2000kmツーリングで感じた、新型ディフェンダーが奮い立たせる「冒険心」とは? 【後編】

公開日 : 2020/09/01 17:56 最終更新日 : 2020/09/02 15:43

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ランドローバー ディフェンダー 110 HSEとディフェンダー SEの走行シーン

Land Rover Defender 110 HSE × Defender 110 SE Explorer Pack

ランドローバー ディフェンダー 110 HSE × ディフェンダー 110 SE エクスプローラーパック

 

 

2000kmツーリングで見えたもの

 

ランドローバーのアイコニックなモデルがついに新型へと生まれ変わった。軽量アルミの新アーキテクチャーD7xや最新のインフォテインメントシステムを採用する新型ディフェンダーは、我々の期待を裏切らない仕上がりをみせてくれるのか。2000kmのロングツーリングに2台を連れ出し、新型ディフェンダーの魅力にモータージャーナリストの吉田拓生が迫るレポートを前後編に分けてお届けする。(前編/後編)

 

ランドローバー ディフェンダー SEの走行シーン

「ドライブフィールやそのクオリティ、そしてブランドバリューから判断するならば、新型ディフェンダーはかなりリーズナブルに思える」と言うように、3ドアの“90”は499万円から、5ドアの“110”は589万円からの価格設定となる。

 

「冒険心を奮い立たせる感性の持ち主、私は心底、新型の虜になった」

 

旅の1日目は、新東名から伊勢湾岸、淡路島を通り過ぎ四国を目指すドライブだった。もし先代ディフェンダーで同じ旅程をこなそうと思えば、ずいぶんと余計に時間がかかっただろう。平均のペースも落ちるし、サービスエリアの度に休憩を取りたくなるからだ。ところがツアラーとしても快適な新型ディフェンダーならば400km以上の連続走行を容易にこなすことができた。体感的には、現在のランドローバーのラインナップ中で最も走りの質感が良く、疲れにくいモデルなのではないかと思ってしまったくらいだ。

 

高速主体で8.6km/リッターという燃費は芳しく思えないかもしれない。だが前軸重が1220kg、後軸重が1100kgにもなるボディを考えればむしろ良好な値といえる。

 

新型ディフェンダーのトピックが、完成度の高い走りにあることは再三述べてきた。だが現段階におけるこのクルマの注目度の高さには価格的なものが影響していると思う。3ドアの90は499万円から、5ドアの110は589万円からという極めて現実的な新車価格も、多くのファンのこのクルマに対する本気を掻き立てているに違いない。ドライブフィールやそのクオリティ、そしてブランドバリューから判断するならば、新型ディフェンダーはかなりリーズナブルに思えるのだ。

 

ランドローバー ディフェンダー 110 HSEのインテリア

直感的な操作が可能な最新インフォテインメントシステム「Pivi Pro」を採用。車両設定を自動制御するテレイン・レスポンス2は6種類の走行モードから選択できる。

 

「機能的でシンプルであることがそのままデザインとしても通用している」

 

縦と横のラインが端正に走るボディは、都会的な景色によく馴染んでいるように見えたが、雄大な四国の風景にも問題なく溶け込んでいた。一方室内のデザインや素材の組み合わせ方にも、21世紀のディフェンダーらしさがうまく表現されていた。

 

レンジローバーのように豪華ではいけないし、先代のように禁欲的過ぎても時代が求める水準に達しない。新型ディフェンダーのそれは、ダッシュボードを縁取るグリップハンドルや大きく平たいスイッチ類など、機能的でシンプルであることがそのままデザインとしても通用しているのだ。デザイナーには21世紀のディフェンダーが何たるかがしっかりと見えているのだろう。

 

高めのドライビングポジションと視界の良さは言わずもがな。先代と同じようにボディの見切りがすこぶる良いので細い田舎道でも躊躇せず入っていける。しかもステアリングが正確なのでツイスティなワインディングでも走りを楽しめる。

 

ランドローバー ディフェンダー 110 HSEの3列目シート

HSEにはオプションの3列目シートが装備されていた。ヘッドルームも高く実用性は担保されていると言って差し支えないレベル。もちろん、たためばフルフラットのラゲッジルームが現れる。

 

「新旧ディフェンダーの路面に対するタッチ、身のこなしは馬のそれに似ている」

 

最後の清流と呼ばれる高知県の四万十川付近を走り回ったことで、新型ディフェンダーの印象が一皮剥けたように思えた。驚くべきことに、新型のドライブフィールが先代のそれと重なりはじめたのである。

 

一言で表現するならば、新旧ディフェンダーの路面に対するタッチ、身のこなしは馬のそれに似ている。細い脚でスッと立ち、鞭を入れれば跳ねるように軽快に走り、悪路でも速やかなリズムを崩さない。フロア付近の剛性感と、ふわっと軽い上屋の感覚も両者に共通している。まるで別物に違いないという思い込みを抱いて走りはじめてたのでなかなかか核心に辿り着けなかったが、これは確かに原初のランドローバーの末裔なのである。ボディに飛び散った泥の飛沫も必要不可欠なアクセントのように感じられる。

 

ランドローバー ディフェンダー 110 HSEとディフェンダー SEのリヤスタイル

「新型ディフェンダーはモノよりコトの時代にうまくマッチする、そんな1台だと思う」と、レポーターをして本気の購買意欲をもたらせた新型ディフェンダー。それは今現在のオーダー数も物語っている。

 

「3日間、2000kmを走り、私は新型ディフェンダーに心底惚れ込んでいる」

 

極限状態の中に男女2人を放り込むと、よほどの理由がない限り惹かれ合うらしい。恐らく日本のメディアで初めて新型ディフェンダーを駆り、まったく極限状態ではないにせよ2000km以上もの距離を3日間でこなした今、私は新型ディフェンダーに心底惚れ込んでいる。具体的には、3ドアの金属スプリングの極めて簡素なヤツで十分なのだが、いつか手に入れたいと思っている。

 

価格を抜きにして新車のメルセデスGクラスと比較した場合でもディフェンダーを選ぶだろう。Gクラスは所有欲や自己顕示欲を大いに満たしてくれるはずだが、友達の引っ越しを手伝ったり、本気でワイルドライフに踏み込む気持ちを後押ししてくれないだろう。そう、新型ディフェンダーは「やってみよう! 行ってみよう!」とドライバーの冒険心を奮い立たせてくれるような感性の持ち主なのである。新型ディフェンダーはモノよりコトの時代にうまくマッチする、そんな1台だと思う。

 

 

REPORT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)
PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)

 

 

【SPECIFICATIONS】

ランドローバー ディフェンダー110 HSE

ボディサイズ:全長4945 全幅1995 全高1970mm
ホイールベース:3020mm
車両重量:2240kg
エンジン:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1995cc
最高出力:221kW(300ps)/5500rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1500-4000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前&後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後255/60R20
車両本体価格:812万円

 

 

【問い合わせ】
ランドローバーコール
TEL 0120-18-5568

 

 

【関連記事】

・2000kmツーリングで感じた、新型ディフェンダーが奮い立たせる「冒険心」とは?【前編】

 

 

【関連リンク】

・ランドローバー 公式サイト

http://www.landrover.co.jp

 

 

【掲載雑誌】

・GENROQ 2020年 10月号