アウディ、自社開発の新型パワートレインを搭載した「e-tron FE07」をフォーミュラEに投入

公開日 : 2020/11/30 06:30 最終更新日 : 2020/11/30 06:30


2020-21年シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦する「アウディ e-tron FE07」

Audi e-tron FE07

アウディ e-tron FE07

 

 

スペインでの公式テストを経て開幕戦チリへ

 

アウディ・スポーツは、2020-21年(シーズン7)のABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦するニューマシン「アウディ e-tron FE07」を公開した。FE07は新開発の「アウディ MGU05」モータージェネレーターユニットを搭載。0-100km/h加速はわずか2.8秒を誇り、スペイン・バレンシアで開催される公式プレシーズンテストにおいてサーキットデビューを果たす

 

2021年はFIA格式の世界選手権として初めて開催されるフォーミュラE。開幕戦は、1月16日に南米のチリ・サンチアゴで開催される。アウディ・スポーツ・アプト・シェフラーのチーム代表を務めるアラン・マクニッシュは、開幕に向けて次のようにコメントした。

 

「モータースポーツは、アウディとその技術開発にとって、常に決定的に重要な意味を持っています。これは、アウディの有名なスローガンである『Vorsprung durch Technik(技術による先進)』を体現するものでもあります」

 

アウディ e-tron FE07に搭載される「MGU05」

アウディ e-tron FE07には、完全自社開発の電動パワートレイン「アウディ MGU05」を搭載。パフォーマンスの向上に加えて、大幅な軽量化を実現している。

 

完全自社開発の電動パワートレイン「MGU05」

 

シーズン7のフォーミュラEは、アウディにとってひとつの大きな節目となる。Eパワートレイン開発責任者のステファン・アイヒャーは、初めて完全自社開発の電動パワートレイン「アウディ MGU05」を搭載したFE07について以下のように説明した。

 

「アウディ e-tron FE07は、初めて社内で開発された完全に新しい電動パワートレインを搭載しています。近年、アウディの電動レーシングカーには、テクノロジーパートナーのシェフラーと共同開発したパワートレインを搭載し、毎年改良を繰り返して最適化を図ってきました。今回アウディは、2021年シーズンを戦うためにまったく新しいMGUインバーターユニットをゼロから開発しています。我々はあらゆる面で限界に挑戦しました」

 

新開発の「アウディ MGU05」は、内部ローターコンセプト、外部マグネット、非常に効率的な冷却システム、6相交流システムなど、独自に設計されたシングルスピードのドライブトレイン。さらに、アイヒャー率いるエンジニアリングチームは、軽量素材とインテリジェントな車両構造を統合することで、以前のユニットと比較して大幅な軽量化も実現した。

 

「このような軽量化によって生まれたアドバンテージを、新しいMGUユニットの効率をさらに高めることにつぎ込みました。新しいMGUインバーターユニットの重量はわずか35kg未満です。これは、チーム全体の努力による素晴らしい成果です」

 

2020-21年シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦する「アウディ e-tron FE07」

EVで争われるフォーミュラEにおいては、消費電力の損失をいかに少なくするかが鍵になる。「FE07」の開発においては、効率性が徹底的に追及された。

 

徹底的に追及されたエネルギー効率

 

効率はフォーミュラEで成功するための最も重要なファクターとなる。アウディはシステムのエネルギー損失を最小限に抑えるために、あらゆる手段を講じた。社内のテストベンチで行われた開発作業において、数多くの厳しいテストサイクルを実施。高電圧システム全体を最大のパフォーマンスレベルに引き上げるために、パワートレイン全体が徹底的に見直されたという。

 

この効率化の追求に関して、アウディ・スポーツのフォーミュラEプロジェクトリーダーのトリスタン・サマースケイルは、「パワートレインの全体的なエネルギー効率は95%以上に達しました。新しいMGUインバーターユニットは、あらゆる走行条件で97%を超える効率を実現しています」と説明する。

 

さらに、この新型パワートレインは、コンパクトなサイズと優れたパフォーマンスを大きな特徴としている。

 

「アウディのMGUユニットを、同等の出力(250kW)を発生する内燃エンジンと比較すれば、効率が2倍優れているだけでなく重量が35kg未満と、内燃エンジンよりもはるかに軽量です。これは電動パワートレインが非常に効率的なソリューションであることを明確に示しています」

 

2020-21年シーズンのABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦するレネ・ラスト

昨シーズンの第6戦からダニエル・アプトに代わりチームに加入したレネ・ラスト(写真)が残留。ルーカス・ディ・グラッシとのコンビが継続された。

 

ディ・グラッシとラストのコンビを継続

 

ドライバーラインナップは、前シーズンからルーカス・ディ・グラッシとレネ・ラストのコンビを継続することになった。

 

ふたりがステアリングを握るFE07は、カラーリングデザインを一新。カラーリングのハイライトは、明るいオレンジと、テクノロジーパートナーのシェフラーによる印象的なグリーンとなり、フロントエンド全体にはホワイトのプライマーコートが施されている。

 

パートナーの面では、世界有数の潤滑油ブランドであるカストロールと、ファッション及びライフスタイル企業の『Casa Moda(カーサモーダ)』の2社が新たに加わった。

 

FE07は、11月28日からスペインのバレンシアで開催されている公式プレシーズンテストで初公開。12チームすべてが12月1日までバレンシア・サーキットでテストを実施し、その後マシンと装備一式が南米チリに向けて輸送される。