ブガッティの開発トップが交代。W16づくりを率いてきたグレゴール・グリースが新たなリーダーへ

公開日 : 2021/01/28 14:55 最終更新日 : 2021/01/28 14:55


ブガッティの開発トップに就任するグレゴール・グリース

ステファン・エルロットはフォルクスワーゲンの小型車部門へ

 

ブガッティの技術開発責任者が交替する。ディーヴォやチェントディエチ、シロン ピュール スポール、シロン スーパー スポーツ 300+といった近年のハイパースポーツ開発の指揮をとってきたステファン・エルロットは、2021年2月よりフォルクスワーゲンの小型乗用車部門を率いるチーフ テクノロジー オフィサーに就任。ブガッティの新たな開発トップの座は、パワートレイン部門の長を務めてきたグレゴール・グリースが引き継ぐことになる。

 

ステファン・エルロットは1996年にフォルクスワーゲンAGへ入社。2016年10月にブガッティに加わり、2017年1月1日に技術開発部門のディレクターへ登用された。

 

VWの小型車部門CTOに就任するステファン・エリオット

ブガッティの技術開発部のトップを務めてきたステファン・エリオット。2021年2月からはフォルクスワーゲンの小型車部門を率いていく。

 

ブガッティはエンジニアの夢

 

「ブガッティで働くということは、私にとってまさに夢の実現とでもいうべきことでした。ブガッティは最上級の技術の象徴であり、エンジニアにとってはとにもかくにも特別なブランドだからです。ブガッティファミリーの一員として、情熱的なチームの面々と感情を揺さぶるプロダクトを開発してきた経験を、決してれることはありません。これからも、ずっと心からのブガッティ愛好家であり続けることでしょう」とステファン・エルロットは語り、こう続けた。

 

「これまでの4年間、私のチームはブガッティの技術をより高みまで押し上げてきました。いち開発者として申し上げるなら、それぞれのハイパースポーツカーで、それぞれ独自の挑戦に取り組んだのです。たとえばディーヴォでは、現代的なコーチビルディングというものを再構築しました。シロン スーパー スポーツ 300+では量産車で初めて300mph(約482km/h)超えを達成。シロン ピュール スポールは、横方向のダイナミクスを最大限にまで引き上げることに注力しています。そして、0.67kg/psというパワーウェイトレシオをもつ最先端の現代ブガッティとして、ボリードを考案しました」

 

独エーラ・レッシェンで300mphの壁を越えたシロン

量産車最速の304.773mph(約490.484km/h)を実現したシロン。開発トップのステファン・エルロットは、安全面を考慮しタイムアタックの舞台にドイツ北部にあるフォルクスワーゲンのテストコース、エーラ・レッシェンを選んだ。

 

「いまに生きる伝統」を支えるのはエンジニア

 

ブガッティのステファン・ヴィンケルマン社長は次のように説明している。

 

「ステファン・エルロットの精力的な献身、プロジェクトに対する粘り強さ、革新的な技術ソリューションを見つけ出す才能に感謝の念を送ります。ステファン・エルロットと彼のチームが長きにわたりエネルギッシュ、かつ野心的に開発へ取り組んでこなかったとしたら、伝統に裏付けられたブガッティというブランドはいまこうしてここにいることはなかったでしょう。そして今後は、エンジニアとして豊かな経験を積み重ねてきたグレゴール・グリースがその跡を受け継いでいきます」

 

ブガッティの開発トップに就任するグレゴール・グリース

ブガッティの開発トップに就任するグレゴール・グリース。1998年からブガッティに携わってきた生え抜きのエンジニアだ。

 

新生ブガッティ生え抜きのエンジニア

 

グレゴール・グリースはハイパースポーツカーづくりのスペシャリストだ。彼がエンジニアとしてブガッティに加わったのは1998年。「EB 118」や「EB 218」、「18.3 シロン」、さらに当時のW18エンジンなどの開発に携わった。2001年からは8.0リッターW16エンジン(ギヤボックスやドライブトレイン含む)の開発をリードする立場へ。2004年からはパワートレイン開発部のトップを務めてきた。

 

ブガッティ ヴェイロンに至るコンセプトカー

新生ブガッティ初の市販車「ヴェイロン」に至るまでのコンセプトカー。右奥がEB 118、左奥がEB 218、左手前が18.3 シロン。

 

グリースは次のように意気込みを語った。

 

「ヴェイロンをはじめ、(現代の)ブガッティの立ち上がりから、それぞれのモデルに携わってこられたことは大変に光栄なことだと思っています。20年以上も昔に提示された『1000psのパワーで、0-100km/hを3秒以下で加速し、400km/h超の最高速度を実現した、オペラに出かけることもできるクルマ』をつくるという任務は、いま開発のゴールとして確立されたものになり、各モデルでより完璧な形として具現されてきました。今後、新しい領域で働くことを楽しみにしていますし、私の仕事を信じてくださった社長に感謝しています」