絶版を迎えたロータス3兄弟を今こそ語ろう。エリーゼ/エキシージ/エヴォーラの偉大なる功績:後編

公開日 : 2021/05/10 18:15 最終更新日 : 2021/05/10 18:15

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ロータス エリーゼ 220IIとエキシージ スポーツ410、エヴォーラ GT410 スポーツのスタイリング

Lotus Elise Sport 220II × Exige Sport 410 × Evora GT 410 Sport

ロータス エリーゼ 220II × エキシージ スポーツ410 × エヴォーラ GT410 スポーツ

 

 

高まる期待感

 

ロータスを知り尽くしていると言っても過言ではないジャーナリストが吉田拓生と山田弘樹だ。年内に生産終了する3モデルへの想い出を語りつつ、次モデルへの期待感を語ってもらった。(前編はこちら

 

ロータス エリーゼ スポーツ220IIとエキシージ スポーツ410、エヴォーラ GT410スポーツのリヤスタイル

移り変わりの激しい自動車界において異例とも言える長いライフスパンを誇ったロータスのエリーゼ、エキシージ、エヴォーラ。3モデルとも生産終了が発表され、次期モデルとしてタイプ131こと「エミーラ」の登場が予告されている。

 

ロータス通のモータージャーナリスト、惜別の想いを語る

 

吉田 ロータス エリーゼが終わっちゃう。アルミニウム接着のバスタブシャシーを1995年にデビューした当初からずっと使い続けてきたわけだから、代替わりするのは当然という見方もあるけれど。

 

山田 そう考えるともう25年目? でもエリーゼは生産され続けていることが当たり前みたいな意識でいたから、ちょっと驚いた。後継モデルは今はタイプ131って呼ばれているけれど、エリーゼの名前を継承しないことが決まっているらしい。(編注:後継モデルの名称は「エミーラ」と発表された)

 

吉田 今度の車名も伝統に則って頭文字が「E」で、全体で5文字と言われている。あとエヴォーラが使用しているいわゆるラージシャシーを使ったミッドシップ2シーターになるという話もある。

 

山田 エリーゼは僕らが業界に入ったと同時くらいに始まったモデルだから、特別な感情があるよね。僕が就職する頃、ティーポの表紙がエリーゼで「コレに乗りたい!」って思って編集部に潜り込んだから。

 

吉田 僕は当時在籍していたカー・マガジン編集部にレポート車として最初期のエリーゼが納車されたの。担当者に立候補したんだけれど年功序列で敗れてエリーゼと同じパワートレインを積んだMGFをあてがわれることになった。

 

山田 エリーゼとMGFじゃけっこうな差だね(笑)。

 

吉田 当時も差を感じたけれど、四半世紀が経った今になると差なんてもんじゃなかった。MGFはクルマどころか親会社(ローバー)も消滅しているのに、エリーゼは今まで現役で名車として認知されている。

 

山田 ちょうどバブルが終わって、日本の面白いクルマがどんどん減っていくっていう頃にエリーゼが出てきてくれた。カタチはちょっとレトロな感じがしたけど、実車を見てカッコイイって思った。

 

モータージャーナリスト、吉田拓生氏のドライブシーン

モータージャーナリストの吉田拓生氏は、ロータスエリーゼとの出会いを回想し「最初にエリーゼをドライブした時の驚きというか感動を超えたクルマはない」と語る。

 

吉田拓生「3台を比較試乗してみて、エリーゼすごいなって再確認することができた」

 

吉田 今まで色々なクルマに乗ったけれど、最初にエリーゼをドライブした時の驚きというか感動を超えたクルマはないな。軽いだけじゃなくて、ドライブフィールもフワフワッって羽が生えたように軽かった。あの感触は今でもちゃんと覚えてる。

 

山田 最初に試乗した時、オーバーヒートしたからいいイメージないな〜(笑)。エリーゼは今の代(フェイズ3)になってから本当にいいって思えるようになった。カートみたいな感じじゃなくて、ちゃんとアシが伸びながら方向を変えていく。速いんだけれどフレンドリー。

 

吉田 フェイズ1の良さって700kg台前半の軽さが生んだ絶対的なもの。だからそれ以降のモデルとは単純比較は難しいと思う。でもさすがだなと思ったのは、フェイズ2や3になっても、ドライブフィールはちゃんと整えられていた。例えば最初と最後のエリーゼだと150kgくらいの重量差があるのに、今日試乗した最終モデルもちゃんとライトウェイトスポーツカーしているし、進化の跡が感じられる。

 

山田 そう、未だにエリーゼは「なんか面白いクルマない?」って聞かれたら必ず勧めている。昔はシャシーをカーボンにして、エンジンも縦に置いて、徹底的にやってほしいと思っていたけれど、今はあのスペックに留めるあたりがロータスの上手さなんだと思う。高いけれど、なんとか手が届くくらいの価格で造り続けてきたわけだから。

 

吉田 エリーゼが売れてくれないと、ロータス社も苦しいし、このクルマでライトウェイトスポーツカーの楽しみに触れる人も多いわけだから、エリーゼは偉大だよね。

 

山田 エヴォーラも派生モデルのエキシージもエリーゼの成功があったから誕生した、それは確かでしょう。

 

