スーパースポーツバトル勃発! ウラカン vs 720S vs 911GT3をシーン別にレポート:ワインディング編 【Playback GENROQ 2018】

公開日 : 2021/01/10 18:25 最終更新日 : 2021/01/10 19:03

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ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテとマクラーレン 720Sとポルシェ911GT3の走行シーン

LAMBORGHINI HURACAN PERFORMANTE × McLAREN 720S × PORSCHE 911GT3

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ × マクラーレン 720S × ポルシェ911GT3

 

 

最新マシンの実力を試す

 

ランボルギーニ、マクラーレン、ポルシェの最新スーパースポーツが相次いで日本上陸を果たした。驚くほどの速さと扱いやすさを高次元で満たすその秘密はどこにあるのか。約800kmを共に過ごした3人のジャーナリストがステージ別に解説する。(ストリート編/ワインディング編/メカニズム編

 

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテの走行シーン

気持ちの良いワインディングロードや高速道路は、スーパースポーツカーたちが最も輝くシチュエーション。そしてクルマの個性を強く感じられるステージだ。それぞれのブランドが考える最新鋭の走りの真髄を、田中哲也が語る。

 

田中哲也「ペルフォルマンテのポテンシャルは、もはやレーシングカーを彷彿とさせる」

 

ランボルギーニ、ポルシェ、マクラーレンを代表する最新マシン。しかし残念ながら今回はサーキットでの全開テストではないので100%の走りを試すことはできないが、そのポテンシャルの片鱗を垣間見ることはできたと思う。そんなシチュエーションで自分自身が感じたことをレポートしたい。

 

まずはニュルブルクリンクで素晴らしいタイムを記録したペルフォルマンテ。ボク自身ウラカンでサーキットを全開走行した経験は何度もあるし、ワインディングでの走りも理解できている。そしてベース車両のウラカンのポテンシャルがスーパーカーと呼ぶのにふさわしいものということも知っている。しかしこのペルフォルマンテのポテンシャルは、もはやレーシングカーを彷彿とさせるほどであった。

 

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテのエンジン

V10エンジンは今や貴重なNAを貫く。吸排気のリニューアルとチタン製バルブの採用などにより、スタンダードのウラカンよりも30ps、40Nm多い640ps、600Nmを発揮する。

 

「とても扱いやすくピーキーさがなく、スロットルワークに対して緊張感が少ない」

 

まずはエンジン、その魅力はパワーバンドの広さである。ノーマルのウラカンと比較してもパワフルなのは乗った瞬間に感じることができる。しかしそれ以上に体感することは、変な言い方になるかもしれないがとても扱いやすくピーキーさがなく、スロットルワークに対して緊張感が少ない。もちろん誤解して欲しくないのはそのパワーは強烈で、誰もが簡単に扱えるようなものではない。しかしそう感じるほどスムーズなエンジン特性を実現したことは素晴らしいのひと言だ。

 

そしてこのマシンのエンジン特性が素晴らしいと感じさせる、その余裕を生み出す大きな要素は、マシンのグリップ能力の高さである。タイヤが路面に吸いつくようで、オン・ザ・レールという言葉しか思いつかない。そのグリップの高さがある面パワフルさを忘れさせるのだ。結構強引な走りをしてもコントロール性は高く、スライドしてもコントロールしやすい。

 

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテのブレーキ

第5世代のハルデックス四輪駆動を採用。ブレーキはカーボンセラミックディスクで、フロントに6ポット、リヤに4ポットのキャリパーを組み合わせる。

 

「このマシンはまるでレーシングカーのGT3マシンのようだ」

 

この強烈なダウンフォースにより、とにかくマシンが安定している。ALAと呼ばれる空力システムの効果は絶大で、思い通りのコーナリングを行うことができた。

 

このマシンはまるでレーシングカーのGT3マシンのようだ。強力なダウンフォースで路面に吸いつくようなグリップ力、シフトの速さやブレーキングの安定感などはロードカーのレベルをはるかに超えている。どうすればスリックタイヤでもないのにこんなレベルのマシンを造れるのかと感激してしまうマシンである。

 

