電気自動車のサウンドはどうあるべきか。フォードのEVマスタングが奏でる新しいクルマの音を聴く【動画】

公開日 : 2020/09/08 14:55 最終更新日 : 2020/09/08 14:55


フォード マスタング マッハEのフロントイメージ

Ford Mustang Mach-E

フォード マスタング マッハE

 

 

エキゾーストノートがないというEVの悩み

 

まわりに自身の存在を知らしめるうえで、自動車の音というのは重要な存在だ。EVモードでするすると無音で近づく車両に気付かず、ドキリとした経験がある方も少なくないのではないか。歩行者保護のための接近通報音を義務づける向きも広がっている。ひゅーん、という電子音を奏でるEVやHVも増加したが、「聞こえづらい」「気がつきにくい」という声もよく耳にする。

 

EVのサウンドデザインは、各メーカーが力を入れている新しい分野だ。BMWは次世代グランクーペ、i4の音づくりに世界的に知られる作曲家であるハンス・ジマーの協力を得ているという。BEVに生まれ変わったフィアット 500は、ニーノ・ロータがフェリーニの映画のために作曲した『アマルコルド』を接近音に使うらしい。

 

そして、フォードが満を持して発表した電動SUVにも新しいサウンドが与えられた。

 

フォード マスタング マッハEのコクピットイメージ

フォードがマスタングファミリーの一員として加えた電動SUV、マスタング マッハE。静かなEVゆえ、接近音や加速音など、サウンド設計が重要になる。

 

1980年代SF的なサウンドをマスタングへ

 

フォードは2019年秋に電動SUV「マスタング マッハE」を公開。既存のクーペやコンバーチブルに加わる新しいマスタングファミリーの一員として、フルEVのSUVを2020年後半から市場へ導入する。

 

マスタング マッハEのサウンド開発にあたり、フォードの音響エンジニアが目をつけたのは1980年代のサイエンス・フィクション映画。音楽スタジオと共同して、まったく新しい電子音を作り上げた。

 

フォード マスタング マッハEのサウンドをリミックスしたマシュー・ディアイメージ

マスタング マッハEのサウンドをリミックスし、楽曲を製作したマシュー・ディア。エレクトロニカシーンを牽引する気鋭のアーティストである。

 

“音”を“歌”に仕立てた気鋭のテクノアーティスト

 

そのマスタング マッハEのサウンドをベースに、楽曲を提供したのがデトロイトに拠点を置くアーティスト、マシュー・ディア。テクノ/エレクトロニカシーンの新世代を牽引する存在だ。インディペンデント レコードレーベル「ゴーストリー インターナショナル」の共同創設者でもある。

 

ディアーはマスタング マッハEのサウンドをもとにヒプノティック(催眠作用のある、うっとりさせる)と呼ばれるムードを加え、重厚な一曲を作り上げた。タイトルは“New Breed”だ。

 

フォード マスタング マッハEのフロントシートイメージ

フォードの音響エンジニアが開発した音に、一気に引き込まれたというマシュー。クルマの音自体に、現代の音楽的才能を感じたという。

 

乗る人を旅へといざなう楽曲

 

「マスタング マッハEの音をリミックスするというアイデアは、とても面白いものだと感じました。私自身、いつも“サウンドのよろず屋”でありたいと思ってきたんですから」 ディアーは語る。

 

フォード マスタング マッハEのリヤビュー

クルマのサウンドをリミックスした楽曲を公開したフォード。EVを擁する各メーカーも、サウンドにまつわる新しい取り組みを様々にリリースしていくはずだ。

 

「フォードが作り上げたデジタルサウンドをひとたび聞いたら、一気にプロジェクトへ引き込まれてしまいました。想像していたよりずっとクールで、映画的、かつサイエンス・フィクション的。そして、クルマが奏でるすべての音が現代的な音楽的才能を備えていた。“New Breed”を作ることは私にとってまったく新しい経験でした。それは、そう、このクルマのように、乗員を旅にいざなう歌になったと思っています」

 

マシュー・ディアによるマスタング マッハEのリミックス楽曲はYouTubeで聴くことができる。