ブガッティ史上最速「ボリード」の続報到着! 「火球」を意味するサーキット専用コンセプトを解説

公開日 : 2020/12/24 11:55 最終更新日 : 2020/12/24 11:55


ブガッティのコンセプト「ボリード」。フロントイメージ

Bugatti Bolide

ブガッティ ボリード

 

 

最高速度は500km/h超えを標榜

 

ブガッティは2020年10月、史上最速のコンセプトモデル「ボリード」を発表した。超軽量のボディに最高出力1850ps/最大トルク1850Nmの8.0リッターW型16気筒ユニットを搭載したサーキット専用モデルで、乾燥車重は1240kg。パワーウェイトレシオは1psあたり0.67kgを達成する計算になる。

 

フランス語で“火球”、転じて“高速で走るレーシングカー”を意味する「bolide」を車名に冠する孤高のコンセプトモデルは、シミュレーション上での最高速度で500km/h超えという圧倒的パフォーマンスを標榜する。その加速は、「まるで大砲の弾に乗っているよう」であるという。

 

ブガッティのコンセプト「ボリード」。フロントイメージ

ブガッティが現時点でもてる技術を総動員して、サーキットに特化したモデルを開発したら。そんな想像をカタチにしたコンセプトモデルが「ボリード」だ。

 

バーチャル環境でニュル5分23秒1を記録

 

あくまでバーチャル環境における数値だが、ボリードはニュルブルクリンク北コースを5分23秒1、ル・マン24時間レースを開催するサルト・サーキットを3分07秒1でラップできる能力を持つと主張する。

 

「FIAの安全要件を満たし、サーキットに特化したハイパースポーツ」をいまブガッティが作るとしたら。その想像をカタチにしたのがボリードだ、と同社の技術開発責任者ステファン・エルロットは語っている。

 

ブガッティのコンセプト「ボリード」。フロントイメージ

車高が1mを切るボリードは、地を這うような佇まい。一方で、コクピットは身長2mまでのドライバーを想定して設計されているという。

 

地を這うような車高

 

ブガッティ得意のW16エンジン+AWDのパワートレインをベースに、わずか8ヵ月で開発したボリード。ルーフまでの高さはたった995mmと、往年の「ブガッティ タイプ35」とまったく同じ車高を実現しており、シロンに比べて300mmも低い。

 

ホイールベースは2.75m、全幅は1.99m。LMP1プロトタイプレーシングカーのようにドアは斜め上方に折りたたむ方式で、コクピットは一見タイトに見えるものの、身長2mまでのドライバーに対応しているという。また、最適なシートポジション確保のため、ペダルには150mmの調整代を持たせている。

 

ブガッティのコンセプト「ボリード」。コクピット

ボリードは単なる技術的コンセプトモデルではなく、「将来的に市販モデルへと投入される技術の貴重なテストベッド」(ブガッティ技術開発責任者、ステファン・エルロット)になるという。

 

FIAの安全規定に適合

 

安全面ではFIA規定に基づき、自動消火システム、牽引装置、加圧式燃料補給、センターロック式ホイール、軽量ポリカーボネート製ウインドウ、HANSデバイス対応6点式ハーネスシステムといった一連の装備を搭載。ドライバーは前方に装着されたモータースポーツディスプレイを介して、車両に関するすべてのデータを確認することができる。

 

ボディにはカーボンファイバーを多用。炭素繊維の引っ張り強度は6750N(1平方ミリメートルあたり)。1立方ミリメートルあたりの剛性は35万N。航空宇宙産業レベルのクオリティを確保している。

 

ブガッティのコンセプト「ボリード」。ディテールイメージ

ボリードに使用されているビスやボルトなどの結合パーツはすべてチタン製。さらに航空宇宙用チタン合金で作られた中空薄肉のパーツが様々な箇所に採用されている。

 

“X”のモチーフを各部に反復

 

また、サーキットで最高のパフォーマンスを実現するべく、水冷式インタークーラーの代わりに冷却スプレー機能付き空冷式インタークーラーを採用。F1の流儀に則り、2基のウォータークーラーはフロントアクスル前方に設置、冷却効率を最適化した。また、ホイールに装着された新開発の「ハイブリッド・カーボン・チタン・ターボファン・ラジアルコンプレッサー」は、高性能セラミックブレーキシステムの熱換気と冷却を行う。

 

ボリード各部に繰り返し採用されている“X”のモチーフは、航空史に登場するいわゆる“Xプレーン”に着想を得たもの。同時に、かつてレーシングカーがヘッドライトカバーの飛散防止のために行っていたお約束のテーピングにもオマージュを捧げているという。

 

ブガッティのコンセプト「ボリード」。リヤビュー

ボリードの各部に繰り返し反復使用される“X”のモチーフには、速さへの渇望がありありと表れている。

 

ボリードの生産化については明言されていないものの、ブガッティが今もてる技術のショウケースとして、大きな意味をもつ1台といえる。