アバルトが創立72周年に! サソリを掲げたエンブレムの歴史と変遷を振り返る

公開日 : 2021/04/06 14:55 最終更新日 : 2021/04/06 14:55


アバルト 595のツーリスモ、コンペティツィオーネ、エッセエッセ

2020年もマーケットシェアを拡大

 

2021年3月31日、アバルトは創立72年の“誕生日”を迎えた。小さく速く、比較的廉価で手に入れやすい小粋なイタリア車は、かつてもいまも若者の夢であり続けている。2020年のマーケットシェアも2019年比で50ポイントアップするなど、“サソリの毒”に痺れるファンの数は依然として多い。

 

イタリア系オーストリア人のエンジニア、カルロ・アバルトが「Abarth & C.」社を立ち上げたのは、1949年3月31日のこと。以降、革新的なチューニングキットやレコードブレイカー、勝利のマシンを作り上げることで、カルロの星座にちなんだサソリのロゴはエンスージアストの憧れとなっていった。

 

1949年のアバルトのロゴ

初代アバルトのサソリは、より写実的なデザイン。70年を超えて、このサソリは多くの人を熱狂させることになる。

 

ヌヴォラーリが刻んだヒルクライムの栄光

 

アバルトの歴史はレースの栄光とともに刻まれてきた。1950年には有名な“パレルモ-モンテ ペレグリーノ”のヒルクライムレースで、かのタツィオ・ヌヴォラーリが駆るアバルト204Aがクラス優勝、総合5位を獲得。カルト・アバルトが初めて作った2シーターの1100ccマシンは、シチリアの州都パレルモからモンテ・ペレグリーノ(ペレグリーノ山)のヘアピン続きの道を駆け上がっていくタイムトライアルで、見事その実力を証明してみせた。1954年、カルロ・アバルトはスコルピオンの背景を2トーンに塗り分けた楯をエンブレムに採用している。

 

1954年に登場したアバルトのエンブレム

背景を2トーンに塗り分けた、お馴染みの楯デザインが登場したのは1954年のこと。

 

1962年は、世界スポーツカー選手権でアバルト1000ビアルベーロが6回連続クラス優勝を記録。この重要なタイトル獲得を祝し、新たに3つの要素が加えられたエンブレムも登場している。「白と黒のチェッカーフラッグ」、「黄色の背景に赤字で“Campione del mondo(世界チャンピオン)”」、そして「月桂樹の冠」である。

 

1969年に登場したアバルトのエンブレム

「ABARTH」のみのシンプルなブランド名がデザインされたエンブレムは1969年に誕生。サソリも黒一色にデフォルメされている。

 

現在のロゴは2007年に誕生

 

1969年に登場した改良版のエンブレムには、まったく新しいサソリの姿が。真っ黒に塗りつぶされたサソリがデザインされたロゴの上には、水色に白抜きで「ABARTH」の文字がシンプルに描かれていた。

 

1971年にデザインされたアバルトエンブレム

1971年、フィアット傘下に収まったアバルトは、エンブレムにイタリア国旗のトリコローレを追加した。

 

1971年、フィアット傘下に収まったアバルトは再びエンブレムを変更。ブランド名の背景を、自身のアイデンティティであるイタリア国旗を表すトリコローレで彩った。

 

現在のロゴは2007年にモデルチェンジしたもので、より洗練され、モダンな手法を採用している。サソリのハサミが2トーンを区切る斜線へちょうど合わさるようにデザインされているのも特徴だ。

 

2007年にデザインされた現在のアバルトエンブレム

2007年に登場した現在のアバルトエンブレム。ハサミをもつサソリの腕の角度が、背景の斜線と合わせられるなど、より洗練されたデザインとなっている。

 

サーキットとラリーの両シーンで活躍

 

アバルトが70周年を迎えた2019年には、チェッカードフラッグをデザインした記念エンブレムが登場している。さらに、この記念エンブレムのカラー版も、1949台だけ限定生産された「アバルト 695 70th Anniversario(アニヴェルサーリオ)」のために特別に作られた。

 

アバルト 695 70th Anniversario(アニヴェルサーリ

アバルト 695 70th Anniversario(アニヴェルサーリオ)に採用された記念エンブレム。

 

70年以上にわたり、サソリの毒でモータースポーツフィールドを刺激し続けてきたアバルト。現在も、イタリアとドイツのF1選手権にエンジンを供給、ヨーロッパのラリー選手権(FIA-ERC)ではアバルト124が3年目のシーズンを迎えている。累計1万を超える勝利を掲げ、10の世界記録を刻み、4度ラリーの王座を獲得してきたアバルトの伝説は、まだまだこれからも増え続けていくはずだ。