「EVのSクラス」には1.4mの大型画面を搭載!メルセデス・ベンツが仕掛ける斬新なユーザー体験とは

公開日 : 2021/01/11 11:55 最終更新日 : 2021/01/13 11:21


Mercedes-Benz EQS

メルセデス・ベンツ EQS

 

 

「ハイ、メルセデス」がさらに進化

 

メルセデス・ベンツは“EV界のSクラス”といえる新型の電気自動車「EQS」を2021年に投入する計画だ。現在はドイツ・インメンディンゲンのテストセンターで集中的なテストプログラムを実施している。

 

そのEQSには、次世代の車載インフォテインメントシステム「MBUX ハイパースクリーン」を搭載するという。現在メルセデスの市販モデルに広く設定されているMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)の進化版といえる機構だ。

 

MBUXハイパースクリーン

ダッシュボードの横幅いっぱいに広がる「MBUXハイパースクリーン」。ドライバー前方のメーターディスプレイ、センターディスプレイ、助手席前方のディスプレイを3面、シームレスに繋いで構成している。

 

目の前いっぱいに広がる湾曲スクリーン

 

MBUXハイパースクリーンのハイライトは、目の前いっぱいに広がる大型の画面。数個のディスプレイをシームレスにつなぎ合わせたスクリーンの横幅はじつに約1.4mに及ぶ。それぞれのディスプレイに表示するコンテンツは7パターンにカスタマイズすることが可能で、助手席乗員が目の前のディスプレイを自分だけのコンテンツ用として操作・表示することもできる。

 

スクリーン一面を覆うガラスカバーは摂氏約650度の高温で成形加工されており、ゆるやかに湾曲している。これにより、角度を問わず映り込みや歪みのない鮮明な表示を可能にした。

 

MBUXハイパースクリーン

センター用と助手席側にはOLEDディスプレイを採用。より繊細で鮮やかな発色を実現している。

 

万一の際の安全性にも配慮

 

中央と助手席側のディスプレイにはOLED(有機EL)パネルを採用しており、とりわけ繊細で鮮やかな発色を実現している。さらに、タッチ操作したユーザーの指先へ確実にフィードバックを伝えるハプティクス技術も搭載。ガラス面には2層のコーティングを施しており、傷のつきにくさや清掃面にも配慮している。

 

また、万一の事故に備え、ある程度の衝撃が加わった際にはあえてつぶれるようなハニカム構造のホルダーを採用するなど、パッシブセーフティ面にもメルセデスらしい哲学が見える。

 

MBUXハイパースクリーン

一段と進化したAIアシスタントは、ユーザーごとの嗜好や習慣に合わせて様々な“提案”を行なう。車高調整つきのEQSをリフトアップさせたい場所も記憶してくれる。

 

AIがユーザーに投げかける“提案”

 

「MBUXハイパースクリーン」はインターフェースだけでなく、頭脳部も一層の進化を遂げている。CPUのコア数は8、24GB RAMを搭載し、46.4GB/秒のRAMメモリ帯域幅をもつ。カメラと光センサーを利用し、周囲の状況に合わせてスクリーンの明度も自動的に調整するという。

 

走行中でも安全に使えることを何より大事にするメルセデスは、優れた操作性にもこだわる。何層ものレイヤーを通過する必要がないように、大切な情報は即座にアクセスできるようトップレベルに表示される。もちろん、AI(人工知能)を搭載しているので、現行MBUXでもお馴染みとなった自然対話式音声認識機能や、学習に応じた“提案”機能なども備えている。

 

メルセデス・ベンツEQSの生産準備イメージ

メルセデス・ベンツの“電気のフラッグシップセダン”EQSは、2021年前半よりメルセデス肝煎りの次世代工場「ファクトリー56」でアッセンブリーを開始する。

 

例えばクルマ側からの“提案”に、次のような事例をメルセデスは挙げている。

 

・毎週火曜の帰宅時に決まった友人へ電話をしている場合、それを忘れるとEQS側が該当時刻にリマインドを行なう。ただし全てのMBUXの提案はユーザーごとのプロファイルに紐付いているため、もし別のドライバーがEQSを運転している場合、このリマインドは実行されない。

 

・ユーザーがヒートヒーター使用時にステアリングヒーターも連動させることが多い場合、ヒートシーターを入れた時点でステアリングヒーターの始動を提案する。

 

・EQSは車高調整機能を搭載するので、ガレージの入口などユーザーがリフトアップする箇所を記憶。GPSデータと連動して決まった場所に到着すると、リフトアップを提案する。

 

「ハイ、メルセデス」で一躍有名になったMBUXは、これからさらなる進化を遂げる。ヒトのカタチこそしていないけれど、いつか夢みたロボットみたいな機械の相棒が、すでに現実になろうとしているのかもしれない。