吉田 そうだね。今回あらためて3台を比較試乗してみて、エリーゼすごいなって再確認することができた。やっぱり軽い。自由自在になる。でも山田君はやっぱりエキシージが気になる? エキシージSでロータス・カップに出ていたから。

 

山田 いやエリーゼがやっぱりすごいと思う。ミッドシップレイアウトって昔のクーパーみたいに小さなモデルの方が純度が高いというか、本筋だから。エキシージSのレースは楽しいけれど簡単じゃなかった。リヤを微かに流しながら、狭い領域でコントロールする感じ。その点今日のエキシージ スポーツ410は、音とか加速だけでも十分楽しめる。小さなF40みたい。

 

吉田 エキシージもエヴォーラも、最近のモデルは重心を下げるためにかなり薄くて上質なカーボンのルーフとかフードを使っている。僕はデビュー当初からエヴォーラが気に入っているけれど、最初の計画通りにいっていないことは確かだと思う。

 

モータージャーナリスト、山田弘樹氏のドライブシーン

数多くのスポーツカーに接してきたモータージャーナリスト・山田弘樹氏は「未だにエリーゼは『なんか面白いクルマない?』って聞かれたら必ず勧めている」と言う。

 

山田弘樹「次期モデルもロータス特有のフワフワ感だけはちゃんと残してほしいな」

 

山田 最初のコンセプトはラグジュアリーな路線で良かった。でも途中からいつものロータスと同じでスピードを追求しはじめちゃった。

 

吉田 ハンドリングの質感はこれぞブリティッシュ・ミッドシップっていう仕上がりで素晴らしいと思う。けれどモデルライフを通して迷いが感じられたかな。そうそう、エリーゼと一緒にエキシージやエヴォーラの生産も終わってしまう。これは残念というか不思議というか。

 

山田 最近ロータスが発表したティーザー写真にエヴァイヤと、それ以外に新たなモデルが3台出ている。エヴァイヤは花火みたいなものなんじゃないかと思う(笑)。新しいロータスを印象付けるための。

 

吉田 3台の中で最初に登場するのはエリーゼの後継で決まりでしょう。エヴォーラのラージシャシーを2シーターに切り詰めて使って、エンジンは直4とV6の両方が選べるという噂話も出ていた。

 

山田 そうなると車重は確実に1トン以上になるはず。でもアルファロメオ 4Cもアルピーヌ A110も1.1トン超えているから重さは問題じゃないかも。そんなことより衝突安全とか、排ガスの問題とか色々あるから。

 

吉田 北米に輸出できるかっていう部分も気になるね。エリーゼは北米の基準に合致しないから純粋なライトウェイトスポーツでいられたわけだけれど、メーカーとしては北米に輸出できないと成長していけない。アルピーヌとEVを共同開発するっていう発表もあったから、タイプ131はパワートレインの選択肢も増えることになると思う。

 

山田 どんなスペックになってもいいから、ロータス特有のフワフワ感だけはちゃんと残してほしいな。

 

吉田 一番期待したいのはそこだね。

 

 

TEXT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

掲載誌/GENROQ 2021年 6月号

 

 

【関連記事】

・絶版を迎えたロータス3兄弟を今こそ語ろう。エリーゼ/エキシージ/エヴォーラの偉大なる功績:前編

 

 

【SPECIFICATIONS】

ロータス エリーゼ スポーツ220II

ボディサイズ:全長3800 全幅1720 全高1130mm
ホイールベース:2300mm
車両重量:924kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHC+スーパーチャージャー
総排気量:1798cc
最高出力:162kW(220ps)/6800rpm
最大トルク:250Nm(25.4kgm)/4600rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前195/50R16 後225/45R17
0-100km/h加速:4.6秒
最高速度:233km/h
車両本体価格:682万円

 

ロータス エキシージ スポーツ410

ボディサイズ:全長4080 全幅1800 全高1130mm
ホイールベース:2370mm
車両重量:1110kg
エンジンタイプ:V型6気筒DOHC+スーパーチャージャー
総排気量:3456cc
最高出力:306kW(416ps)/7000rpm
最大トルク:410Nm(41.8kgm)/2500-7000rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前215/45ZR17 後285/30ZR18
0-100km/h加速:3.4秒
最高速度:290km/h
車両本体価格:1358万5000円

 

ロータス エヴォーラ GT410スポーツ

ボディサイズ:全長4390 全幅1850 全高1240mm
ホイールベース:2575mm
車両重量:1361kg(MT)/1368kg(AT)
エンジンタイプ:V型6気筒DOHC+スーパーチャージャー
総排気量:3456cc
最高出力:306kW(416ps)/7000rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgm)/3500rpm
トランスミッション:6速MT/6速AT
駆動方式:RWD
サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前235/35ZR19 後285/30ZR20
0-100km/h加速:4.2秒(MT)/4.1秒(AT)
最高速度:305km/h(MT)/275km/h(AT)
車両本体価格:1496万円(MT)/1536万7000円(AT)

 

 

【問い合わせ】
ロータスコール
TEL 0120-371-222

 

 

【関連リンク】

・ロータス 公式サイト

http://www.lotus-cars.jp