2030年のル・マンに参戦? ロータス、フルEVプロトタイプレーシングコンセプト「E-R9」を公開

公開日 : 2021/02/17 06:30 最終更新日 : 2021/02/17 06:30

2030年を想定した耐久電動レーシングカー「ロータス E-R9」

Lotus E-R9

ロータス E-R9

 

 

デルタウイング形状のアッパーボディを採用

 

ロータスは、2030年の耐久レーシングプロトタイプを想定した、フルEVデザインコンセプト「E-R9」を公開した。印象的なブラックとゴールドのカラーリングは、F1グランプリで7度のコンストラクターズタイトル、6度のドライバーズタイトルを獲得した、ロータスのモータースポーツ活動へのオマージュだという。

 

そのフォルムは、デルタウイング形状のアッパーボディに、まるでジェット戦闘機のようなキャノピーを中央に設置。また、必要に応じてボディが伸縮可能な「モーフィング・ボディパネル」や、高速コーナリング時の安定性確保を目的とした「バーティカル・コントロールサーフェス」など、先進的なアクティブ・エアロダイナミクスが採用された。

 

E-R9の開発を担当したのは、外部クライアントに対するコンサルタント業務も行うロータス・エンジニアリング(Lotus Engineering)。最新鋭の電動パワートレインやエアロダイナミクスの分野において、ロータスが保有する革新的な技術力のショーケースとしてE-R9は誕生した。

 

2030年を想定した耐久電動レーシングカー「ロータス E-R9」

E-R9のネーミングは、1955年のル・マン24時間レースにロータスとして初めて参戦した「マークIX」へのオマージュから付けられた。

 

1955年のロータス マークIXへのオマージュ

 

「E-R」は「Endurance Racer(耐久レーサー)」の略であり、「9」はアルミニウム製ボディを持ち、ロータス製レーシングカーとして始めて1955年のル・マン24時間レースに参戦した「ロータス マークIX」から採られた。もし2030年のル・マン24時間レースに「E-R9」がエントリーすれば、それはマークIX参戦75周年を記念したものになるだろう。

 

E-R9は、ロータスのチーフエアロダイナミストであるリチャード・ヒルと、エヴァイヤのプラットフォームエンジニアであり吉利汽車のGT担当テクニカルディレクターでもあるルイス・カーによって開発された。エクステリアデザインは、デザインディレクターのラッセル・カー率いるロータス・デザインチームが行っている。

 

リチャード・ヒルは、E-R9の開発理由について次のようにコメントした。

 

「私たちの目的は、現在の技術的な限界を押し広げ、未来に向けて可能性の枠を広げることにありました。ロータスE-R9には、私たちが将来的に期待している技術が盛り込まれていますが、一部はすでに実用化されているものです」

 

2030年を想定した耐久電動レーシングカー「ロータス E-R9」

E-R9には、走行中に空力形状をアクティブに変化させるモーフィング・ボディパネルや、交換可能なバッテリーシステムなど、2030年を想定した技術が採用されている。

 

2030年には実現可能な空力&電動技術

 

E-R9の革新的なエアロダイナミクスにおける最も重要な技術が「モーフィング・ボディパネル」だ。デルタウイング形状のカウル全体に配置されたこのテクノロジーは、ドライバーがコクピットのスイッチを押すか、センサーへの入力に応じて自動的にアクティブサーフェスの形状や姿勢を変化させる。

 

つまり、ストレートではドラッグを最小限に抑え、コーナーでは最大レベルのダウンフォースを自動的に獲得することができる。さらにリヤセクションの垂直尾翼のようなバーティカル・コントロールサーフェスが、タイヤのグリップを制限することなく、クルマの姿勢変化をサポートする。ある意味、クルマでありながら航空機のような機能を持ったレーシングカーと言えるだろう。

 

E-R9は、各ホイールが独立して駆動する先進的な電動システムを搭載。これらのテクノロジーは、フルEVハイパースポーツとしてデビューしたエヴァイヤの技術をベースにしたものだという。ルイス・カーは、E-R9の電動システムについて、次のように説明する。

 

「バッテリー容量と出力は年々大幅に進化しています。2030年までには、今の技術では考えられない最高レベルの性能を発揮し、ピットストップ中にバッテリーを簡単に交換できるようになるかもしれません」

 

E-R9に関する技術的な解説は、英国で刊行された『EVO』誌最新号の32ページに及ぶ特集記事内にたっぷりと掲載されているという。