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Alpine A424
2024年のWECトップカテゴリーに復帰
現在、アルピーヌは、2023年シーズンのWECにLMP2プロトタイプマシン「A470」で参戦中。2022年までは特例を使いハイパーカークラスに「A480」で参戦しており、1シーズンを経て最新のLMDh規定マシン「A424」で再びトップカテゴリーに復帰することになる。
今後投入される予定のスポーツカーを予感させるライトシグネチャーを前後に採用し、サイドセクションは電動デザインコンセプト「アルペングロー」からインスピレーションを得たフォルムを導入。リヤミッドには、最高出力684PSを発揮するメカクローム製3.4リッターV型6気筒シングルターボが搭載され、これにボッシュ製共通ハイブリッドシステムと、Xトラック製7速ギヤボックスが組み合わせられる。
スペインのヘレス・サーキットでは、3日間のテストセッションを実施。A424はアントニー・ヴィラン率いるアルピーヌのデザインチームが手がけた、鮮やかなアルピーヌ・ブルーのカラーリングを纏って登場した。今回のテストでは、2024年に向けたホモロゲーションの取得や、11月中旬にアラゴンで予定されている次回のテストに向けた開発作業が行われている。
最初の本格的なテストを終えて、アルピーヌ・エンデュランスチームのフィリップ・シノー代表は次のようにコメントした。
「ヘレスでのテストの結果には、全体的に満足しています。刻々と変化する天候にもかかわらず、タイムアップを進めながら、マシンを改良し続けることができました。特にエアロダイナミクス、車載システム、ヘッドライトの調整、夜間走行に不可欠な車内の照明など、大きな進化を果たしたと考えています」
「今回のテストはチームにとっても非常に重要なマイルストーンとなります。3日間を通じて、厳しいコンディション下において、少しずつ経験を積み上げることができました。デビューに向けて、プレッシャーは増しつつまりますが、我々は冷静に前進していると断言できます」
4名のドライバーがテストに参加
最初のセッションでは、F1ドライバーのミック・シューマッハーがA424のステアリングを握り、ロングディスタンステストを実施。ハイブリッドシステム、ディファレンシャル、エアロダイナミクスの開発が進められた。また、ミシュラン・タイヤとの作業も続けられ、ウェットコンディションにおけるセットアップ調整も行われている。
シューマッハーに続き、シャルル・ミレッシ、アンドレ・ネグラオ、ニコラ・ラピエールがドライブを引き継ぎ、3日間で1200km以上を走破。A424にとっては初となる夜間走行も行われ、ヘッドライトやコクピット照明など、耐久レーシングカーに不可欠なコンポーネントが調整されている。A424でのテストを終えたラピエールは、次のように振り返った。
「WECハイパーカーは非常にパワフルで頑丈なレーシングカーですし、ドライビングスタイルを適応させる必要があります。鍵となるのは特にタイヤの使い方と、エネルギー回生システム。このふたつの要素はクルマのバランスに影響を与えるからです。私たちは時間をかけてA424を理解し、マスターする必要があります。そうすれば、良いパフォーマンスを持ったマシンでホモロゲーションを取得することができでしょう」
この後、A424は11月中旬にスペインのモーターランド・アラゴンで昼夜におよぶ耐久テストを行った後、12月11~13日には今年最後のテストをポルトガルのポルティマオで実施する予定だ。