ポルシェ・ミュージアムが展示内容を大幅にリニューアル! 多彩なデジタルコンテンツも豊富に追加し3月16日に再開

公開日 : 2021/03/13 14:55 最終更新日 : 2021/03/13 14:55

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

2020年から数ヵ月にも及んだ閉館期間

 

ポルシェは、シュトゥットガルト・ツッフェンハウゼンの「ポルシェ・ミュージアム」が、2021年3月16日から再オープンすると発表した。ドイツにおける新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、同ミュージアムは来場者やスタッフを保護するため、ここ数ヵ月間閉館を余儀なくされていた。

 

ポルシェ・ヘリテージ&ミュージアムのディレクターを務めるアキム・ステイスカルは、再開に向けてミュージアムのリニューアルを行ったことも明かしている。

 

「私たちは、お客様に再開初日から忘れられない体験をしていただきたいと考え、休館中の時間を有効活用して、2021年中に予定していた様々な変更を前倒しで行いました。展示物の一部を入れ替えたり、近代化工事を行い、新たなインタラクティブ・ステーションも設置しています」

 

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

新型コロナウイルス渦においても、ポルシェ・ミュージアムは、子供達が楽しめる「Porsche 4Kids」など、様々な試みを行っている。

 

ロックダウン中に行われた様々な試み

 

ロックダウン期間中、学校や保育園が休みになり、多くの人が自宅で仕事をしていることにもポルシェ・ミュージアムは迅速に対応。「Porsche 4Kids」など、子供向けに様々なオンラインコンテンツを提供した。また、2020年5月17日の第43回国際ミュージアムデイには、ライブ・デジタルツアーも開催している。

 

2020年7月16日から11月1日にかけては、ベルリンのウンター・デン・リンデンで開催された「DRIVE. Volkswagen Group Forum(ドライブ:フォルクスワーゲン・グループ・フォーラム)」内に、「Porsche – Pioneer of Electric Mobility(ポルシェ 、電動モビリティのパイオニア)」を展開した。

 

「我々は、この厳しい1年を最高のものにしようとしました。そのため、新型コロナウイルスに関連する規制にも柔軟に対応し、常にファンやスタッフのために最善の行動をとったと自負しています。危機的状況にあっても、私たちは新たな機会を見出し、多くのサプライズを約束できた今回のリニューアルオープンを喜んでいます。2021年にはふたつの特別展を開催する予定です。多くの驚きをお届けしますよ!」と、ステイスカルは付け加えた。

 

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

グランドエフェクト・システムを紹介するため、天井に設置されていた「ポルシェ956」。今回、レストアを行うため慎重に取り外されることになった。

 

天井を走行していたポルシェ956の撤去作業

 

今回、ポルシェ・ヘリテージ&ミュージアム部門は、車両展示のレイアウトを大幅に変更。車両の移動には大きな苦労を伴うことになったという。たとえば、これまで天井から逆さに吊るされていた「ポルシェ956」は慎重に取り外され、ヒストリック・モータースポーツ部門のスタッフへと引き継がれた。

 

ミュージアム・ワークショップでは独自にヒストリックモデルの修理やリビルドが行われているが、レーシングカーに関してはヴァイザッハのヒストリック・モータースポーツ部門が修理やメンテナンスを担当している。ヴァイザッハのヘリテージ部門は、過去のル・マン24時間優勝車を走行可能な状態に戻したこともあり、956もここで修繕される。

 

この956は、伝説のF1エンジン「TAGターボ」のテストカーであり、グランドエフェクト技術の研究のためにも使用されていた。このクルマの特殊なアンダーボディには、走行時に真空を発生させて文字通り車両を路面に吸い着けるディフューザーを装備。つまり、理論上は天井を走行することが可能であるため、逆さに展示されていたという訳だ。

 

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

今回のリニューアルに合わせて、ポルシェのデザインDNAをインタラクティブに体験できる「Consistent」ステーションが設置された。

 

ポルシェのデザインDNAを視覚的に体験

 

ポルシェ・デザインのDNAは、すべてのモデルに受け継がれてきた。たとえば、911のデザインDNAは1963年にまでさかのぼる。今回のリニューアルにより、ミュージアムの来場者はこのデザインDNAをインタラクティブに体験することが可能になった。

 

ミュージアムの「Consistent」ステーションには、ターンテーブル上に6台のモデルを設置。3Dプリント技術と光センサー技術を組み合わせたこのインタラクティブなターンテーブルに近づくと、すべてのクルマが一時的に回転を停止し、来場者の方を向く。

 

