史上最強740psを発揮するW12を搭載するベントレー マリナー バトゥール

モントレーカーウイークで「ベントレー マリナー バトゥール」がワールドプレミア! 究極のW12エンジンを搭載【動画】

モントレーカーウイークで世界初公開された「ベントレー マリナー バトゥール」のエクステリア。
モントレーカーウイークにおいて、ベントレーの選ばれたカスタマーに向けて公開された「ベントレー マリナー バトゥール」。
ベントレーモーターズは、ベントレーマリナーが手掛けた新たなグランドツアラー「バトゥール」を、モントレーカーウイークにおいてワールドプレミアした。バトゥールは18台限定で製造され、価格は1台165万ポンド。そのすべてが発表段階でソールドアウトとなっている。

Bentley Mulliner Batur

ベントレー初のBEVのデザインを先行採用

モントレーカーウィークで世界初公開された「ベントレー マリナー バトゥール」の走行シーン。
インドネシアのクレーター湖「バトゥール湖」からネーミングされたベントレー マリナー バトゥール。そのデザインは近く発表されるベントレー初のBEVで採用されるデザインDNAが導入されている。

バトゥールは「バカラル」に次ぐプロジェクトとして、ベントレーのビスポーク&コーチビルド部門であるマリナーが18台限定で製作。バカラルはマリナーがコーチビルドの原点に立ち返って製作した最初のモデルであり、手作業によって12台が製造された。

バカラルがメキシコのバカラル湖にちなんで名付けられたように、バトゥールも美しい湖の名に由来。インドネシア、バリ島のキンタマーニ高原にある水深88m、面積約16平方キロメートルの「バトゥール湖」は、その豊富な水量は地元の温泉や農業用水の水源となっている。

デザインディレクターのアンドレア・ミンド率いるチームによって製作されるバトゥールには、ベントレーが近い将来発売する電気自動車(BEV)に採用される、新たなデザインDNAが採り入れられた。ミンドはバトゥールのデザインについて次のように説明する。

「確立されたルールに新風を吹き込むというのは、デザインに携わる者にとって最もエキサイティングでやりがいのある挑戦です。私たちは過去から現在まで受け継がれてきたデザインを踏襲しつつ、デザインの要の部分に大幅な変更を加え、ベントレーのデザイン言語を生まれ変わらせました」

「パワーと威厳を強調するにはロングノーズというのが定石です。バトゥールでは、ボンネットから車体の全長に沿って伸びるラインを新たにデザインし、ボンネットとボディとの一体感を高めることによって、長めのフロントエンドを持つ、すらりと引き締まったフォルムに仕上げました。一方、リヤは見た目のどっしり感が増したことによってリヤアクスルに車重がかかっているような印象になり、テールに深みがプラスされます」

「ベントレーを象徴するフロントグリルは今まで以上にそそり立った現代的なデザインとなっています。一段と低く配置することによって精悍な顔立ちと、堂々とした存在感を際立たせています。アップライトで優美なグリルは自信溢れるラグジュアリーな姿を演出しました」

「グリルを挟むように大型のヘッドライトを左右に1灯ずつ配置しているのはバカラルと同じですが、ヘッドライトのデザインはさらに進化しました。展開可能なスポイラーの両側に配置された完全新設計のテールライトにも、ヘッドライトのデザインが反映されています」

W型12気筒エンジンの幕引きを演出

モントレーカーウィークで世界初公開された「ベントレー マリナー バトゥール」のエクステリア。
現在、電動化を進めるベントレー。バトゥールに搭載された6.0リッターW12は、これまでベントレーを象徴してきたW12エンジンへのリスペクトや幕引きの意味も込められているという。

バトゥールは最高出力740ps、最大トルク1000Nmを発揮する6.0リッターW型12気筒ツインターボエンジンを搭載、ベントレー史上最強モデルとして登場している。手組みされるこのエンジンは過去20年にわたってベントレーの象徴であり続け、文字通りベントレーの成功を支える原動力となってきた。

