ランボルギーニ カウンタック50周年を締めくくるトークセッション「アイコン・リボーン」を開催

ランボルギーニの重要人物たちが「カウンタック」のDNAを語る

50周年を締めくくるイベント「アイコン・リボーン」に登場したカウンタック LP 500とカウンタック LPI 800-4。
50周年を締めくくるイベント「アイコン・リボーン」に登場したカウンタック LP 500とカウンタック LPI 800-4。
ランボルギーニの歴史において、また自動車の世界においても、最も重要な1台となった「カウンタック」。ランボルギーニの伝統に敬意を表し、先見性のあるデザインと未来のテクノロジーを融合させた、カウンタックのデビュー50周年を祝うイベント「アイコン・リボーン(The Icon Reborn)」が開催。そのデザインについてランボルギーニのVIPたちが想いを語った。

Lamborghini Countach LP 500 / Countach LPI 800-4

LP 500からLPI 800-4へと受け継がれた歴史

50周年を締めくくるイベント「アイコン・リボーン」に登場したカウンタック LP 500とカウンタック LPI 800-4。
カウンタックデビュー50周年の2021年、このアニバーサリーイヤーを締めくくる形で、特別イベントの「アイコン・リボーン」が開催された。

2021年はカウンタックの最初のモデルである「LP 500」がポロストリコによって復元され、その現代版である「カウンタック LPI 800-4」が発表された。ある意味、非常に象徴的(アイコニック)な1年となった今年を締めくくる形で、特別イベント「アイコン・リボーン」が開催されている。

イベントはランボルギーニの会長兼CEO、ステファン・ヴィンケルマンのプレゼンテーションで開会し、その後、フェデリコ・フォルキーニ(チーフ・マーケティング&セールス・オフィサー/ポロストリコ海外担当)、マウリツィオ・レッジャーニ(チーフテクニカル・オフィサー)、ミィティア・ボルケルト(ヘッド・オブ・デザイン)によるトークセッションが行われた。

このカウンタックの伝統と先進性に関するトークセッションに続き、ランボルギーニのデザイン部門「チェントロスティーレ」と、ヒストリックカー部門「ポロストリコ」がどのような活動を行なってきたかをアピールする、参加者体験型アクティビティで幕を下ろした。

決定的かつ普遍的な存在となったカウンタック

50周年を締めくくるイベント「アイコン・リボーン」に登場したカウンタック LP 500とカウンタック LPI 800-4。
その形を見れば誰もが存在を理解するカウンタックは「クラシック」として決定的かつ普遍的な存在になったとベイリーは指摘する。

トークセッションのスペシャルゲストとして、作家/キュレーター/評論家/デザイン専門家であり、ロンドンのデザイン・ミュージアムの創設者であるスティーブン・ベイリーが参加し、クラシックという概念について説明。活発なディスカッションを展開。

「クラシックとは、決定的かつ普遍的であること。決定的とは時間の経過を超えた概念、普遍的というのは誰にでも好まれるものという意味になります」と、ベイリーは説明する。

「例えば、エッフェル塔とモンマルトル大聖堂のあるパリ、ドゥオモとベルタワーのあるフィレンツェ、ビッグベンとテムズ川の向こうにそびえるロンドンなど、その都市の景観を構成する建物があります。これらの建築物によって都市を認識できるとしたら、それぞれの建物のデザインは他のどの建物とも異なる非常に特別で強力なものであるはずです」

「1971年に発表されたLP 500と、新しいLPI 800-4という2台のカウンタックを並べて見て、『形は変えられないけれど、ディテールは進化させることができる』と私は考えました。50年の歴史と向き合ったことで、時代のアイコンとなりその独特のスタイルと並外れた性能によって自動車世界のエリートとして地位を確立することになりました」

世代を超えて多くの人を惹きつけたLP 500のデザイン

50周年を締めくくるイベント「アイコン・リボーン」に登場したカウンタック LP 500とカウンタック LPI 800-4。
ランボルギーニの全社を挙げて取り組まれたLP 500の復元プロジェクト。その存在は、老若男女を超えて多くの人の関心を集めることになった。

ランボルギーニのデザインを統括するミィティア・ボルケルトは、カウンタックのデザインについて、次のように自身の考えを語った。

「常に時代をリードし続ける芸術作品がありますが、カウンタックのデザインはそのひとつです。その特徴は、フロントとリヤを視覚的につなぐ、一本のラインによって表現されていること。たとえ他の部分を変えても、過去と現在を視覚的に連続させる要素になるのですから、完璧なインスピレーションと言えるでしょう。それこそが、ランボルギーニのDNAに刻まれたデザイン要素であり、その起源から今日に至るまで受け継がれてきた“伝統”なのです」

フェデリコ・フォルキーニは、LP 500の復元プログラムがどのように行われたのか、当時の状況を説明する。

「初代カウンタック LP 500の復元には、社内のあらゆる部署を巻き込んで、のべ2万5000時間もかけて行われました。私たちは1971年のジュネーブ・モーターショーで発表されたLP 500のプロトタイプを完全に再現したのです。このLP 500は、何年ものロードテストを経て、ホモロゲーション取得のための衝突テストで破壊されてしまった、最初の1台と同じように作られています」

「今回作業に参加したスタッフの多くは、このプロトタイプを実際に見たことはありませんでした。でも写真を見て、誰もがその存在に惚れ込んだのです。この復元モデルを発表したときの注目度と成功は、このクルマが今や伝説となっていることを証明しています。さらに印象的だったのは、好みや美しさの定義がかなり異なっているはずなのに、世代を超えて多くの人々を惹きつけたことです」

初代から最新仕様に引き継がれた多くの技術

50周年を締めくくるイベント「アイコン・リボーン」に登場したカウンタック LP 500とカウンタック LPI 800-4。
LPI 800-4では、V12縦置きミッドシップやシザードアなどを受け継ぎながら、軽量複合素材やハイブリッド化など現代に通用する多くの最新技術が導入された。

マウリツィオ・レッジャーニは、彼の人生においてLP 500が与えた大きな衝撃を実感として覚えているひとりだ。その記憶がプロフェッショナルとしての彼の成長に大きな影響を与え、新たなカウンタック「LPI 800-4」への誕生につながった。

「LP 500はV型12気筒エンジンをリヤに縦置きし、ギヤボックスをコクピット後方に配置するという技術コンセプトにより、デザインとパフォーマンスの両面において、スーパースポーツの新しいイメージ確立に成功しました」

「カウンタック LPI 800-4では、LP 500から導入された上方に跳ね上がるシザードアやレイアウトを変えず、複合素材の採用やエアロダイナミクスの向上、スーパーキャパシタを搭載した12気筒ハイブリッドエンジンや4輪駆動など、現代的なテクノロジーが加えられています。そのすべての要素において、初代カウンタックの並外れた精神は不変であり、しっかりと受け継がれているのです」

カウンタック LPI 800-4は、合計112台を生産。発表時点で全車がソールドアウトになっており、2022年中にデリバリーされる予定だ。そのオーダーのほとんどが、すでにカウンタックのオリジナル・モデルを所有しているオーナーによるものだという。

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