6台のモデルには赤いイルミネーションラインが表示され、マルチメディアガイドが説明するポルシェのデザインDNAを視覚的に表現。このデザインラインによって、モデルレンジ間の関係を視覚化することが可能になった。このインタラクティブな展示は常設が決まっている。

 

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

目の前の展示物に関する様々な情報コンテンツを提供する「マルチメディアガイド2.0」を設置。来場者はボタンを押すだけで、音声ガイドや貴重な映像に触れることができる。

 

豊富なコンテンツを提供する「マルチメディアガイド2.0」

 

展示されているそれぞれの車両に関する豊富な情報にアクセスできる、新デザインの「マルチメディアガイド2.0」が新たに設置された。この新システムはカメラに加えて、「Android 8」オペレーティングシステム、フルHD+解像度の大型ディスプレイを備えている。

 

マルチメディアガイド2.0は直感的な操作が可能で、子供向けのインターフェイスも用意された。従来と比較して、反応速度が大幅に向上しており、実際の展示物に関する豊富なコンテンツやストーリーを、待ち時間なく提供することが可能になったという。

 

ポルシェ・ミュージアムでは常設展示が定期的に変更されるため、常に最新の情報にアップデートすべく210台分の新たなオーディオコンテンツが製作された。また、ビデオクリップや既存のメディアにも多言語の音声解説が追加されている。ミュージアムの来場者はボタンを押すだけで、さまざまな車両に関する情報、オーディオコンテンツ、ビデオクリップにアクセスできるだけでなく、エンジンサウンドや歴史的な画像も楽しむことができる。

 

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

独自の大会を主催するなど、Eスポーツに力を入れているポルシェ。ミュージアムには本格的なレーシング・シミュレーターが設置され、誰でもEスポーツを楽しむことが可能になった。

 

Eスポーツを楽しめるレーシング・シミュレーター

 

ミュージアムの新たなコンテンツとして「ポルシェ・レーシング・シミュレーター(Porsche Racing Simulators)」が設置された。シートに座るだけで、誰もがモータースポーツのアドレナリンをヴァーチャルな空間で体験することが可能になった。このシミュレーターではゲームをプレイしたり、あらゆる難易度が設定されたEスポーツ競技に参加したりすることができる。

 

ポルシェ・レーシング・シミュレーターは、大型ラウンド・ドライビングスクリーンと、実物の911 GT3 カップに装着されているステアリングホイールが採用されており、非常にリアルなレース体験を手軽に楽しむことができる。

 

さらに高性能ペダルも装備されており、レスポンスを可能な限りダイレクトに、そしてリアルに再現。レーシングシートはコーナリング時に横方向のサポートをし、搭載された「D-BOX」モーションシステムによってドライビングに合わせ上下・左右・前後にシートが移動する。

 

新型コロナウイルス渦で閉館していた「ポルシェ・ミュージアム」が大幅リニューアル

ロックダウン期間中を利用して、ミュージアム内の照明機器もアップデートされた。太陽光に近い自然な光質を提供するだけでなく、消費電力も大幅に削減されている。

 

展示車両を美しく照らす照明システムにアップデート

 

展示物が常に最適な明るさで観覧できるよう、天井に設置された照明機器もこの期間にアップデートされている。新たに設置されたスポットライトは、光量を2倍にしながらエネルギー消費量を劇的に削減。また、熱の放出量を約50%も削減できるため、空調に必要な電力も減らすことが可能になった。

 

この新たな照明システムは太陽光とほぼ変わらない光質を実現しており、展示物をこれまでよりも美しく見せることができる。モーター駆動を搭載した560機の照明器具はすべて1台のタブレットで制御が可能。例えば、イベントなどではショーのように華やかな照明を行うこともできる。この照明システムは「grandMA3」と呼ばれ、世界の大舞台でも使用されているという。

 

また、ポルシェ・ミュージアムの来館者は、お気に入りの現行モデルに座って記念撮影を行うことも可能だ。ロックダウン期間中に館内のフォトブースを一新し、新たな背景も導入された。高度な画像切り出し技術により、さまざまな風景の中でポルシェを体験しているような気分を楽しむことができる。受付で希望の背景とフィルターを指定すると無料でプリント写真を持ち帰ることができるだけでなく、希望のアドレスにメールで送信するサービスも用意されている

 

館内は新型コロナウイルスの感染状況に合わせ、事前登録やサージカルマスクの着用が義務付けられている。開館時間は火曜日〜日曜日の9時〜18時(月曜定休)、感染対策を含めた様々な情報は、以下の公式ウェブサイトにて随時公開されている。

 

 

【関連リンク】
・ポルシェ・ミュージアム 公式サイト
https://www.porsche.com/international/aboutporsche/porschemuseum/