アストンマーティン、英国人若手レーサー育成に注力。19歳のホガードにF1マシンのテストドライブを提供

公開日 : 2020/10/27 06:30 最終更新日 : 2020/10/27 06:30


レッドブルRB8をテストドライブしたジョナサン・ホガード

2012年のチャンピオンマシン「RB8」で21周を走行

 

英国出身のレーシングドライバー、ジョナサン・ホガードが、10月20日にアストンマーティン・レッドブル・レーシングのF1マシンを初めてテストした。このテストは、2019年の「アストンマーティン・オートスポーツ BRDC ヤングドライバー・オブ・ザ・イヤー・アワード(Aston Martin Autosport BRDC Young Driver of the Year Award)」を獲得したホガードへの賞典として行われている。

 

19歳のホガードは、2019年に英国F3で選手権ランキング2位を獲得。今回、2012年シーズンにセバスチャン・ベッテルがワールドタイトルを獲得した「レッドブル RB8」のステアリングを握り、シルバーストン・サーキットを21周している。

 

オートスポーツ BRDC ヤングドライバー・オブ・ザ・イヤー・アワードは、英国のモータースポーツ誌『オートスポーツ』と、英国レーシングドライバーズ・クラブ(BRDC :British Racing Drivers’ Club)の協力により、1989年にスタート。ウイナーに選ばれると、報奨金及びF1マシンのテストドライブのチャンスが与えられる。これまでデイビッド・クルサード、ジェンソン・バトン、ランド・ノリスらがこのアワードを獲得している。

 

レッドブルRB8をテストドライブしたジョナサン・ホガード

今回、アストンマーティンがサポートするアワードの賞典として、ホガードにはレッドブルRB8でシルバーストン・サーキットをフルアタックする権利が与えられた。

 

英国GPの舞台、シルバーストンをフルアタック

 

この日の午前中、一部にウェットが残るサーキットで数周の習熟走行を終えた後、午後はコースが乾くのを待って、最高出力800bhpを発揮する3.0リッターV型8気筒で3回のフルアタックを行い、タイムが計測された。走行を終えたホガードは、F1マシンのパワーに大興奮の様子を見せている。

 

「最高でした。グランプリサーキットのシルバーストンで、F1マシンのパワーとフルダウンフォースを感じたことは忘れられない経験になるでしょう。もっともっと、ドライブしたいと思いました」

 

「走行中は様々な感情をシャットダウンして、コーナーとブレーキングポイントに集中しました。ある意味、通常のF3のテストデイのようにも感じましたが、もちろんずっと速いですし、抑えようとしても笑顔になってしまいました(笑)」

 

レッドブルRB8をテストドライブしたジョナサン・ホガード

4名の候補ドライバーによる2日間の選考会を勝ち抜いたホガードには、F1マシンのテストの他に、賞金やヴァンテージGTEでのテストの権利が与えられている。

 

賞金20万ポンドやヴァンテージGTEのテストも獲得

 

昨年、シルバーストンで行われた2日間の選考会において、ホガードはアストンマーティン ヴァンテージGT3を含む様々なマシンをドライブ。候補に選ばれた他の3名のドライバーを破り、F1マシンのテストドライブ、賞金20万ポンド、FIA世界耐久選手権仕様のヴァンテージGTEでのテスト、ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブの会員資格、そしてアライ製ヘルメットを獲得した。

 

「誰でもカートを始めた時は、F1マシンのドライブを夢見るものです。でも、こういったマシンをドライブするチャンスを得られるかは分かりません。特にアストンマーティン・レッドブル・レーシングと一緒に仕事ができるチャンスを頂けたのは、本当に素晴らしいことです」と、ホガードはあらためて喜びを語っている。

 

レッドブルRB8をテストドライブしたジョナサン・ホガード

世界に通用する英国人ドライバーを育成すべく、アストンマーティンはレッドブルや『オートスポーツ』誌と協力し、今回のテストドライブを実現した。

 

英国人若手ドライバーをサポートするアストンマーティン

 

今回、テストを担当したアストンマーティン・レッドブル・レーシングのレースエンジニア、サイモン・レニーは、ホガードのテストに対するアプローチ、そして短時間でF1マシンにしっかり対抗したことに感銘を受けたという。

 

「今回のテストは完璧に行われましたし、ジョナサンは私たちに感動を与えてくれましたね。昨年の選考会の時点で彼への評価は非常に高いものでしたから、期待も大きかったのです。テスト当日も選考会と同じように素晴らしいドライブを見せてくれました。とても落ち着いていましたし、慎重で賢明でした」

 

「今年は新型コロナウイルスの流行もあり、残念ながら走行距離が短くなってしまいました。それでも彼は全く動じることなく、これまでの経験を活かし大きくステップアップしました。プレッシャーもかかっていましたが、しっかりチャンスをモノにしたと思います。彼は与えられた時間を最大限に活用することができていました」

 

アストンマーティン・レーシングの代表を務めるデイビッド・キングは、英国人若手レーシングドライバー育成の重要性を以下のように説明する。

 

「このアワードはアストンマーティンにとって大きな意味を持っています。英国におけるモータースポーツの若い才能を発掘・育成することに、アストンマーティンが強い関心を持っていることを示しています。ジョナサンのF1マシン・テストをサポートできたことを、誇りに思います」

 

「今回、アストンマーティン、『オートスポーツ』、シルバーストン、BRDC、アストンマーティン・レッドブル・レーシングなど、英国モータースポーツ界の重要なプレイヤーが協力し、若いドライバーがシルバーストンで初めてF1マシンをドライブする機会を作れたことは、本当に素晴らしいことです」