異色のハイパーEV「イスパノ・スイザ カルメン/カルメン ブローニュ」を詳細画像と動画で味わう:後編

公開日 : 2021/04/10 06:31 最終更新日 : 2021/04/10 06:31


イスパノ・スイザ カルメンとカルメン ブローニュの走行シーン

Hispano Suiza Carmen / Carmen Boulogne

イスパノ・スイザ カルメン/カルメン ブローニュ

 

 

サーキットで鍛えられた技術を公道仕様に

 

「レースから公道へ(From Race to Road)」は、イスパノ・スイザの哲学を見事に表現したモットーだと言えるだろう。1世紀以上前にさかのぼる創業以来、世界中のサーキットや公道でその伝説を築いてきた。

 

カルメンに搭載される電動パワートレインは、生産パートナーである「QEVテクノロジーズ(QEV Technologies)」が担当。バルセロナを拠点とする同社は大手自動車メーカー向けに、設計、エンジニアリング、研究開発、製造を行う技術集団だ。さらにカンポス・レーシングと協力し、フォーミュラEへの参戦経験も持っている。

 

そのため、カルメンとカルメン ブローニュに搭載されている技術の多くは、フォーミュラEに直接由来している。QEVテクノロジーズがサポートした「NEXTEV TCR」は、2014-15年シーズンのフォーミュラEにおいて、ネルソン・ピケJr.を初代チャンピオンに導いている。

 

フォーミュラEの歴史は、フルEVレーシングカー発展の歴史とも言える。最初のシーズンとなった2014-15年から、特に電動パワートレインは長足の進化を果たした。初期はバッテリー容量が低くレース中にマシンを乗り換える必要があり、最高出力は270hpが精一杯。それが現在では、充電のためにピットインする必要もなく、最高出力は340hp以上、最高速度に至っては前世代マシンから55km/hアップした280km/hに達している。

 

Hispano Suiza Carmen

イスパノ・スイザ カルメン

 

フォーミュラEで進化を続けてきた電動パワートレイン

 

フォーミュラEという、走る実験室からのフィードバックを活かし、世界で最も美しく革新的なEVグランドツアラー「カルメン」が誕生した。超高剛性カーボンファイバーモノコックに前後ダブルウィッシュボーンサスペンションが組み合わせられ、乾燥重量はわずか1690kg。ハイスペック仕様のカルメン ブローニュは、高性能モーター2基をリヤに搭載し、システム出力1114ps・最大トルク1160Nmを発揮。0-100km/h加速は2.6秒という驚異的なスペックを実現している。

 

リチウムイオン・バッテリーは80kWhの容量を持ち、最大航続距離は400km。バッテリーは自社で設計・製造しており、セルが最適に作動するよう完全な温度制御システムを備えている。また、DC80kW以上の急速充電に対応しており、CCS2急速充電器により30~80%充電するのに必要な時間はわずか30分となっている。

 

イスパノ・スイザの最高技術責任者を務めるホアン・オルスはモータースポーツからのフィードバックについて、次のようにコメントする。

 

「カルメンには、フォーミュラEにおける6年の経験を反映させようとしました。そして、このクルマは記録を破るためではなく、運転への情熱を伝えるために存在します。カルメンにに乗り込んだすべての人が、恋に落ちるはずです。このプロジェクトのおかげで、私たちは夢を実現することができました。真っ白な紙の上に描かれたスケッチを形にすることができたのです。まさにエンジニアの夢であり、フォーミュラEのすべての技術をロードカーへと導入することができました」

 

Hispano Suiza Carmen Boulogne

イスパノ・スイザ カルメン ブローニュ

 

 

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