絶滅危惧種のライトウェイトスポーツカー「ロータス エリーゼ」は今買いか?

新車は買えない「ロータス エリーゼ」を中古で選ぶならどの世代?【今買うなら、ひょっとしてコレちゃう?17台目】

基本設計を大きく変えることなく四半世紀以上にわたり生産された「ロータス エリーゼ」。1996年から2001年までがシリーズ1、2011年までがシリーズ2、2021年までがシリーズ3となる。
基本設計を大きく変えることなく四半世紀以上にわたり生産された「ロータス エリーゼ」。1996年から2001年までがシリーズ1、2011年までがシリーズ2、2021年までがシリーズ3となる。
クルマの流行廃りにあわせて大きく動く中古車市場。もしも中古車ライフを送るなら、その波を正確に捉えてお得な買い物をしたいものだ。そんな時代の羅針盤たるべく、西川淳が「今」買いのクルマを紹介する。第17回はストイックなライトウェイトスポーツ「ロータス エリーゼ」である。

LOTUS ELISE

スリリングなライトウェイトスポーツ

アルミ接着ボディとFRPカウル、質素でスパルタンな内装をもつ小型のミドシップカー「ロータス エリーゼ」。

つい先だって、1966年式の「ロータス エラン」を運転し、秋の備州を駆け巡った。小さなスポーツカーの手に負える性能を心ゆくまで楽しんだ。

もっとも、比較的メンテナンスの容易なエランにしても私と同じアラカンだ。寄る年並に勝てない部分も当然あって、トラブルの心配なしに走ることは難しい。いや、そこがクラシックカーの魅力であることを重々承知しつつ、とはいえもう少し気軽にライトウェイトカーを普段から楽しめたらいいのに、と、改めて思う。

そんな時、第一の候補になるのは“モダンエラン”というべきユーノス&マツダ ロードスターで、これは誰もが認める定番中の定番スポーツカーである。買って持って間違いなく楽しいクルマだ。けれども、エランが家にあってロードスターじゃ芸がない。どうせ新しめのモデルを探すならもう少しスリリングなスポーツカーを選びたい。古いロータスをすでに持っているのだから、新しいロータスというのもアリ。となれば、名車「エリーゼ」があるじゃないか!

四半世紀に渡り生産

エリーゼは、ロータスというブランドが親元も含めて何が何だかよく分からない時代に登場したブランドの救世主だ。奇跡のスポーツカーと言っていい。アルミ接着ボディとFRPカウル、質素でスパルタンな内装をもつ小型のミドシップカー。コーナリング世界最速というのが筆者のイメージだ。

1996年から2001年までがシリーズ1、2011年までがシリーズ2、2021年までがシリーズ3で、基本設計を大きく変えることなく四半世紀以上にわたり生産された。モデルライフの長さこそが、このクルマのコンセプトのタイムレスな正しさや人気の高さを証明している。クルマ運転好きであれば一度は乗ってみたいクルマだろう。

早速カーセンサーネットで検索する。ロータス→エリーゼを選んで、年式の古い順にソート。80台以上出てきた。さすがにシリーズ1は少ないし、価格も応談ばかり。1台、値段の出ている個体があったけれど、ベースグレードで600万円以上! 走行距離0.1万kmというのには惹かれるものの、さすがに新車価格の1.5倍はなぁ〜。もちろん20年以上前の価格と比べても意味ないけれど。物価上昇を考えると同じくらい、か。

狙い目はシリーズ2か?

それはともかく、シリーズ1は見た目にもすでにネオクラで、休日の遊び程度に使う分にはむしろパワー的にもちょうどいいとは思う。今後、クラシックモデルとして初期型のニーズは確実に高まっていくだろうし。でも、すでにエランがある身としては、もう少しリーズナブルに手に入れて気軽に、そしてモダンに楽しみたい。

シリーズ3は絶版直前ということもあって、価格帯は軒並み新車レベル。「安いな〜」と思うタマは走行距離がかなりのもの。エリーゼに10万kmってすごい人もいるもんだと感心しつつ、買うならもう少し距離の少ない方がいい。ほら、エリーゼってリアルスポーツでスパルタン、サーキット走行のイメージも強いから、どうしても汗臭い感じ。距離が伸びていると、それが染み込んでいる気がしてどうにも。だから1000kmなんてのに惹かれるんだけど。

シリーズ2もまたその相場を見ると新車時価格とほぼ変わらない感じ。けれども400万円くらいから走行距離5万km以内が見つかる。エンジンも初期の頃(111)にはまだローバー製18K型が残っているけれど、エリーゼSとかRと名乗る頃にはもうトヨタ。こうなりゃ別にどちらでもいい。

相場は上昇中なので決断は早めに

最終型のシリーズ3の価格帯は軒並み新車レベル。「安いな〜」と思うタマはかなり走っていることが多い。

エリーゼは日本市場でたくさん売れたこともあって、得意とするメンテナンス&チューニングショップも多いし、ノウハウもたくさん蓄積されているはず。アフターパーツも充実している。中古車選びではアルミ接着バスタブのコンディション次第、とはいうものの、そこさえ気をつければクラシックカーほど面倒くさいことにはなりそうにない。

このところ相場は上昇気味で、以前に比べると高いと思う個体も増えてきた。早めに決断して、距離の少ない上物をゲットしておきたいところ。シリーズ1も然り。スタンダードグレードのフルノーマル、無事故で5万km以内、車両本体価格400万円代のシリーズ2がエリーゼのお得な買い方の基準になると思う。

SPECIFICATIONS

ロータス エリーゼスポーツ220II

ボディサイズ:全長3800 全幅1720 全高1130mm
ホイールベース:2300mm
車両重量:924kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHCスーパーチャージャー
総排気量:1798cc
最高出力:162kW(220PS)/6800rpm
最大トルク:250Nm(25.4kgm)/4600rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前195/50R16 後225/45R17
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:4.6秒

フェラーリブランド愛好家のデイリーモデルとしても成立するように企画された「カリフォルニア」。

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