究極のハンドメイドV12エンジンか!? GTOエンジニアリング、スクアーロのハイパワーかつ超軽量なエンジンスペックを公表

公開日 : 2021/05/14 11:55 最終更新日 : 2021/05/14 11:55

GTOエンジニアリングが「スクアーロ」のエンジンスペックを公表、自然吸気4.0V12は最高出力460bhp以上を発揮

GTO Engineering Squalo

GTOエンジニアリング スクアーロ

 

 

最高回転数は1万rpmを目標に開発

 

英国・バークシャー州トワイフォードを拠点に、クラシック・フェラーリのレストア、整備、パーツ供給、イベントサポートなどを行う「GTOエンジニアリング(GTO Engineering)」は、現在オリジナルスポーツカー「スクアーロ」の開発を行っている。

 

GTOエンジニアリングは、英国を拠点にフェラーリ製エンジンのリビルドを行ってきたノウハウを活かし、これまでの常識を書き換えるスペックのスポーツカーとエンジン開発を行っている。スクアーロはGTOエンジニアリングによってイチから開発され、車両重量は1トン以下、自然吸気V12エンジンにマニュアルのギヤボックスを組み合わせ、リヤを駆動することが確認されている。

 

今回、GTOエンジニアリングはスクアーロのフロントに搭載されるハンドメイドの自然吸気V型12気筒エンジンのスペックを公開した。排気量は4.0リッターのクワッドカムで、最高出力は460bhp以上を発揮。最高回転数は1万rpmを計画しており、その単体重量は165kg以下を目標としている。

 

GTOエンジニアリングが「スクアーロ」のエンジンスペックを公表、自然吸気4.0V12は最高出力460bhp以上を発揮

これまでクラシック・フェラーリのエンジンを数多く手掛けてきたGTOエンジニアリング。250シリーズと比較されることの多いスクアーロだが、共通パーツは一切ないとマーク・ライオンは断言する。

 

フェラーリのレストアで得られた知見を活用

 

エンジン開発プロジェクトチームは、GTOエンジニアリングの社内スタッフと外部コンサルタントで構成されており、V12エンジンを可能な限り軽量化して最高のドライバビリティを持つパワーユニットを目指している。

 

開発チームは、軽量化とドライバビリティに3つの目標基準を設けた。ひとつ目は自然吸気のV12エンジンが、グランツーリスモとしてもサーキットアタックでも、同じように使えるようにすること。ふたつ目は可能な限りの軽量化。3つ目として最新の製造プロセスとマテリアルを用い、究極のロードカー用V12エンジンを完成させることだという。

 

GTOエンジニアリングの創業者であり、マネージングディレクターを務めるマーク・ライオンは、現在のエンジン開発状況について、次のように説明した。

 

「よくスクアーロとフェラーリ 250シリーズの共通点を聞かれることがあります。簡単に言えば『一切ない』ということです。ふたつのモデルに共通するパーツはありません。そして、その重要な例のひとつがエンジンです」

 

「私たちはフェラーリのことを深く理解したエキスパートです。最近、1960年製フェラーリの4.0リッターV型12気筒エンジンの重量を測定したところ、スターターモーター、オイル、オイルフィラーチューブを含めてわずか176kgでした。これは現代のV12エンジンよりもはるかに軽量です」

 

「私たちが持つ知識と最新の技術をもってすれば、さらに良いエンジンが完成できると確信しています。私たちが開発するクワッドカムV12のすべてのパーツや設計は、スクアーロに最高のエンジンを搭載することを約束するために、エンジニアリングの観点から完全に見直されています」

 

GTO エンジニアリングが「スクアーロ」のエンジンスペックを公表、自然吸気4.0V12は最高出力460bhp以上を発揮

スクアーロに搭載される自然吸気V型12気筒エンジンは、総重量を165kg以下にすることを目標に徹底的な軽量化が図られている。

 

V型12気筒エンジン単体重量は165kg以下に

 

すべてのパーツが再評価され、より軽く、よりタイトにまとめられたV型12気筒自然吸気エンジンのプロトタイプは完成した。総重量を165kg以下にすることを目標に、チームはエンジン全体でパーツを中空化したり、先進的なマテリアルの使用を検討した。たとえばスターターモーターは大幅に軽量化され、クラッチとフライホイールは25%(同等品比)軽量化されたものを採用している。現在この新型V12エンジンは、開発車両に搭載されてテストがスタートしている。

 

エンジンだけでなく、開発チームはエンジンレイアウトに関しても最適解を導き出すために多くの時間を費やした。最終的にスクアーロでは、55:45の前後重量配分を目指している。燃料タンク、トランスアクスル、バッテリーなど様々な重量物は、車両後部に配置するように設計された。

 

先進的な製造技術が試作段階だけでなく、本生産にも導入される。GTOエンジニアリングでは自社製のアディティブ・マニュファクチャリング(AM)システムを活用。プロトタイプ用パーツを3Dプリンタを使って製造した。

 

GTO エンジニアリングが「スクアーロ」のエンジンスペックを公表、自然吸気4.0V12は最高出力460bhp以上を発揮

美しいバルブトランペットが特徴となる自然吸気V12エンジン。スクアーロではボンネットを開けた時の驚きや喜びにも拘って開発が進められている。

 

ボンネットを開けた時の美しさにもこだわったエンジン

 

マーク・ライオンをはじめとするGTOエンジニアリングの開発チームは、機能性や性能だけでなく、美しさやデザインにも強いこだわりを見せている。そのためエンジン全体のパッケージングにも細心の注意が払われた。開発チームは見た目の美しさを保ったまま、可能な限りコンパクトなパッケージにすることを目指したのだ。

 

ボンネットを開けたときに美しいバルブトランペットが見えるよう、補機類の配置も様々な案を検討。フロントのタイミングケースはよりスマートなデザインを採用し、メインベアリングのサンプアッセンブリも同様に形状を変更している。

 

このV12エンジンは、GTOエンジニアリングの本社ファクトリーにおいて手作業で製造される。現時点で、GTOエンジニアリングはシリンダーヘッドのデザインを決定しており、本格製造に向けた検討作業の段階に入っている。さらに点火システムの仕様が決定、エアコンのパッケージングとプロセッサーの仕様も確定した。

 

2020年11月のスクアーロ開発発表以来、GTOエンジニアリングは確実に開発作業を進めている。「2020年代で最もエキサイティングなエンスージアストカーを作り上げる」という目標を掲げ、2023年には最初のカスタマーへとデリバリーされる予定だ。

 

 

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