マクラーレン 720Sとポルシェ911GT3の走行シーン

720ps/770Nmを発生するマクラーレン 720S(写真左)に対し、最高出力500ps/最大トルク460Nmのポルシェ911GT3(写真右)はスペック上ではやや見劣りする。ただし車名についた「GT3」は伊達ではなく、サーキットからワインディングまで3モデル中屈指のパフォーマンスを発揮。

 

「研ぎ澄まされていてフリクションが少なく、極限という雰囲気を体感させるGT3」

 

次に新しくなったポルシェ911GT3。これはニュルブルクリンクのタイムも大幅に更新したマシンだ。

 

エンジンは4リッターになり明らかなパワーアップを実現している。特に高回転域のポテンシャルは高く、8000rpmから9000rpmまでの1000rpmのパワー感、サウンドは迫力満点というか、凄い。研ぎ澄まされていてフリクションが少なく、極限という雰囲気を体感できる。とにかく高回転で走ることが楽しくて仕方ないのだ。

 

ポルシェ911GT3のブレーキ

フロント6ポット、リヤ4ポットのキャリパーを備える。PCCBはオプションだ。リヤアクスルステアは50km/h以下では前輪と逆に、80km/h以上では前輪と同方向にリヤタイヤを最大1.5度ステアする。

 

「ドライビングの楽しさをレベルアップし、走る楽しみや快感を与える」

 

そしてサスペンションはしなやかさが増している。基本的な動きや挙動は前モデルを継承していて、ステアリングインフォメーションは素晴らしいしトラクションレベルも非常に高い。やはり911GT3らしい味付けだ。ステアリングの重さや伝わってくるグリップのインフォメーション、マシンがスライドするギリギリの部分でのコントロール性やその雰囲気の伝わり方、フルブレーキングの制動力やマシンの姿勢など、すべてのレベルが高く安心して思い切り走ることが可能だ。フロントの反応も良くなっていて、アンダーステアが少なく狙ったラインをトレースすることができる。

 

シートも本格的なバケットシートが装着されており、コーナーを攻める雰囲気が満載。最新のスーパースポーツではあるが、ある意味アナログ的な味わいを少しだけ残してくれているクルマで、ドライバーがマシンを自分自身のコントロール能力で走らせられるから、ドライブの醍醐味を堪能できる。つまりこのGT3はドライビングの楽しさをよりレベルアップし、走る楽しみや快感を思い切り体感させてくれるのである。

 

マクラーレン 720Sのブレーキ

カーボンセラミック製のディスクを採用。コンフォート、スポーツ、そしてトラックという3つの走行モードを備える。油圧によってアクティブにダンパーの減衰力を変化させるプロアクティブ・シャシー・コントロールIIを搭載する。

 

「720Sは様々なシチュエーションに対して常に最適なセッティングに変化してくれる」

 

最後にマクラーレン 720Sは、その独特な雰囲気にまずはやられてしまいそうだ。エンジンに関してはターボらしい特性を持っていて、ブーストが掛かってからのパワーはカタログ値の720psを余裕で超えているのでは?と感じるほどパワフルである。いつリヤが出てもおかしくないほど強烈で緊張感があってとにかく速い。

 

しかしこのマシンで一番印象的なのは、サスペンションの素晴らしさ。カーボンモノコックの剛性が高く、サスペンションの動きがしなやかなのが大きなポイントで、とにかく路面の追従性が素晴らしい。ゆっくりと走行しているときの乗り心地はまるでラグジュアリーセダンのようなレベルである。しかしハイスピードでコーナリングを行うとその印象は大きく変化して、いきなりしっかりしてハードな印象に変化する。

 

つまり様々なシチュエーションに対して常に最適なセッティングに変化してくれるのだ。路面が荒れていると跳ねないセットにしてくれるし、高速コーナリングではしっかり踏ん張ってくれる。その変化量の幅の広さとセッティングは流石といか言いようがない。そしてブレーキタッチもしっかりしているから思い切りブレーキを踏むことが可能で、しかもコントロール性が高いのも好印象だ。720psというとてつもなくパワフルなエンジンとしなやかかつしっかりしたサスペンション、その見事なバランスはパーフェクトである。

 

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテとマクラーレン 720Sとポルシェ911GT3の走行シーン

