを計画しているが、本ソフトウェアの開発はADAS(先進運転支援機能)の挙動の改良にも役立つ。ACC利用時の加減速や車線変更時に、より乗員に負担の少ない“運転マナー”を実現してくれるはずだ。

 

ジャガー ランドローバーの乗り物酔い解消を研究

乗員ひとりひとりを対象にして個別に設定するクライメートコントロールもクルマ酔いには有効。快適な移動を効果的に実現する高度なクライメートコントロールの自動化も研究されている。

 

移動時間は自分のためのひとときへ

 

ジャガー ランドローバーの最高医療責任者(CMO)、Dr. スティーブ・アイリーは次のように語っている。

 

「モビリティは急速に変化しています。事故ゼロ、渋滞ゼロの社会を実現するため、自動運転車の力を利用していく必要が我々にはあるのです。乗り物酔いの解消は、ドライバーレス車両のポテンシャルを解き放つ鍵となります。移動時間は読書や仕事、リラックスのためのひとときとして使えるようになるでしょう」