ベントレー ベンテイガ スピード、国内初試乗! 史上最強・最速のベンテイガのパフォーマンスを測る

公開日 : 2021/07/04 17:05 最終更新日 : 2021/07/04 17:05

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ベントレー ベンテイガ スピードの走行シーン

Bentley Bentayga Speed

ベントレー ベンテイガ スピード

 

 

最速のDNA再び

 

ベントレー・ボーイズたちがル・マンを席巻した時代から最高峰のスポーツモデルにのみ与えられてきた“スピード”の称号。待望のW12ユニットをインストールし、そのDNAを受け継ぐ史上最強、最速のベンテイガが、ついに日本初上陸を果たした。

 

ベントレー ベンテイガ スピードのエンジン

新型ベンテイガではスピードのみの搭載となる6.0リッターW12気筒DOHCツインターボTSIユニット。8速ATを介し0-100km/h加速3.9秒と、同じスペックのエンジンを積んだコンチネンタルGTと遜色ない俊足を誇る。

 

「世界最速のSUV“ベントレー ベンテイガ スピード”が帰ってきた!」

 

オリジナルのベンテイガ スピードがデビューしたのは2019年のこと。標準仕様で608psを生み出すベントレー自慢のW12エンジンを635psへとスープアップし、306km/hの最高速度を達成することで世界最速SUVの称号を手に入れたのである。

 

ただし、昨年実施されたフェイスリフトで“スピード”は一時的にラインナップから消えていた。それがファンの熱い要望に応える形で復活を果たしたのだ。

 

ベンテイガ スピードの“レシピ”は、旧型でも新型でもそう大きくは変わらない。W12エンジンは引き続き635psと900Nmを発生。306km/hの最高速度、それに3.9秒という0-100km/h加速タイムも不変である。

 

ベントレー ベンテイガ スピードのインテリア

リネンのメインハイド、ベルーガのセカンダリーハイドでスポーティに纏められたコクピット。シートクッション、ギヤレバー、ステアリングホイールなどにはベンテイガで初めてアルカンターラが奢られる。

 

「メーターパネルがフルデジタル化。アルカンターラを多用するのも特徴だ」

 

ただし、前述のフェイスリフトに伴い、デザインは大きく変化した。フロントグリルは周辺のフレームが省略されたおかげでサイズがより大きく、そしてスッキリとした印象を与えるとともに、ボンネットが大きく伸びて存在感を増した。さらにテールゲートは両サイドがボディ側面まで回り込むクラムシェル形状とすることで、より洗練された雰囲気を打ち出している。楕円形に改められたテールライトやテールゲート中央に据えられたベントレー・ロゴなども新型の証。細かい部分ではリヤトレッドを14mm拡大し、より力強いスタンスを手に入れている。

 

インテリアではメーターパネルが他の新型ベンテイガと同じようにフルデジタル式に進化したほか、センターディスプレイも大型化。操作性が最新世代にアップデートされた。なお、シートやステアリングなどにアルカンターラが多用されるのもスピードだけの特徴である。

 

では、実際に走らせてみるとどのような違いがあるのか?

 

軽量コンパクトなW12エンジンは、低速域でも十分なトルクを発生する一方で、これまでは中回転域以上で爆発的なパワーを炸裂させ、まるでドラッグスターのような加速感を示していたが、新型は出力特性がよりリニアになり、いちだんと扱い易くなったように感じられた。

 

ベントレー ベンテイガ スピードのフロントシート

マリナードライビングスペシフィケーションのダイヤモンドキルトのレザーが、専用のカラースプリットに映えるインテリア。「Speed」の刺繍は標準装備。

 

「エンジンの回転フィールは軽々と回りたがるキャラクターに一転」

 

低回転域でどこか重厚に感じられたエンジンの回転フィールも軽々と回りたがるキャラクターに一転。まるで、ドライバーがスロットルペダルを深く踏み込むのを誘うような反応を示す。8速ATのシフトスピードも速く、レッドゾーン近くをより積極的に使うセッティングに改められたようだ。いずれも、ダイナミックなドライビングを好むドライバーには歓迎されることだろう。

 

シャシーのセットアップにも変化が認められた。

 

従来型のスピードはスタンダードのW12モデルと基本的に共通の足まわりを採用する一方で、ドライビングモード切り替えでスポーツを選んだときのみエアサスペンションのプログラムを専用スペックに変更。よりダイナミックなドライビングを可能としていた。ところが、新型に関してはまだ詳細な情報が手に入っていないものの、コンフォートモードやベントレー推奨のBモードでも標準モデルとの違いを感じ取ることができたのだ。

