ルノー、2025年までの5ヵ年計画「RENAULUTION」を発表。アルピーヌも100%EVへ
公開日 : 2021/01/15 11:55 最終更新日 : 2021/01/15 11:55
“ボリューム“よりも“バリュー”へ
グループ ルノーは2021年1月14日、2025年までのビジネス戦略をまとめた5ヵ年計画「RENAULUTION(ルノーリューション)」を発表。収益構造を改善するとともに商品ポートフォリオを刷新、エネルギーやテクノロジーを含めた総合グループとしての新しいビジネスモデルを強化していくことを強調した。
計画発表記者会見で、グループ ルノーのルカ・デメオCEOが繰り返し口にしたのが「volume to value(量から価値へ)」という言葉。闇雲な販売拡大路線から舵を切り、適正な生産規模、適切なプロダクトポートフォリオ、効率的なアライアンス活用を目指していく。

グループ ルノーは2025年までの5ヵ年計画「RENAULUTION(ルノーリューション)」を発表した。記者向けの会見ではルカ・デメオCEOが「volume to value(量から価値へ)」の言葉とともに、ライトサイジング戦略を推進していくことを表明した。
Cセグメント王者の地位を取り戻す
ロードマップとしては、2020〜2023年に収益構造改善に注力、2023〜2025年に新商品導入及びブランド強化を徹底、さらに2025年からその先はモビリティとテクノロジーのリーディングカンパニーとなることを目標に掲げている。
プロダクト面ではBセグメントがセールスボリュームの2/3を占めてきた一方で、Cセグメントが20%に留まっていたことに言及。1990年代のメガーヌが牽引したCセグメントの勢いを再び取り戻すべく、2025年までに導入する24車種のうち、半分をC/Dセグメントに集中していくという。うち10車種がフルEVとすることも明らかにされた。
プロダクトポートフォリオを整理するだけでなく、パワートレインの構成も刷新する。
2020年現在、グループ ルノーでは内燃機関がガソリンエンジン3種、ディーゼルエンジン3種、ガソリンエンジン+モーターのHV及びPHEVが1種、フルEVが1種で、60hpから300hpをカバーしているが、これを2025年以降、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを1種ずつ、EV用を2種類の4本柱に絞りこんで45hpから400hpをカバーしていく計画だ。ちなみにガソリンエンジンはすべてモーターと組み合わせた電動ユニットとする。

ルノーの5ヵ年計画「RENAULUTION」発表会見に登場したフルEVのプロトタイプ「ルノー 5」。Cセグメントで王者の地位を取り戻すことを目標にするルノーにとって、このクルマが「第一歩」(ルカ・デメオCEO)となる。
現代版ルノー5が登場か
さらに、ルノーグループの各ブランドについて、立ち位置をより明確化していく。ルノーは現代性を象徴するブランドとして、EVやHV、テクノロジー、サービスのリーダーたる存在に。アルピーヌはノスタルジーよりもアバンギャルドを前面に打ち出し、アーリーダプターにアピールするスポーツカーブランドへ。ダチア・ラーダはアフォーダブルでシンプルなプロダクトを提供する大衆車ブランド路線を深化。
さらに、「Beyond automotive(クルマのその先へ)」をタグラインに掲げるMobilize(モビライズ)という新しいビジネスユニットでは、総合的な観点にたってエネルギー、データソリューション、リサイクルまで含めたモビリティ全体での効率的な在り方についてを模索していく。
具体的な商品計画の一例として、ルノーの新しいCセグメントモデルのプロトタイプが公開された。会見に登場した黄色いボディをまとったコンパクトクロスオーバーは、100%電気で走るピュアEV。
デメオCEOは「多くのお客様に届きやすい価格を実現する」というこのクルマを、「新たなルノー 5」と呼び、「これはこれからのルノーブランドの第一歩」と明言した。
アルピーヌはEVホットハッチを開発
さらに、モータースポーツへの投資も含めて、2025年までに収益化を目指すアルピーヌブランドからも大きなコミットメントが宣言された。アルピーヌには今後最新のEVプラットフォームを採用し、100%電気で走る高性能車を投入していくという。F1で培ったパワーマネジメントのノウハウを最大限活用し、100%EVのBセグメントホットハッチと、Cセグメントクロスオーバーを開発することを公表。2021年シーズンのF1マシンもお披露目された。
グループ ルノーは、日産と三菱とのアライアンスによるスケールメリットも活用しながら、今後5年間で電動化やコネクテッド技術、さらには燃料電池も含め、今後を左右する大きな挑戦に向かっていく。
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