アストンマーティン、例年より難しくなったル・マン24時間に挑む。クラス優勝とWECのダブルタイトルを狙う

公開日 : 2020/09/19 14:55 最終更新日 : 2020/09/19 14:55


ル・マンに挑むアストンマーティン ヴァンテージ GTE

Aston Martin Vantage GTE

アストンマーティン ヴァンテージ GTE

 

 

3台のワークスカーと1台のカスタマカーが参戦

 

アストンマーティン・レーシングは、今週末に開催される第88回ル・マン24時間レースに向けて、シーズン3度目のクラス優勝、2019/2020年世界耐久選手権(WEC)の獲得を目指している。4.0リッターV8気筒ターボエンジンを搭載したヴァンテージ GTEは、3台のワークスカー、1台のカスタマーカーが、過酷なサルテ・サーキットに挑む。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受けて、従来の6月中旬から9月末に開催時期を変更した今年のル・マン。フランスでは依然として観客を入れた大規模イベントの開催が禁止されており、無観客での実施が決まった。それでも、アストンマーティン・レーシングは、ダレン・ターナー、ジョニー・アダム、ダニエル・セラがドライブしてV8 ヴァンテージ GTEで優勝した2017年のル・マンを再現しようとしている。

 

95号車のアストンマーティン ヴァンテージ GTE

現在、GTE Proクラスのランキング首位に付ける95号車のニッキー・ティームとマルコ・ソーレンセンは、優勝はもちろん、ライバルのポルシェより上のポジションでのフィニッシュが重要になる。

 

95号車はライバルのポルシェをターゲットに

 

昨年のル・マンでポールポジションを獲得し、現在WECのGTE Proクラスのドライバーズランキングトップにつけるニッキー・ティームとマルコ・ソーレンセンがドライブする95号車には、ル・マンでの経験豊富なリチャード・ウェストブルックが加わった。3人の中でル・マンの表彰台経験を持つのはティームのみ。今回彼らが勝利すると、ライバルの順位次第ではタイトルが決まる可能性がある。

 

2014年にGTE-Amで優勝しているティームは、今回のル・マンについて以下のようにコメントした。

 

「今年は勝利を狙っています。そのために戦う時が来たと感じているのです。ここ数年のル・マンではフラストレーションがたまる戦いが続いていましたが、これだけの競争力を持ってスタートを迎えられるのは、最高の気分です」

 

「WECのタイトルを考えると、あまり感情的にならず冷静さを保つ必要があります。このレースでは多くのポイントがかかっていますし、僕らにとってはポルシェの前に留まることが最大の目的になります。とにかく、ポルシェの前でフィニッシュしたいですね」

 

「今年のル・マンは、僕のキャリアの中で最も重要なレースのひとつになるでしょう。ハードにプッシュして優勝を目指しますが、チャンピオンシップのことも考えなければなりません。とにかく冷静になって集中しなければならないでしょう」と、ソーレンセンが付け加えた。

 

97号車のアストンマーティン ヴァンテージ GTE

アレックス・リンとマキシム・マルタンは、97号車のヴァンテージGTEをドライブ。経験豊富なハリー・ティンクネルふたりをサポートする。

 

タイトル獲得の可能性を残す97号車のふたり

 

97号車のヴァンテージGTEは、アレックス・リンとマキシム・マルタンに加えて、ハリー・ティンクネルがドライブする。現時点でふたりにもタイトル獲得の可能性が残っているが、そのためには95号車の前かつ、上位のフィニッシュが最低条件となる。

 

「今シーズンの目標は、2017年以来となるWECのタイトルをチームに持ち帰ることでした。もちろん今でも王座を目指していますが、それ以上にル・マンでの優勝は、ドライバーにとっての夢ですからね 」と、ダラ・ラナはコメントする。

 

GTE Amクラスにエントリーする98号車は、ポール・ダラ・ラナ、ロス・ガン、アウグスト・ファルフスの3名がドライブ。GTE Amクラスで98号車の強敵となるのが、アストンマーティン・レーシングのパートナーチームであるTFスポーツだ。

 

2017年のクラスウイナーであるジョニー・アダム、チャーリー・イーストウッド、サリフ・ヨルクという強力なラインナップを敷いており、すでに今シーズンは3勝を記録。シリーズランキングトップから12点差につけている。

 

ル・マンに挑むアストンマーティン ヴァンテージ GTE

ル・マンに挑むアストンマーティン ヴァンテージ GTEと、それを牽引するDBX。新型コロナウイルスの感染拡大により6月から9月に開催時期を変更した今年のル・マンは、気温の変化や日没時間が長くなるなど、いつも以上に難しさが増すことになる。

 

秋開催によりいつも以上に難しさを増したル・マン

 

2020年のル・マンに向けて、チームは入念なテストを行なっており、ミシュラン・タイヤの使用オプションを変更。さらに、サスペンション、ブレーキ、エアロダイナミクスのセットアップを最適化し、14ヵ月ぶりのサルテ・サーキットに挑む。

 

アストンマーティン・レーシングのヘッド・オブ・パフォーマンスを務めるグスタボ・ベテリは、ル・マンの難しさを以下のように説明した。

 

「今回は、これまでのル・マン参戦チームで最も強力なドライバーラインナップを揃えることができました。ル・マン24時間は他とは比べ物にならないほどチャレンジングなレースです。我々はル・マンで勝てるマシンを用意するために、信じられないほどの努力を積み重ねてきました」

 

「そして、ル・マンは自分の力ではどうしようもないことがたくさんあります。 今年のレースはいつもと開催時期が違うので、レースのうち12時間近くが夜間に行われます。ここで成功するためには、抜群の集中力、最高の戦略、そしてとにかく走り続けることが求められます」

 

アストンマーティン・レーシングのチーム代表、ポール・ハウワースは、今回のル・マンに向けて以下のようにコメントした。

 

「ル・マンは常に準備と集中力が重要です。今年は新型コロナウイルス対策に加えて、スケジュールの大幅な変更もあり、より一層、準備の重要性が増しています」

 

「また、通常の6時間レースの2倍のポイントが獲得できるため、良い結果を得ることができれば、タイトルが確定します。しかし、逆に悪い結果になれば選手権ランキングを落とすことになりかねません。このプレッシャーをしっかりと受け止めて、さらにモチベーションを高め、チャンスを逃さないようにしなければなりません」