PSAとFCAのメガ統合が実現! 14のブランドを抱える巨大母船「ステランティス」の舵取り役、タバレスCEOが指針を発表

公開日 : 2021/01/21 11:55 最終更新日 : 2021/01/21 11:55

ステランティスのカルロス・タバレスCEO

40万人を抱える一大グループが誕生

 

仏自動車大手グループPSA(旧プジョー シトロエン グループ)及び欧米自動車連合フィアット クライスラー オートモービルズ(FCA)は、2021年1月16日に統合を完了。統合新会社「STELLANTIS(ステランティス)」は、2021年1月18日に伊ミラノと仏パリで、1月19日に米NYで株式取引を開始した。

 

今回の統合完了を受けて、新会社「ステランティス」の最高経営責任者に就任したカルロス・タバレス氏による報道向け説明会がオンラインで開催された。40万人を抱える巨大母船が今後どのような航路を進むのか、記者からの質問に答えた。

 

新会社「ステランティス」のカルロス・タバレスCEO(写真左)と、会長のジョン・エルカン氏

新会社「ステランティス」のカルロス・タバレスCEO(写真左)と、会長のジョン・エルカン氏。

 

本社機能はオランダ・アムステルダムに

 

ステランティスは、14の自動車ブランド(アバルト、アルファロメオ、クライスラー、シトロエン、ダッジ、DS オートモビル、フィアット、ジープ、ランチア、マセラティ、オペル、プジョー、ラム・トラックス、ボクスホール)と、純正パーツブランドのモパー、商用車向けのフィアット プロフェッショナル、そして2つのモビリティサービス事業(FREE2MOVE、LEASYS)という、合計18のブランドを集約する。本社機能はオランダのアムステルダムに置き、既存の工場や販売ネットワークといったスケールメリットを活用して世界30ヵ国、130以上のマーケットを対象にビジネスを展開していく。

 

ステランティスの最高経営責任者(CEO)にはPSAのカルロス・タバレス氏、会長にFCAのジョン・エルカン氏が着任。取締役にはアンドレア・アニェッリ氏やロベール・プジョー氏も名を連ねている。

 

新会社「ステランティス」の記者会見資料

新会社「ステランティス」は、2025年までに世界導入するすべてのモデルに電動化仕様を設定することを公言している。

 

攻めるための合併

 

タバレスCEOは今回の統合について、「攻めの姿勢であると同時に、それが防衛にも繋がる」ものとし、「安全でクリーン、かつ価格競争力に優れたプロダクト」を提供するために必要な決断だったと述べた。

 

決してコスト削減だけを目的とした統合ではなく、姉妹車を適切なタイミングで最適な場所と顧客に届けることが可能になるとしている。さらに、合併による効率化で年間60億ドル(約6220億円)を創出し、2024年末までにおよそ80%のコスト削減を達成することを目標に掲げた。

 

ステランティスのカルロス・タバレスCEO

タバレスCEOは、「ステランティスは“big”であるよりも、“great”にならなくてはならない」と語った。

 

ブランドや工場は継続運用へ

 

タバレス氏は、合併による工場閉鎖やブランド消滅はないと明言。さらに、米国でのプジョーブランド復活については現時点では決断できていないと語った。まずは財務体質の強化に集中し、既存ブランドのより効果的な活かし方について検討を重ねていくという。また、FCAとPSAともに苦労している中国市場については、方針転換を含め、あらゆるオプションを考慮していくとした。

 

電動化にも積極的にアプローチし、現在グループ全体で有している29の電動化車両を、2021年末までに10モデル増やして39とすることを約束している。

 

「ステランティスは“big”であるよりも、“great”にならなくてはならない」と語ったタバレスCEOは、「現段階では、あらゆるシナリオを排除しない」と付け加えた。