10台のタイカンを同時に充電可能!? ポルシェが開発したバッテリートレーラー

公開日 : 2020/09/18 11:55 最終更新日 : 2020/09/18 11:55


ポルシェがタイカン用に開発したバッテリートレーラー

どんな場所でも充電設備が持ち込み可能に

 

グランプリサーキットから、フィンランドでの氷上走行まで「タイカン」は今やポルシェのカスタマー向けドライビングプログラムに欠かせない存在となった。しかし、このフルEVスポーツを一度に充電可能な、インフラが整った設備は限られていると言わざるを得ない。そこでポルシェは、完全に独立したオンデマンド型高出力充電トレーラーを開発した。

 

ポルシェがタイカン用に開発したバッテリートレーラー

サーキットなど大規模なドライビングイベントを開催する施設において、同時に複数台の充電が可能な充電設備を備えた場所は、まだ少ないという。

 

EVスポーツ「タイカン」を自由に走らせるために

 

先日、ブダペストのハンガロリンクにおいて、特別なカスタマーに向けたドライビングイベント「ポルシェ・トラック・エクスペリエンス」が開催された。ここに持ち込まれた「ソウル・オン・トラック(Soul on Track)」によって、集まったカスタマーはサーキットで思う存分タイカンを走らせることができたのである。

 

このようなドライビングイベントでは、主催者は常に問題を抱えてきた。複数台のタイカンを迅速かつ同時に充電しなければならないのに、現地の充電インフラが必ずしも適していないのだ。この問題に対処すべくポルシェはリサーチを行ったが、現時点で購入可能な解決手段がなかった。結果、あえて無駄な時間をかけず、独自の解決策を開発することになったのである。

 

ポルシェがタイカン用に開発したバッテリートレーラー

3.2メガワットの出力を誇るバッテリートレーラーは、10台のタイカンを最大速度で同時に充電することが可能となっている。

 

「ads-tec」社と共同で強力な充電トレーラーを開発

 

ポルシェは、このプロジェクトのパートナーであるドイツの企業「ads-tec」社と共同で、独自の充電システムとストレージユニットを備えた7台の移動式充電トラックを製作した。この「バッテリートレーラー」の出力は3.2メガワット、10台のタイカンを同時に急速充電することが可能となっている。

 

バッテリートレーラーへの電力供給は、一般的な電力網からの再生可能な電力を充電。例えば、2019年11月にポルトガルのポルティマオで行われたカスタマーイベントでは、近くの太陽光発電システムからバッテリートレーラーに直接電力が供給された。トレーラーへの充電も迅速に行うことが可能で、好条件下であれば4時間でバッテリーストレージにフル充電される。

 

ポルシェのエクスペリエンタル・マーケティング部門のディレクターを務めるラグナー・シュルテは、バッテリートレーラーについて以下のようにコメントした。

 

「これまでヨーロッパ各地のイベントでこのバッテリートレーラーを使用し、のべ5000台の充電作業が実施されました。充電は摂氏マイナス40度までの寒冷地でも可能です。充電性能に関しては試行錯誤が繰り返され、入念なテストが行われました」

 

今後ますます増産されていくであろう電気自動車。その運用に関しては新たな施策が求められるのは自明の理であり、今回ポルシェがバッテリートレーラーを開発した事実はその施策のひとつとして注目すべき事項だ。