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McLaren Artura Trophy
GTワールド・チャレンジ・ヨーロッパと併催
マクラーレンは、これまで720S GT3や570S GT4など、プライベーター向けGTレースにおいて確固たる地位を築いており、2023年からは570S GT4に代わるニューマシンとしてアルトゥーラ GT4を投入。今回発表されたマクラーレン・トロフィーでは、このアルトゥーラ GT4をベースにした「アルトゥーラ トロフィー」を使って戦われる。
マクラーレン・オートモーティブのモータースポーツ担当ディレクターを務めるイアン・モーガンは、アルトゥーラ・トロフィーについて次のようにコメントした。
「新型アルトゥーラ トロフィーの走りを見るのが、今から楽しみです。マクラーレンのモータースポーツにおける経験やノウハウが結集され、素晴らしいレーシングカーが完成しました。ワンメイクシリーズ用マシンとしては、これまでにない性能を持っています。ステップアップを目指す多くのドライバーにとって、最高の1台となるでしょう」
GT4ベースの「アルトゥーラ トロフィー」
アルトゥーラ GT4は、マクラーレン初のハイブリッドスーパースーパースポーツ「アルトゥーラ」をベースに、570 GT4と720S GT3によって得られたノウハウを投入、カスタマー向けレーシングカーとして開発された。
アルトゥーラ GT4は市販仕様のアルトゥーラと多くのテクノロジーを共有。新たに投入されたマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)が、レーシングカーとしても理想的なプラットフォームとなった。高い剛性を誇るこの最新アーキテクチャーは、レースにおけるセットアップの幅をさらに広げただけでなく、経験の少ないジェントルマンドライバーにも安全なドライビング環境が提供される。
アルトゥーラ GT4をベースとするアルトゥーラ トロフィーは、GT4規程に課されるBoP(Balance of Power:性能調整)から解放されており、3.0リッターV型6気筒ツインターボは最高出力585psを発揮。合わせてエキゾーストシステムも強化された。また、ハイダウンフォース仕様のリヤウイングやフロントのカナードなど、エアロダイナミクスも変更されている。
マクラーレン・トロフィー用マシンを購入したオーナーは、エンジンマネージメント・ソフトウェアと空力パッケージを変更するだけで、簡単にGT4仕様へとコンバートすることができる。
専用コンシェルジュ・サービスを展開
それぞれのアルトゥーラ トロフィーは、参戦するチームによって独自に整備・運営。また、昨シーズンまでピュア・マクラーレンGT(Pure McLaren GT)・シリーズ使用されてきた「570S トロフィー(570S Trophy)」でも、2023年シーズンのマクラーレン・トロフィーに参戦することも可能となっている。すでに570S トロフィーの製造は終了しているが、マクラーレン・カスタマー・レーシングは、交換パーツの供給や技術的なサポートを継続する。
マクラーレン・トロフィーに参戦するクルーには、マクラーレン・カスタマー・レーシングが展開する専用パドックエリアも用意された。パドックにはホテルの予約や移動など、シームレスなレース体験を提供するマクラーレン・コンシェルジュ・サービスが常駐。ドライバーはトラックでのパフォーマンスに集中することができるという。
マクラーレン・トロフィーでは、1台のマシンをプロドライバーとアマチュアドライバーが共有する。レースウィークは、初日に60分のプラクティスを2回、15分間のプレ予選、15分間の予選、50分間の決勝レースというスケジュール。予選はアマチュアドライバーが担当し、決勝はドライバー交代のためのピットストップが義務付けられている。
レーススケジュール
2023年シーズン マクラーレン・トロフィー
第1戦 ポール・リカール 6月2日~4日
第2戦 ミサノ 6月30日~7月2日
第3戦 スパ・フランコルシャン 7月27日~30日
第4戦 ホッケンハイム 9月1日~3日
第5戦 バルセロナ 9月29日~10月1日