「前澤ファントム」だけじゃない。ロールス・ロイスのワンオフは純金のDNAやアフリカンアート仕様も! 【画像ギャラリー】

公開日 : 2021/05/13 17:55 最終更新日 : 2021/05/14 17:31


ロールス・ロイス「ローズ ファントム」のフロントシート。

ロールス・ロイスの正しい買い方

 

ロールス・ロイスのビスポーク(オーダーメイドで自分だけの仕様にする)率は極めて高い。英国グッドウッドの本社にはビスポーク専門のスタッフが常駐しており、仕様を打ち合わせる部屋には、顧客のインスピレーションを刺激するための様々なヒント──色や素材のサンプル、絵画や工芸品、写真、隕石まで──が用意される。

 

レザーの種類やボディカラーはもちろんのこと、ダッシュボードに貼り付けるパネルやシートの刺繍、コーチラインの意匠に至るまで、顧客はグッドウッド本社の専門スタッフと、とことん納得がいくまで膝を詰めて世界に1台だけのロールス・ロイスを完成させていく。それはまるで、自分だけの芸術品を注文するような行為。ロールス・ロイスを買うということは、単に車両を手に入れるだけでなく、ビスポークをするというこの行為もまた、価値に含まれるのだ。

 

そんな世界の富豪たちによる多彩なビスポークの一例を、製作時の様子とともにご紹介しよう。

 

ロールス・ロイス ファントム オリベのリヤビュー

ロールス・ロイス「ファントム オリベ」

 

Rolls-Royce Phantom Oribe

ロールス・ロイス ファントム オリベ

 

エルメスとロールスがコラボ! 前澤友作氏によるファントム オリベ

 

衣料品通販サイト運営会社ZOZOの創業者、前澤友作氏が注文したのは、日本古来の焼き物「織部焼」をモチーフにしたファントム。織部焼独特の色合いを再現したグリーンのボディカラーも、この1台のために特別調色されたもの。内装のしつらえにはパリの名門メゾン、エルメスが協力。世界最高峰といわれるレザーをふんだんに使用するとともに、エルメスを代表するキャンバス地「トワル・アッシュ(Toile-H)」を天井一面に採用している。

 

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ロールス・ロイス「ローズ ファントム」のリヤシート

ロールス・ロイス「ローズ ファントム」

 

Rolls-Royce Rose Phantom

ロールス・ロイス ローズ ファントム

 

グッドウッド本社だけに咲く薔薇をファントムの車内に

 

愛娘にも花にちなんだ名前を与えるほど、こよなく花を愛する人物がオーダーしたのが「ローズ ファントム」。そのキャビンには、ロールス・ロイスのグッドウッド本社だけに咲く品種「ファントム ローズ」の姿が、数百万の刺繍で表現されている。天井からドア、ダッシュボードにいたるまで、四方八方に薔薇の咲き乱れる車内は、まるで薔薇園に迷いこんだかのような雰囲気。さらに、“ギャラリー”と呼ばれるダッシュボード部分には、欧州随一の格式を誇るニンフェンベルク窯で作られた陶磁製のファントム ローズが嵌め込まれている。

 

 

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ロールス・ロイス「カリナン イン フックス オレンジ」の正面ビュー

ロールス・ロイス「カリナン イン フックス オレンジ」

 

Rolls-Royce Cullinan in Fux Orange

ロールス・ロイス カリナン イン フックス オレンジ

 

ロールス・ロイスが作る「世界にひとつだけの色」

 

アメリカの大富豪であり、カーコレクターとしても有名なマイケル・フックス氏がオーダーしたのが、「カリナン イン フックス オレンジ」。ロールス・ロイス初のSUVとして誕生したカリナンに、フックス氏だけのために調色した特別なオレンジをまとわせた、目の覚めるように鮮やかな1台だ。フックス氏がイメージしたのは、南フロリダで見かけた女性が着ていた洋服の色。ロールス・ロイスのビスポークチームとカラー開発部門は、1年近くをかけてそのオレンジを自動車のペイントとして再現したという。ちなみにフックス氏が“専用色”をオーダーしたのはこれが初めてではない。ロールス・ロイスによれば、「世界中の顧客のために数十に及ぶ特別色を用意しているが、10色ものオリジナルカラーを持つのはMr. フックスのみ」という。

 

 

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ロールス・ロイス「ザ マラング ファントム」を手掛けた南アフリカのアーティスト、Dr. エスター・マラング

ロールス・ロイス「ザ マラング ファントム」

 

“人間国宝”のアートが彩るロールス・ロイス

 

Rolls-Royce The Mahlangu Phantom

ロールス・ロイス ザ マラング ファントム

 

南アフリカの人間国宝ともいわれる芸術家、Dr. エスタ−・マラングによる作品をまとった世界にふたつとないロールス・ロイスが、「ザ マラング ファントム」だ。南アフリカの中でもとりわけ独特の鮮やかな色遣いや幾何学模様を用いた工芸品や民族衣装などで知られ、「極彩色の生きた博物館」と言われる村、ムプマランガ州ンデベレ。その“ンデベレ アート”を世界に広めた女性アーティストがDr. マラングである。アフリカで最も尊敬されるアーティストのひとりであり、彼女自身、文化的伝統を保護するべくアートスクール設立などにも尽力している。この「ザ マラング ファントム」の販売収益の一部も、同スクールへの寄付に使われるという。

 

 

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ロールス・ロイス「デジタル ソウル ファントム」のダッシュボード

ロールス・ロイス「デジタル ソウル ファントム」

 

純金をまとったファントムのダッシュボード

 

Rolls-Royce Digital Soul Phantom

ロールス・ロイス デジタル ソウル ファントム

 

ダッシュボードやドアトリムに“純金”でめっきを施すという、贅沢なアートワークを取り入れたのが「デジタル ソウル ファントム」。プロダクト デザイン界の前衛作家として知られるトルステン・フランクが手がけた作品で、各自の遺伝子をアルゴリズムに従ってデータ化し、パターンに落とし込んだものを装飾に利用した。ステンレススチールを3Dプリント技術で立体成形し、その上に24K、つまり純金でめっきを施している。使われた金は50gに及ぶという。

 

 

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ロールス・ロイスのビスポークモデル「コア ファントム」のリヤシート

ロールス・ロイス「コア ファントム」

 

製作期間に3年を費やした“コアウッド”仕様のファントム

 

Rolls-Royce Koa Phantom

ロールス・ロイス コア ファントム

 

長年自宅で愛用してきたコアウッド製ロッキングチェアの風合いを、ロールス・ロイスに──そんな注文主からの依頼に応え、3年の月日を費やして作られたのが「コア ファントム」。コアの木はハワイの土地でしか育たない希少種で、ハワイ州と国立公園により厳重に保護されている。決められた民間の農場のみが取り扱うことが可能で、特有の成育環境も必要となる。ロールス・ロイスのウッド専門家曰く、手に入れられるのは「百万にひとつのチャンス」だという。しかも、ロールス・ロイスの車内に相応しい最高レベルのクオリティのものを入手しなければならない。担当者はサプライヤーと交渉に交渉を重ね、納得のいくまで“理想のコアウッド”探しに邁進。3年の時間を要したのには、こんな背景があったという。ちなみに「コア ファントム」には、“純正アクセサリー”としてコアウッド製のピクニックパスケットも付属している。

 

 

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