 

ベントレー ベンテイガ スピードの走行シーン

スピードのシャシーセッティングについて「足まわりの動き方はより引き締まったのに、快適性も同時に高まっており、明らかに一段上質の感触を伝えるようになった」と、数多くのベンテイガを試乗してきた筆者も太鼓判を押す。

 

「ハンドリングと快適性のバランスは歴代でベストだと自信を持って言える」

 

その印象を簡潔に記せば、まるでダンピングレートが上がったかのようにボディの無駄な動きが減少した一方で、路面の段差を乗り上げても不快なショックが伝わることがなく、また大入力を受けた後で足まわりに微振動がかすかに残る傾向も霧消していた。つまり、足まわりの動き方はより引き締まったのに、快適性も同時に高まっており、明らかに一段上質の感触を伝えるようになったのだ。私はこれまで数多くのベンテイガに試乗してきたが、ハンドリングと快適性のバランスにおいて新型スピードがベストだと、ここで自信を持って断言できる。

 

では、そんな新型ベンテイガがワインディングロードでどんなハンドリングを示したのか? スポーツモードではハードコーナリングでも過大なロールを示すことなく、4本のタイヤがバランスよく路面を捉えている感触が伝わってくる。車重2.5トン、全高1755mmのSUVであることが信じられないほどの安定感だ。しかも、タイヤ踏面が正しい角度で接地しているために安心感が強く、タイヤをいじめている感触がごく薄いことも印象的だった。

 

一方で、タイヤグリップの限界に近づくと前後の駆動力配分がフロント寄りに変化。アンダーステア傾向に導いて高いスタビリティを発揮することも確認できた。

 

ベントレー ベンテイガ スピードのリヤスタイル

全モデルの電動化を推し進めるベントレーだけに、「“純エンジン・モデル”のW12ベンテイガは新型スピードが最後となる公算が大きい」と筆者は語る。ダイナミックなガソリン・エンジンを楽しみたい向きには見逃せないモデルだ。

 

「新型スピードは、私にとって“史上最高のベンテイガ”だ」

 

内外装をブラッシュアップし、走りのパフォーマンスも確実に進化した新型スピードは、私にとって「史上最高のベンテイガ」だ。ただし、ベンテイガ・シリーズを見渡すと微妙な変化も起きている。従来型で中心的存在だったW12のスタンダードモデルが姿を消し、V8モデルがそのあとを引き継ぐことになったのだ。V8モデルには別項で紹介するスポーティなSモデルがデビュー。さらに本国ではV6エンジンを搭載したPHVのベンテイガ ハイブリッドも登場している。つまり、W12搭載のベンテイガはスピードのみとされたのだ。

 

しかも、ベントレーは2026年までに全モデルを電動化すると宣言しているので、“純エンジン・モデル”のW12ベンテイガは新型スピードが最後となる公算が大きい。この、またとないチャンスをみすみす逃す手はないだろう。

 

ベントレー ベンテイガSのフロントスタイル

ベントレーのV8モデルに用意された、スポーツモデルを意味する「S」の称号がベンテイガにも初めて設定された。W12の「スピード」とV8の「S」、魅力的な選択肢が増えたことを歓迎したい。

 

Bentley Bentayga S

ベントレー ベンテイガS

 

ベンテイガV8に“S”が登場

 

V8モデルにおけるスポーツバージョンの称号“S”が、ベンテイガに初めて導入された。エンジンスペックはそのままに48Vのベントレーダイナミックライドを標準装備。スポーツモードでは、エアサスペンションの減衰力を15%高めるなど専用のセットアップが施され、シャープでダイナミックな走りが楽しめる。各部をブラックアウトし、22インチホイールを装着した迫力ある専用の外観も魅力的だ。価格は2690万円(22MY)。

 

 

REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)

MAGAZINE/GENROQ 2021年 8月号

 

 

【SPECIFICATIONS】

ベントレー ベンテイガ スピード

ボディサイズ:全長5145 全幅1995 全高1755mm
ホイールベース:2995mm
車両重量:2520kg
エンジン:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5945cc
最高出力:467kW(635ps)/5000rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1750-4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後285/40ZR22
最高速度:306km/h
0-100km/h加速:3.9秒
車両本体価格:3345万円

 

 

【問い合わせ】
ベントレーコール
TEL 0120-97-7797

 

 

【関連リンク】

・ベントレー 公式サイト
http://www.bentleymotors.jp