ロールス・ロイスのビスポークを自宅にいながら購入する。ロンドンに最先端のデジタルショールームがオープン

公開日 : 2020/12/08 11:55 最終更新日 : 2020/12/08 11:55

ロールス・ロイス カリナンのブラックバッジ

新たな富裕層へ向けたチャレンジ

 

ロールス・ロイスは常に高級車の頂点に君臨してきた。盛者必衰、おごれるものは久しからずの世の中で、彼らが最高峰であり続けている理由のひとつに「変化を恐れない姿勢」がある。常に最先端のテクノロジーに挑むのはもちろん、絶えず変化するラグジュアリーの定義を敏感に捉え続けてきたし、自ら書き換えてもきた。

 

「富裕層=高齢」の構図が崩れはじめた昨今は、比較的若い年代に向けたプロダクトやサービスを積極的に導入している。SUVのカリナンしかり、“ブラックバッジ”の提案しかり、先ごろ発表したばかりのゴーストしかり。これまでのロールス・ロイスとは一線を画すチャレンジングな姿勢を見て取ることができる。

 

ロールス・ロイス ロンドン 新ショールームのビスポークイメージ

顧客は自宅にいながらにして、購入するロールス・ロイスを世界に1台だけの仕様にビスポークすることができる。

 

ビスポークを自宅から

 

そしてロールス・ロイスはまたひとつの新しい取り組みを発表した。それがロンドンにオープンした最新のショールームだ。

 

ロールス・ロイスの顧客のほとんどは、購入時にはなんらかのビスポークプログラムを選択するという。「The only limit is your imagination」というタグラインが示すとおり、ビスポーク部門のスタッフは顧客の想像力を目一杯まで引き出して、そのアイデアをクルマのパーツや素材に落とし込んで提案する。つまりロールス・ロイスを買うということは、単に車両を手に入れるだけでなく、ビスポークをして自分だけの1台と出合うことでもあるのだ。

 

これまでは文字通り膝詰めで行ってきたこのビスポークの商談を、ロンドンの新ショールームでは遠隔で行えるようにした。多忙な若き企業家は、自宅にいながら自分の好みを担当へ伝え、その情報をもとにグッドウッド本社のプロフェッショナルが具体的な仕様を考案。顧客のために“キュレート”したデザインスケッチや素材のサンプルを提案する、という流れとなる。方向性が決まれば、顧客はデジタル上の契約書にサインをすればよい。

 

ロールス・ロイスのパッケージデザイン

ロールス・ロイスは変化している。今後は自動車だけでなく、幅広くラグジュアリーな製品も手掛けていくという。写真はパッケージデザインの一例。

 

ロールス・ロイスという“体験”を買う

 

ショールームには、フルバーチャルで「ウォークアラウンド」スタイルの商品説明を受けることができるシステムも設置。さらに、サービスとの連携にもデジタルツールを活用する。顧客は専用のアプリケーションを介して依頼を出すだけで、顧客の望む時間までに専門のスタッフがメンテナンスから清掃まで、車両を完璧に仕上げてくれるそうだ。メンテナンスの間、顧客が希望するロールス・ロイスを貸し出すこともももちろん可能だという。

 

さらに、ゴーストやファントム、カリナンといった各モデルの個性を存分に堪能してもらうべく、ロンドンショールームのコンシェルジュは様々な体験メニューも用意。1対1のドライビングトレーニングからプライベートショッピング、ベイビーシートの“試着”まで、ありとあらゆるおもてなしを想定している。

 

ロールス・ロイス カリナンのブラックバッジ

「ブラックバッジ」シリーズの導入やSUVのカリナンなど、ブランドイメージの若返りを積極的に進めるロールス・ロイス。購買層の平均年齢は43歳にまで若返っているという。

 

ビスポークからアフターサービスまで、ロールス・ロイスの車両価格には、「ロールス・ロイスの顧客になる」という体験そのものの価値が含まれている。デジタルネイティブ世代に対応した新しいショールームは、ロールス・ロイス体験の価値を、さらに押し広げることになりそうだ。

 

 

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