筆者は「この3台のレベルは非常に高く、正直サーキットを全開で走らないと魅力のすべてを正確に語ることはできない。限界が高すぎて相当なスピードでないと何も起きないのだ」と評価する。

 

「限界は高すぎるほどだ。でも3台が持つ特徴と個性ははっきりと分かれている」

 

まだ良い部分はある。フロントガラスが大きくて視界が広く、前方の開放感や見切りがとても良いのだ。

 

ちなみに思い切り走るとスライドするまでの限界は非常に高いが滑り出しの雰囲気もわかりやすく、慣れるにつれてスライドを楽しむことができた。流石に大きくスライドしてからのコントロール性は試すことはできなかったが。

 

この3台のレベルは非常に高く、正直サーキットを全開で走らないと魅力のすべてを正確に語ることはできない。限界が高すぎて相当なスピードでないと何も起きないのだ。それでも感じたことは、性能面だけではなくこれらの3台が持つ特徴、個性がはっきり分かれているということ。そしてそのどれもが素晴らしく最高だということは間違いない。

 

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテの走行シーン

サーキットにおいて比較できなかったのは残念としつつ「感心したのはグリップレベルの高さとインフォメーションの素晴らしさで、ものすごく速いのに安心感がある、空力が素晴らしくダウンフォースレベルが高いなど、褒めるところしかない」と筆者は3モデルすべてを絶賛する。

 

「彼らはスーパースポーツに必要なものを完璧に理解している」

 

3台の最新スーパーマシンに乗ってみて、それぞれの走りに対する情熱とそのノウハウを感じられたし、彼らがどういうマシンが乗りやすく、速く、楽しいかを完璧に理解していることが確信できた。とにかく感心したのはグリップレベルの高さとインフォメーションの素晴らしさで、ものすごく速いのに安心感がある、空力が素晴らしくダウンフォースレベルが高いなど、褒めるところしかない。

 

シートポジションやステアリングを握った時のフィーリングの良さなども好印象だ。そして速いことはもちろんのこと、走ること自体がとても楽しく、雰囲気もその気にさせてくれるなど演出も素晴らしかった。あとは全開領域での挙動を知りたいが、それはサーキットで試すしか方法はなさそうだ。

 

 

REPORT/田中哲也(Tetsuya TANAKA)

PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

 

 

【SPECIFICATIONS】

ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ

ボディサイズ:全長4506 全幅1924 全高1165mm
ホイールベース:2620mm
トレッド:前1668 後1620mm
車両重量(dry):1382kg
エンジンタイプ:V型10気筒DOHC
総排気量:5204cc
最高出力:470kW(640ps)/6000rpm
最大トルク:600Nm(61.2kgm)/6500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール(リム幅):前245/30R20(8.5J) 後305/30R20(11J)
0-100km/h加速:2.9秒
最高速度:325km/h
燃料消費率(EU混合):13.7L/100km
車両本体価格:3416万9904円

 

マクラーレン 720S

ボディサイズ:全長4543 全幅1930 全高1196mm
ホイールベース:2670mm
トレッド:-
車両重量:1419kg
エンジンタイプ:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3994cc
最高出力:537kW(720ps)/7500rpm
最大トルク:770Nm(78.5kgm)/5500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション:前後ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール(リム幅):前245/35R19(9J) 後305/30R20(11J)
0-100km/h加速:2.9秒
最高速度:341km/h
燃料消費率(EU混合):10.7L/100km
車両本体価格:3338万3000円

 

ポルシェ911GT3

ボディサイズ:全長4562 全幅1852 全高1271mm
ホイールベース:2457mm
トレッド:前1551 後1555mm
車両重量:1430kg
エンジンタイプ:水平対向6気筒DOHC
総排気量:3996cc
最高出力:368kW(500ps)/8250rpm
最大トルク:460Nm(46.9kgm)/6000rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール(リム幅):前245/35ZR20(9J) 後305/30ZR20(12J)
0-100km/h加速:3.4秒
最高速度:318km/h
燃料消費率(EU混合):12.7L/100km
車両本体価格:2115万円

 

 

※GENROQ 2018年 1月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

 

 

【関連リンク】

・GENROQ  2018年 1月号 電子版

※雑誌版は販売終了

 

 

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