ベントレーは「ビヨンド100」戦略に沿って完全電動化へと大きく舵を切っているため、W12エンジンは終焉を迎えつつある。バトゥールには、W12のパワーとトルクと洗練性を讃え、その幕引きを演出する意味も込められているという。このW12エンジンには、8速DCTが組み合わされる。

このエンジンの強大なパワーに組み合わせられるのが、ベントレーの最先端シャシー。「スピード」モデル向けに調整されたエアサスペンションをはじめ、電動アクティブアンチロールコントロール、eLSD、四輪ステアリング、トルクベクタリングが採用された。また、エキゾーストシステム全体はチタン製となり、フィニッシャーはベントレー初となる3Dプリンターで製造されたチタン製が奢られている。

500名の招待されたVIPを前に世界初公開

モントレーカーウィークで世界初公開された「ベントレー マリナー バトゥール」のインテリア。
サスティナブルな素材が導入された美しいインテリア。予告どおり、モントレーカーウイーク内で行われたベントレーのパーティ内で、選ばれた500名の招待客を前に世界初公開された。

インテリアは、バカラルのキャビンデザインを踏襲しつつ、持続可能でラグジュアリーなアイテムを追加。キャビンのアイテムはどれも、オーナーが希望する仕様に合わせて仕立てられる。スコットランド産の低炭素レザー、スエード調のダイナミカ、カーボンファイバーに代わる複合素材ナチュラルファイバー など、持続可能なインテリア素材も豊富に用意された。このナチュラルファイバーは、ベントレーにおいて初めて採用されている。

バトゥールはモントレーカーウイーク内で行われた、ベントレーのシグネチャーパーティーにおいて、約500名のVIPを迎えて初公開。この発表の場において、エイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは、次のようにコメントした。

「バトゥールはベントレーにとって大変重要な意味を持つクルマです。大成功を収めたバカラルの後継というだけでなく、ベントレーが開発を進めるBEVのデザインの方向性を、バトゥールが示しています。アンドレア・ミンド率いるデザインチームは、ベントレー伝統のデザインを新たな解釈で生まれ変わらせ、優美さを大切にしつつ、力強さと逞しさを強調したデザインを完成させました」

「搭載されるのは、ベントレーが開発してきた中で最も強力なエンジンです。ベントレー製W12エンジンが、歴史上最も成功した自動車用12気筒エンジンであることは、誰の目にも明らかでしょう。ただ、ハイブリッドやBEVに道を譲る日が近づいてきました。今回、バトゥールに搭載し、有終の美を飾ることができればと考えています」

限定18台すべてがソールドアウト

モントレーカーウィークで世界初公開された「ベントレー マリナー バトゥール」の走行シーン。
発表段階で限定18台すべてがソールドアウト済み。オーナーとデザインチームによる仕様決定後に製造がスタートし、最初の1台は2023年半ばにデリバリーされる予定だ。

バトゥールは、公開時点で限定18台すべてが受注済みとなっており、各オーナーとマリナー所属デザインチームが協力し、それぞれの仕様を決定。オーナーの個性を反映するため、カラーや仕上げなど、エクステリアとインテリアの目に見える部分のほぼすべてがカスタマイズに対応している。

「バトゥールをご予約された18名の幸運なお客様には、マリナーのデザインチームと協力して理想のクルマを作り上げるという体験を、心から楽しんでいただきたいと思ってます。ラグジュアリーとパフォーマンスを融合させるオーダーメイドカーへの需要は明らかに高まっています。バトゥールは、必ずマリナーの発展の足掛かりとなるでしょう」と、ホールマーク会長兼CEOは付け加えた。

それぞれのオーナーの仕様決定後、英国・クルー本社のカーボンニュートラルなファクトリー内にある、マリナーのワークショップにおいて手作業での製作がスタートする。バトゥールの完成には数ヵ月を要し、2023年半ばに最初の1台がデリバリーされる予定だ。

ベントレー マリナー バトゥールを動画でチェック!

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