EVハマーにインスパイアされたラリーカー! 2021年にスタートする電動ワンメイクSUVオフロード選手権に出場
公開日 : 2021/02/04 06:55 最終更新日 : 2021/02/04 06:55
EVオフローダーのワンメイクレースが開幕
ワンメイクのフル電動SUVで競いあう、オフロードレースの新シリーズ「Extreme E(エクストリームE)」が2021年にスタートする。同シリーズにはイスパノ・スイザやABTをはじめ、ルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、ジェンソン・バトンら著名レーサーのチームも続々参加を表明し話題を集めている。
エクストリームEで使用するのは、フォーミュラEの技術開発も担当したスパーク・レーシング・テクノロジーズ(SRT)と、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジアリング(WAE)が開発したワンメイク電動バギー。各チームはオリジナルのグリルやグラフィック、ボディワークを施したとりどりのマシンをレースに投入する。

チップ・ガナッシ・レーシングのエクストリームE参戦車両がモチーフとしたのは、次世代のGMC製「ハマー EV」(写真)。横幅いっぱいのヘッドライトやボンネットの形状といった特徴をマシンへうまく採り入れている。
ガナッシのマシンは次世代ハマーがモチーフ
アメリカの名門レーシングチーム「チップ・ガナッシ・レーシング」も初の電気レース部門を立ち上げ、開幕戦のエントラントリストに名を連ねている。そして、ガナッシのエクストリームE参戦にあたり、複数年のスポンサーシップを契約したのがGMC。GMCといえば、2020年10月に100%ピュアEVの次世代ハマーを世界初公開しセンセーションを巻き起こしたばかり。
GMCがスポンサードするガナッシのマシンは、話題沸騰中の次期型ハマーを彷彿させるデザインを採用。フロントグリルの幅いっぱいに伸びる薄目のヘッドライトや、凹シルエットのボンネットといった次世代ハマーの特徴を器用に取り入れている。

次世代GMCハマーEVは、トルクベクタリング機構を備えた独自のe4WDシステムをはじめ、最高813mmの渡河性能、後輪操舵を活用した“カニ歩き”機構など、オフロード性能に特化。ハマーの銘に相応しい機動性を確保するべく開発が進められている。
新しいハマーは「ゲームチェンジャーになる」
エクストリームEの2021年シーズンに挑むチームを待ち受けるのは、砂漠、塩湖、北極、アマゾン、氷河という5つの難関。4月3日〜4日にサウジアラビアのアル・ウラー、5月29日〜30日にセネガルのラック・ローズ、8月28日〜29日がグリーンランドのカンゲルルススアーク、10月23日〜24日はブラジルのパラー、そして12月11日〜12日に最終戦がアルゼンチンのパタゴニアで開催される。
チームオーナーのチップ・ガナッシは次のように語っている。
「自動車レースに刺激を与えるこの機会に、GMCの名を背負って参加できることを大変誇りに思っています。新しいGMC ハマーは、オフロードEVに対する世間の視線をがらりと変えるゲームチェンジャーになることでしょう」
目指すは1000hpを発生するモンスターEV
EVとなって帰ってくるハマーは、GM肝入りのグローバルEVプラットフォームを採用し、独自開発のバッテリー「Ultium(アルティウム)」を搭載。あくまでシミュレーション上の数値だが、最高出力は1000hp、最大トルクは1万5591Nm、0-100km/h加速は3秒以下、というモンスターEVを標榜している。
1回の充電での航続距離は350マイル超(約563km)を見込んでおり、最大350kWの超急速充電にも対応。3モーターを用いて前後輪へのトルク配分を自在に変化させるe4WDシステムを搭載し、最大149mmの車高調整が可能なエアサスペンションと組み合わせることで高い悪路走破性を確保する。
“カニ歩き”で難所を突破
後輪操舵を備えているのも特徴で、取り回し性の良さを向上するだけでなく、オフロードでは前後ホイールを同位相へ切り、“クラブウォーク(カニ歩き)”で難所を越えるというユニークな手法を採用する。
ハマー EVは、40年の伝統をもつGMのデトロイト工場、ハムトラムクにて2021年秋に生産をスタートする予定だ。
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